rode-12
ヒッコシクラブの上で正座をしいられる事数十分。
さすがに限界なのか、ライがナミに声をかけた。
『ナ、ナミ…俺、これ以上正座してたらいざという時役にたてねぇ…」
「だっらしないわねぇ。いいわ。崩しなさいよ」
『女王様かなにかかよ…はぁ、血が巡るー!』
足を伸ばし、寛げるが案の定ライを襲った脚の痺れを面白がったルフィとウソップがちょっかいをかける。
『ぎゃあっ!おまっ!お前らやめろっ!』
「やめられねぇーなぁー!」
『やめろって…いってんだろがぁ!』
二つの音を響かせながら、ルフィとウソップの頭に大きなたん瘤が出来上がった…
パンパンと手を叩きながら、たく…と言い腰を下ろすライに声を掛けたのはサンジ。
「お疲れさん」
『お前から労いの言葉を聞けるなんてあんのか…?あ、あれか、暑さにやられたか!』
「んなわけあるかっ!たまにはあるわっ!」
『ああ、そう』
そんな掛け合いの繰り広げられるヒッコシクラブ上。
だが、そこで事件が起きた。
それに反応したのはやはりライ。
突如現れた鉤爪に反応しビビを守ると自らビビの代わりとなりクロコダイルの手中へと落ちる。
『よ〜う。鰐ちゃん?残念。ビビ王女はあちらにいますよぉ?』
「てめぇ…まぁいい。身の程知らずなガキに思い知らせるいい機会だ。覚悟決めろ」
『別に?俺、お前に負けねぇから?決める覚悟もねぇんだけどっと』
クロコダイルの手が置かれた首から水分が奪われる。
『おっ。わりぃなぁ?それは止めてもらうぜ?』
ライがニヤリと笑うとクロコダイルは能力が使えなくなり、目を見開いた。
「てめぇ、何しやがった!?」
クロコダイルが声をあげたと同時に手の内にいたライはいなくなり、代わりにいたのは…
ルフィ。
「おめぇの相手は俺だ!」
『だ、そうなんで?ルフィ!負けんなよー!』
ヒッコシクラブ上からルフィと交代したライが叫ぶ。
「負けねぇよ!だから、おめぇら!ビビを必ず!無事に宮殿連れてけ!!」
「ル、ルフィさん…」
「大丈夫よ。今まであいつに狙われて無事だった奴なんていないんだから!」
「え、えぇ…」
少し心配そうにルフィを見つめてからビビは叫んだ。
「ルフィさん!!アルバーナで待ってますからっ!」
『俺もしっかりビビを守る!気を付けろよ!』
そして、ルフィを残しヒッコシクラブは更に先へと進むのだった。
『んだよ?辛気くせぇ…』
「何故、こんなアホがレディの危機に気付いて、紳士である俺は気づかなかったんだ…くそっ!」
「てめぇもアホだろ。アホコック」
『えぇー…なんか俺、アホ扱いー』
「ライ気にすんな。気にしたら、敗けだ」
『ウソップ。お前が言うと説得力あんな。あれか?普通代表か?』
「てめぇもたいがい失礼な野郎だな!」
「うるさいわよ!あんたたち!」
『俺、誉められるべきじゃねぇか…』
「ライさん、ありがとうございます!」
『俺の見方ってビビちゃんだけねぇー!ありがとう!君がいれば俺百人力よ!』
………………
「んだ。おめぇもくそコックと同じ人種か?」
『んなわけあっか!あそこまで見境なくねぇ!』
(とは言え…今の乗りは完璧サッチが乗り移ってたな…てこたぁ…サッチとサンジが同じタイプの人間……しっくりくんな…帰ったらくそコックって言ってやろう…)
「ぶぇーーくしょい!」
「うるせぇよい。くしゃみ1つででけぇ声出すな」
「ちょい、ちょい!俺、かわいそう」
「しるかよい」
「お前、さっきから何読んでんの?」
「エースからの手紙だよい。」
「え?あいつそんなん寄越してたの?」
「いや、はじめてきたんだ。何かと思えば、アラバスタで弟に再会したんだとよい…」
「あぁ…例の弟自慢か…」
「だが、この紅い髪の男…」
「赤髪?シャンクスか?」
「読んでみろ」
「何々?顔にガッツリ刺青入れた紅い髪に銀の瞳の男がいたんだけど、すげぇ男前で動きも何で前半で名も売れずいるのか不思議な男ででも何かを思い詰めたあいつ同じ眼してた。名前はライって言うらしい。俺が戻るまでにルフィ達が新世界に入って、会うことがあったら面倒みてやってくれ。だとよ?」
「俺も新しい手配書なんかは全部チェックしてる。だが、そこにある特徴の男は一度も眼にした事はねぇ。エースが不思議に思う程だ。余程いい動きをしてたんだろうない。そういうのは隠していても身に染み付いてる。ほんの少しの動作で、力がある奴程気づくだろうな。早くそいつの手配書がみたいねぇ」
「だが、それもすぐかもな…最後に弟はこれから七武海のクロコダイルを落としに行くらしい。また手配書の金額上がるかもな!ってうかれてやがる…」
「ほう…そうかい。それにその男が絡めば…」
「早く見てぇな?」
『もう、俺は死ぬんだと思ったぜ…』
そう言ったライの視線の先には、マレなまずを引っ張るクンフージュゴン達。
「これでどうにか向こう岸に行けるな…」
「つかライ。おめぇ溺れた時俺をまじで蹴り飛ばしたろ」
『そうだっけ?マリモは蹴ったけどな…』
「喧嘩うってんのか?」
『そりゃ、被害妄想だ』
「あんたらは何の話してんのよ…」
そして、対岸につきなまずから下りる一行。
そこにビビが口を開いた。
「このあとはまた当分砂漠の道です。辛いと思いますが…もう、反乱軍はアルバーナ。宮殿へ動いています。あたし達も一刻も早くアルバーナ宮殿へ向かいましょう!」
全員顔を見合わせ頷くと、先に行こうと動き出すと前方から砂煙をあげてなにかが近づいてきたのだった。
決戦迫る!?
(超カルガモ部隊!!)
(カルーとその仲間達か…)
(迎えに来てくれたのね!ありがとう!)
(じゃあ、いっちょ乗って行ってぶちかますか!)
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