destiny-05
『はーい、軽傷の人はこっち。ちょっとやられちゃったぜ!!って人はあっちねー』
そう言って怪我したスペード海賊団の船員を手当する為に部屋を分けるルカ。
『たくぅー。何だってあたしが…』
と言っていると、突然現れた手に頬をつねられた…
『ひっはーい!!はれ!!はにゃひてほ!!』
と、つねる腕を辿ると
「自業自得…だよない?」
般若を背負った笑顔のマルコがいた…。
『はのね、はうこ!!ほれひはわへが…!!』
「俺は、力の限りはっ飛ばせなんて言ったかねい?」
『ひ、ひっへまへん…』
「それなら、さっさとナース手伝ってやれよい!!」
一際強く頬を引っ張るとすぐに手を離すとすぐに離れて行った。
真っ赤になった頬をさすりながら
『はーい。たく、容赦ないな…くそバナナ…』
「なんか言ったかよい?」
後ろから頭を片手で捕まれたルカは、その声に顔は顔面蒼白…。
ギギギと音がしそうになりながら振り替えると、鬼の形相のマルコがいた。
「ルカ…おめぇはよくわかってねぇらしいな?その根性叩き直してやるよい!!表でろい!!」
そう言って、頭を捕まれたままずるずると引きずられていくルカを見た白ひげとスペードの船員は手を合わせ見送った。
「おらよい!!まだまだ、読みがあめぇよい!!」
『ぎゃーーーーー!!まぢ、マルコっ!!殺す気!?無理だって!!せめて、せめてこれ!!はーずーしーてーー!!ぎゃーー!!』
と、甲板に現れたサッチは唖然としながらイゾウとビスタに尋ねた。
「なぁ、あれ。どうしたんだ?」
「あぁ、サッチか。何でもルカがくそバナナとか言ったらしくってねぇ」
「只でさえ虫の居所の悪かったマルコがむきになったってわけだ」
「むきになったってレベルか?」
「まぁなぁ…海楼石の錠に絶妙な角度で大砲撃ってるかな…下手したら死ぬなぁ…」
「まぁ、ルカだからな。心配はないだろう」
『い、いやぁーーーー!!もう、む…むりぃーーーー!!』
どがーーーん
「うおっ!!当たったぞ!?」
「大丈夫だよい。弾なかったんでな。空砲に覇気纏わしただけだよい」
「バカやろうっ!!十分殺傷能力あんだろ!!」
『いたた…。手加減ないわ…。もう、本当ごめんなさい』
ふらふらしながら立ち上がると、マルコに不服そうに謝罪した。
鼻で笑うと、仕事があるからと自室へ戻っていくマルコを見送るとルカはサッチ達の所に近づいた。
『マルコ、まぁーじ鬼畜…ちょっとーサッチ外して』
そう言ってマルコに渡された鍵を渡しながら、腕を上げる。
錠を外してもらいながら、ビスタとイゾウと話す。
「にしても、お前もこりないねぇ」
「マルコの機嫌位確認したらどうだ?」
『いや、あたしだって好きでマルコに勝負挑んでるわけじゃないかんね?』
「まぁ、今回はお前が完璧わりぃんだろ?」
『まぁ、そぉだけどさ』
キィー バタン
『ん?あぁ。火拳か…』
「お、目覚ましたか!!ちょっと行ってくるわ!!」
『全く、おせっかい…』
「どうした?兄貴取られて悔しいのか?」
『イゾウ…うるさい。あたしも…行ってくる』
「あぁ、お前の仲間が船長を返せー!!って乗り込んで来たが、全員返り討ちにしたぜ?まぁ、無事にこの船に乗ってるがな。あぁ、何人かこいつが暴れすぎて怪我しちまったがな」
『サッチ、最低。まぁ、その通りだけど。』
「てめぇ!!」
胸ぐらを捕まれ、ギリギリと持ち上げられる。
頭にきたから、そのまま飛び上がってエースを甲板に叩き落としてやった。
「いってぇ…」
『白ひげに挑んだ時点で、無傷で済むなんて思ってなかったでしょ?ふざけないでよ。自分を大事にできないやつが、くそ生意気に仲間の心配してんじゃねぇーよっ!!胸くそ悪い。部屋にいる。なんかあったら呼んで』
船内に入る扉を乱暴に開け、閉めると自室へと足早に進んだ。
自己犠牲の塊なんかくそ食らえ!!
(許してやってくれよ)
(あいつにも色々あるみてぇでよ)
(色々って、てめぇらは知らねぇのか?)
(あいつの事は大体知ってるよ。でも、抱えてる何かだけは誰にも教えてくんねぇんだ)
(それ、信用されてねぇじゃねーか…)
(そのうちわかるさ。お前にもな)
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