destiny-04




「炎上網!!」

ごおっと音をたて、エースとスペード海賊団の間に火の壁が出来る。

「エース!!なにやってんだよ!!」

「おめぇら、逃げろっ!!」

「何だ?今更怖じ気づいたか?」

『親父さーん、暴れたいけど?ダメ?』

「まぁ、ちょっと待ってろ。で、どうなんだ?こぞう」

「白ひげぇ!!てめぇを狙ってたのは俺だ!!あいつらは逃がすが…俺が残るっ!!」

白ひげとの大きな力の差に仲間を逃がす決断をしたエースは炎上網で壁を作ったのだ。

『全く…一緒じゃない…』

ぼそっと溢した言葉に、マルコとサッチ、イゾウが反応した。

「おい、ルカ。どうゆう「いい根性だ!!敬意を表して本気でやってやろうじゃねぇか!!」親父っ!!」

そこから、繰り広げられた闘いは一方的なものだった…。

『自分を盾に大切なもんを守る…か…。守られた方の辛さを刻みこんでやる…』

「さっきから、ぶつぶつ。どうしたよい?」

『ちょっとね…あ、終わるよ』

「早く、殺せよ!!」

「まだそんな事言えるか…気に入った!!俺の息子になれっ!!」

「言ったか…」

「言うと思ったよい…」

『そうなるよね…』

「はぁっ!?ふざけんじゃねぇ!!」

「まだ暴れたりねぇなら、この海で俺の名を背負って暴れてみやがれっ!!」

「ふざけんじゃねぇって言ってんだろがぁ!!」

どがぁーーーん

『タフだねぇー。若いって素晴らしい…』

「ルカもまだまだわけぇだろ…まぁ、タフってのは同意できるな…」

『でしょー?「おい、ルカ。船に運んで医務室放り込んでこい!!」あたしか…』

「早く行けよい」

『わかったよ…』

バサっと羽音を立てながら、白ひげの前に倒れるエースを担ぐとそのままモビーディックへ飛び立った。

『ジンベイも連れてきてよね!!』

「わかってるよいっ!!」

甲板に降りて、医務室に向かう。

「おう、ルカ!!そいつか?さっき親父とやってたのは」

『ん?ショーン。そうだよー。スペード海賊団、火拳のエース。威勢だけは十分じゃない?』

「?ルカ、お前何をピリピリしてんだよ」

『別に…どうもしないっ!!こいつ、医務室連れてかなきゃだから。じゃあね…』

「お、おう。気つけてな…?どうしたんだか…」

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

バタン

「あら?ルカ、久しぶりね…って誰?」

『ミシェル、親父に挑んだ。バカなルーキー。家族にするんだってさ。手当よろしく。あと、後からジンベイも来るから。じゃあ』

ぽいっと、ベットへエースを投げるとすぐに踵を返し、医務室をあとにしてしまったルカにナース達は。

「どうしたのー?ルカは…」

「親父さんや家族を貶されたか、なんかじゃないかしら?」

「あぁ、そうかもね。とりあえず、手当しましょうよ」

そんな会話をされてるとも知らずに、ルカは甲板へ出て話しかけてくる船員を無視し、船尾へ向かった。

そこは既に島を出港し、海が辺り一面に広がっていた。

「何が気に入らねぇ?」

『親父さん…』

声に振り替えると、そこには白ひげがあぐらをかき座っていた。
そのあぐらの上に移動すると、ポツポツと話し出す。

『火拳が…仲間を大事にしてるのはわかったんだ。でも、あんな闘い方。あたしは認められない。自分を盾にして…守られる方の気持ちを少しもわかってない…。でも、あれが間違ってるとも思えない。あいつは船長だから、船員は守らなきゃいけない。でもさ、やっぱり辛いよ…あんな闘い方…』

彼の行く末を知ってるが為の反発。

もう少し自分を大事にしてほしい。
そう思うルカの思いを白ひげは受けとめ言った。

「そう思うなら、おめぇが教えてやれ。あいつはこれから家族だ。おめぇの弟になんだからな。時間なんざ沢山ある。お前の思うようにしてやれ」

『親父さん…そうだよね!!そうするっ!!』

「あぁ、おめぇはいつもそうじゃねぇとな、こっちの調子が狂っちまう!!」


「てきしゅーう!!てきしゅー!!6時の方角より海賊船、接近。シンボルは…スペード海賊団!!火拳を奪還しに来た模様!!」

『やっぱ、来たね!!よし、暴れてないし。あたし行ってこよ!!』

ぴょんと白ひげのあぐらから降りると、白ひげに笑顔を向けたあと、船尾に集まってきた兄弟達と合流しマルコからの指示を聞く。

「火拳の海賊団だ。あいつらも家族になるんだろうからない。大ケガはさせるなよい!!じゃあ、今日の先陣は4番隊だったねい!!行ってこいよい!!」

「ルカ!!やる気満々じゃねぇか」

『サッチ、当たり前じゃん。7日も暴れるの我慢したんだよ。暴れなきゃ割りに合わない…』

「やり過ぎるなよー」

『わかってるっつの。今日は黒金使わないから大丈夫!!』

そう言うと、翼を羽ばたかせスペード海賊団の船にルカは乗り込んで行った。


新たな家族
(未來を変えるためにまずは、あの闘い方と喧嘩っぱやさの改善だね)
(覚悟しとけよ!!エース!!)



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