PROJECT | ナノ
we are want to see your happy face.


「おーい!!最初に降りる奴等はさっさと行けよぉー!!次がつっかえてるかんなっ!!」

サッチの声に最初に降りる事になっているメンバーがぞろぞろと船を後にする。
その中にはアトモスやラクヨウ、フォッサ、イゾウとハルタも混ざっている。

3つに分けられたグループに均等に隊長が割り当てられているので、心配はないだろうとサッチは降りていく面々の緩んだ顔を見ながら苦笑いをして見送る。

「行ったかい?」

「ん?おぉ!皆してゆるっゆるの顔してたぜ?ククク…」

「そうかい。サッチは最後だったか?」

「おぉー、まだデザートが終わってねぇからよ!マルコ何買うか決まったか?」

二人が話をしていると船内からエースの声とルカの声が響いてきた。

『だから!!あたしが行っちゃいけない理由を言いなさいよ!!』

「何度も言ってるだろ!!ダメだ!!それに、あれだよ!!」

『どれよっ!!』

「そう!!お前まだ仕事終わってねぇだろ!?」

『その仕事に必要なインクが切れそうなのっ!仕事道具買いに降りるだけでしょーが!!』

騒ぎに顔を見合わせて溜め息をつくと、甲板の扉の前で言い合いをしてるだろう二人の元へと歩く。

周囲では、ブラメンコのポケットに無理矢理作った飾りやなんかを詰め込むむさい男達。
やめろ、無理矢理詰め込むなと騒ぐブラメンコを溜め息混じりに一蹴して扉を開けて滑り込む二人は胸ぐらを掴みあうルカとエースにまた溜め息をついた。

「お前ら、なぁに騒いでんの?」

『サッチ!エースが理由もなしに船を降りるなって!!むしろ、部屋からも出るなって言い出したの!!』

「あー…そりゃ、まぁな…ハハハ…」

エースに目を向ければ不満そうにぶすくれてそっぽを向いている。

ここまで、頑張りが正反対の方へとこじれるエースに笑みが浮かぶ。
この説明下手のエースがなんとか船内にルカを止めようとするのも、全てが整った時のルカの喜ぶ顔が見たい一心なのだろう。

ククク…とつい笑いが溢れるがそんなサッチに冷たい視線を向ける渦中の人物に目が止まり慌てて両手をあげて眉を下げるとマルコへと助けを求める。

「……はぁ。ルカ。わりぃが、此島に大将がいるらしくてよい。お前は上陸禁止だよい。インクなら俺のを貸してやる。」

マルコの言葉に、ぐっと言葉を飲み込むルカ。
なんせ青雉との事があったせいで、そう言われては何も返せない上にインクも貸してくれるというマルコの言葉に渋々頷くしか手がない。

『………わかった。それならそうと、エースも言えばよかったのに。ごめんね。マルコ、インク貸してくれる?』

「あぁ。今から部屋来い」

「ルカ!!あとから、飯持ってくなっ!!」

マルコと連れ立ち場を後にしたルカの背にエースは手を振りながら叫べば、ルカも振り返り笑顔で答えていた。

「エース……お前不器用すぎんだろ…」

声をかければ、うっと言葉を詰まらせるエースに苦笑いを返せば。

「だってよー。どう言えばいいのか…わかんなくてよ…」

そう眉を下げたエースの頭をわしゃわしゃと撫でてやる。

「っつーわけで!!ルカと俺の飯頼む!!」

そう言って笑ったエースに俺も同じように笑いかける。

「よし!任せとけっ!!姉ちゃん想いのエースちゃんにはサッチ様が腕を振るってやろうじゃねぇの!!」

そう言ったサッチにエースが飛び付いて喜ぶと走って食堂へと向かったのだった。



そして、順に全員が降りきると意気揚々と可愛らしく包まれたプレゼントをルカに見つからないように部屋へと隠す男達。

数人はまたブラメンコのポケットに突っ込もうとして返り討ちにあっていたが、大事そうにブラメンコはルカへのプレゼントをそのポケットに入れていたのを数人が目にして穏やかに見守っていたのは内緒の話だ。


そうして、慌ただしくも白ひげ海賊団はその島を後にしたのだった。



その3、君の喜ぶ顔が見たい

(マルコ、お前何買ったの?)
(内緒だよい)
(んだよー!つまんねぇの!お!エースお前何買ったんだ?)
(サッチよかセンスいーと思うもん)
(お前は俺が買ったのを見たのかよ!?)
(見てねぇけど、録なもんを買ってないだろうって予想。)
(おまっ!!失礼だぞっ!!)
(偶然だな、エース。俺もそう思うよい)
(………あれ?親父も降りてたのか?)
(は?………抱えてるな…小脇に……)
(勝てる気がしないよい…)
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