rode-11



ユバの街を出て、ナノハナへと逆戻りをしている一行。
が、突然座り込んだのはルフィ。

「おい。なにやってんだ。早く行くぞ」

ルフィにサンジが声をかける。

「やめた!」

腕を組み俯いているルフィから表情は伺えないが最後尾でそれを見るライが笑みを浮かべる。

「あぁ?てめぇのワガママにいちいち付き合ってらんねぇんだよ!ちったぁ、考えろ!」

「なぁ?戻って何すんだ?」

「なにってお前、そりゃ反乱軍を止めて…」

「反乱軍止めたら、この闘いは終わるのか?」

その言葉に一同が口をつぐむ。

「反乱軍止めてこの戦いが終わるなら、いいよな。むしろ俺達はいねぇ方がいいくれぇだ。海賊だからな!」

「たまに確信をつくな、あいつは…」

「なぁ、ビビ。俺はクロコダイルをぶっ飛ばしてぇんだ!」

「だから!それは…」

「おまえ、闘いを甘く見てねぇか?お前は、反乱軍も国王軍も皆死ななきゃいいと思ってんだ!」

「そう思って何が悪いの!?彼らは誰も悪くない!それなのに!」

「人は死ぬぞ」

激情したビビがルフィを殴るが、すぐにルフィが殴り返す。

「人が誰も死ななきゃいいと思ってんのに、なんでお前は命かけてんだ!」

「しょうがないじゃない!それしかあたしにはないんだから!他に何をかけろっていうのよ!」

二人の声が砂漠に響き渡る…と、

「俺らの命も一緒に賭けてみろよ!仲間だろうがっ!」

一際大きなルフィの声が砂漠に反響する。
その言葉にビビはこれまで堪えてきた涙が次々に溢れ出す。
ルフィは殴られた時に飛んだ麦わら帽子を拾いかぶり直すとビビに言った。

「教えろよ。クロコダイルの居場所。」


そして、この一件でルフィ達は進路をカトレアからクロコダイルのいるレインベースへと変更したのだった。

向かう道中。ライがルフィに並ぶとルフィが周りにも聞こえるように話す。

「ライ。おめぇもだぞ。なんか気になる事あんならちゃんと口にしろ!いつか家族の元に戻ろうと知らねぇけどな。今一緒にいんのは俺らだ!」

その言葉にライは目を丸くするも、クツクツと笑いながら

『そうだな…。サンキューな…』

ルフィの頭に手をのせてポンポンとリズム良く頭を撫でるとルフィが噛みつく。

「おい!俺はガキじゃねぇ!」

『俺からしたら、全員立派なガキだ…』

「「んだと!?このやろう!」」

何故かゾロとサンジまで混ざりライに噛みつく。

それから、少しだけ賑やかに砂漠を進み。
暫くすると、街が見えてきた。

「あれが…クロコダイルのいる街レインベースです。ここはもう本陣。気を付けて下さいね」

ビビの真剣な顔に一同頷くも一人例外がいた。

「なぁー、取り合えずよ。飯とみずーーーー!」

『ぐあっ!!またかぁーーーーー!』

「ウソップ!追いかけて!」

「たく!あいつら、また勝手に動きやがって」

そして、ルフィとウソップと水や食料調達係になったライはイライラとしながら買い物を済ませる。

『たく。ルフィ、また次無理矢理連れていったら、そんなもんじゃすませねぇからな!覚えとけっ!』

「ぶぁい。ずみばぜんでじだ…」

ウソップが哀れみの視線をルフィに送る。
その先にいるのは、ライによりぼこぼこにされたルフィの姿。

「(俺は絶対ライを怒らせねぇ…)」

そして、進んでいると突然目の前にはスモーカー率いる海兵達に出くわす。

「麦わらぁ!見つけたぞ!覚悟しやがれ!」

それに水を抱えながら、必死で駆け出し逃げる3人。

逃げ回るうちに、またもルフィが声をかけ一味全員で逃げるはめになるも、クロコダイルの仕切っているカジノで落ち合う約束をしてちりぢりに別れる。

ライはサンジとチョッパーと瞬時に行動する事にし、サンジ達を追いかける。

暫く走って、脇道へそれ物陰に隠れると通りすぎる海兵達を見送り動き出した。

「さて、カジノはどこだ?」

「あっちじゃねぇのか?」

『あー、あれじゃねぇの?』

少し遠くに見える黄金で出来た鰐を指差すライに二人は

「っし。行くぞ!」

「おう!行こうぜっ!」

声を揃え、3人でカジノへと足を進めるも随分な数のバロックワークスの社員達の姿にチョッパーが怯える。

「ど、どうするんだ!?あんなにいるぞ」

「どうするも何もあいつらを倒さねぇと中に入れねぇだろ」

『その通りだな。じゃあ、俺いくから。お前ら待ってろよ』

一歩前に出て、剣に手を添える。

「お前一人でか?」

『見くびるなよ?それに俺の力見といた方がこれから先何かと便利だろ?まぁ、みとけっての』

そう笑みを見せて、敵陣へと歩み寄る。

そして、バロックワークス社員に呼び止められた。

「おぉ、てめぇ何してやがる!んな物騒なもんもってよぉ?」

銃を向け呼び掛けるも無視され、歩みを進められた男は呼び止めながら引き金を引いた。
が、すでにライの姿は見えず。

『んなもん当たらなきゃ意味ねぇな?』

空から降ってきた声に全員が上をみると、空に飛び上がったライが一回転して着地すると同時に引き金を引いた男から血飛沫が上がる。

「なっ!てめぇ!よくも!」

それを合図に一斉に男達が武器をとりライに立ち向かっていくも、それをライは舞うようにかわし、確実に地面へと切り伏せる。

そのスピードの早さにサンジとチョッパーは目を見開いた。


「おおおい!サンジ!すげえょ!」

「あぁ…くそ剣士の刀よりでけぇ…重そうな剣持ってんのに…俺やルフィなんかより段違いにはぇ…。しかも、確実に全員がやられてやがる。レベルがちげぇなんてもんじゃねぇぞ…ありゃ…」

二人がそんな話をしている内に、外にいた全ての男達を倒したライはサンジとチョッパーに声をかけた。

『おい!もういいぞ!出てこいよ!行こうぜー』

「おい!ちょ!待てっ!」

一人まだ意識のある奴に話しかけ中の様子を探るために電伝虫でクロコダイルに繋ぐように言うとすぐに電伝虫を渡してきた。

【なんだ?】

「おい、これ繋がってんのか?俺、子電伝虫の使い方よく知らねぇんだ」

「はい、いいですよ」

「あー、こちらくそレストラン」

【くそレストラン…だと?】

「あぁ、聞こえたみてぇだな…」

【てめぇなにもんだ?】

「俺ぁ、Mr.プリンス。そこに俺の仲間…」

【Mr.プリンスー!助けてくれー!捕まっちまったぁー】

「あー、いるみてぇだな。」

【そうか、あのとき嘘の報告をした奴が残ってたのか…】

「あぁ、そうだ。とにかく、今から

ばぁーーーん

「ぐぁっ!」

「す、すいません!Mr.0!今、こいつ仕留めました!」

【今どこにいる!?】

「カジノの正面入り口に」

【わかった。すぐ行く】

がちゃ

「だそうだ。じゃあ、チョッパー頼んだぜ?」

『死ぬなよ』

爽やかな笑みに親指をたてて言ったライにチョッパーが怒鳴る。

「おどすんじゃねぇよ!」

『お、来たぞ。じゃあ、また後でな』

チョッパーが変装して走り出すとそれを追っていったクロコダイルを見送り二人はカジノへと入るとかかっていた橋を落とす。

そして、カジノを奥へと進んだ。

そこで目にしたのはビビに襲いかかるバナナワニの姿。

『ワニは任せろ!ビビを頼む!』

言った瞬間姿を消し一瞬でバナナワニとビビの間に入り込んだライは下から上へとバナナワニを切り上げた。

『図体だけじゃ俺にゃ勝てねぇぞ?』

ニヤリと笑い、倒れるバナナワニを一蹴する。

「「「ライー!プリンスー!」」」

『お前ら、いい様じゃねぇか!ん?煙の海兵も、いんのか?海兵の癖にバカだなっ!あっはっはっはっ』

「んな事より、ワニに鍵食われちまって外に出れねぇんだ!ワニ倒して鍵さがしてくれ!」

『おう!わかった!で、どれだ?煙やろー』

「…!?今入ってきたやつだ…」

『おっけー。ちょっと待ってろよ』

1つのジャンプで言われたワニの元へ飛び上がると勢いのままに強烈な蹴りをワニの腹にぶつけると鍵と供に飛び出した白い固まり。

「おい、麦わら。あいつ、なにもんだ?」

「ライは今のとこ俺の友達だ!いずれは仲間だけどなっ!」

「(あの動き。ただもんじゃねぇ。あんな動きする奴が…この前半の海で何してやがる)」

その間に白い固まりから出てきたMr.3が鍵を放り投げ、サンジとライにぼこぼこにされるもウソップの機転で無事檻からの脱出に成功。

だが出てきたルフィとゾロにより水槽が更に破壊されまたも窮地へ逆戻り…

『お前らやる気だすなら、外で出せよっ!』

「どうすんのよ!バカ!」

「しょうがねぇ、泳いで脱出すんぞ!」

『…………………!?』

「どうした?ライ』

『あー、俺泳げねぇ…』

「「「「………………はぁっ!?」」」」

その瞬間大量に流れ込んできた水に巻き込まれ飲み込まれていく。

「『がぼぼぼぼ』」

ルフィと一緒になりもがいてみるも、すぐに意識は遠退き沈んでいく二人に、ウソップ、ナミ、ビビを運んだサンジが戻ってきてルフィとライを回収し水面へ向かう。

なんとか這い上がり、次に上がってきたゾロを見てサンジが怒鳴る。

「おめぇ!なに海兵助けてんだ!?」

その声に気付いたスモーカーがすぐに起き上がり十手を構える。

「なんのつもりだ?」

「知るかよ。俺は船長の命令に従ったまでだ」

「『うぇっほ。げほ、げほ』」

その時同時に咳き込み、起きたルフィとライ。

と、スモーカーに気付きルフィは構え、ライは剣へ手を添える。

「どこまで本気なんだ…」

「さぁな…」

と、十手を降ろし悔しげに葉巻を噛みながらスモーカーが言った。

「行け…」

「あぁ?」

「今回は見逃してやる。さっさと行け。だが、次はねぇからな!」

その言葉にルフィが目を丸くしたあと、ニカっと笑みを浮かべると

「俺、おまえの事嫌いじゃねぇな!」

「さっさと行かねぇか!」

十手を振り回し怒鳴ると

「けむりん!サンキューなっー」

ルフィ達は笑いながらその場を後にした。

「スモーカーさん!」

「あぁ」

「麦わら達は!」

「逃げた。俺は一旦港に戻る。おまえはこのまま宮殿へ迎え。そこでおまえの正しいと思うことをしてこい」

「スモーカーさん?はい!わかりました!」

「あの赤い髪。要注意だな…」


戦闘、始まる!!


(で?ライ?あんた能力者だなんて、聞いてないわよ!)
(いや、よっくよく考えたら俺もいい忘れてたなーなんて?)
(あんた!そこ!重要よ!)
(なぁ?何の能力なんだ?)
(え?えー…とぉ…)
((やべぇ!どうしよう!!))
(あれ!あれだよ!ほら、風操れんの!俺っ!)
(だから、あんなはえーのか?)
(そうなんだよ!こうよ!風あやつってぴゅーんと、なっ!)
(ふーん。まぁ、とにかく。これからはライ気を付けなさいよ!)
(わかった!じゃあ、いいか?足伸ばして。足痺れちまったよ…)
(だめよ!あたしがいいって言うまでそのままでいなさい)
((お、鬼ーーー!))

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