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序章


食堂で賑やかに食事をしていたルカ達。
隣にはエース、反対側の隣にはマルコ。向かいにはサッチ、イゾウ、ハルタがいた。

相変わらず突然眠り出すエースの頭を叩くとごちそうさま、と手を合わせてルカは立ち上がる。

「あれ?もういくの?」

ハルタの問いにルカがギロリサッチを睨むと

『どっかのバカが懲りもせずに上陸が近いのにバカみたいに書類寄越したからね。その処理しなきゃなの』

そう言って、席をたつとトレーを厨房へと渡すルカを見送りながら、サッチへとじとりとした視線を投げ掛けた。

ところで、食堂を出ていこうとしたルカの言葉に全員がそちらを振り向いた時にはパタンと扉が音を立てて閉まったところだった。


「今、あいつ。何て言ったよい…」

「お前も聞いたか?」

「幻聴じゃなければ…」

その場にいた全員が顔を見合わせた。






『ごちそうさまぁー!!今日もご飯美味しかった!!お昼も期待してるね!!』

ニコリ笑って、ラルフへとトレーを渡すと手を振って扉へと向かうと視界の端に映ったものに何気なく視線を向けると今日の日付のカレンダー。

10月18日。

『(…………あ。)今日あたし、誕生日じゃん。やだねぇ〜、また1つ歳とっちゃったじゃん。ま、いっか。関係ないしね♪さぁ〜て、仕事、しごとぉ〜!ふんふふ〜ん』

ガチャ パタン



……………………………………


「「「誕生日ぃいぃいぃいっ!?」」」

「おい!!誰か知ってたか!?」

マルコとサッチが確認し合った後の全員の絶叫。

慌てたサッチが食堂の全員へ問いかけるも、むさ苦しい男達は一様にぷるぷると首を振る。

「そういえば、ルカはそういう事言わないからねぇ。それに、あの口振りじゃ今日の今日まで本人も忘れてたようだしねぇ…」

イゾウの呆れた声がしんとした食堂に響く。

そして、サッチとエース、ハルタがガタリと音をたて立ち上がると。

「「「親父んとこ行ってくるっ!!」」」

とんでもないスピードで走り去っていった。

「こりゃあ…今日は忙しくなりそうさね…」

「……そうだない…」

落ち着いた様子で言葉を交わすと、目を見合わせて二人も立ち上がる。

「今日は仕事やめとくかよい…」

「そうするか…」

こうして二人も食堂を後にすると、残されたクルー達は忙しくなるぞー!と叫び、残っていた朝食を掻き込むと各隊の隊長の元へと慌ただしく駆けていった。
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