destiny-02



モビーディック号をたって半日。

もうすぐ朝日が昇ろうとしている。
随分な距離を飛びさすがに疲労が現れ始めた頃。
うっすらと明るくなり始めた水平線に目的の島が見えた。

『やーっと見えた!!あとちょっとだし、ラストスパートといきますかっ!!』

ニヤリと笑い、更に加速した。





浜辺が見え始めた頃。浜辺にはジンベイがルカの到着を待っていた。

『あっ!!ジーンベーーー!!』

飛びながらブンブン手をふるルカに気付いたジンベイは片手をあげ、それに答えた。
そして、ジンベイの前に降り立つ。

「久しぶりじゃのう。ルカさん」

『さんって相変わらずだね。ジンベイはー!!ルカでいいって。無図痒いから!!』

「おぉ、こりゃすまん!!つい癖でな。それじゃあ、ルカ腹は空いてないか?まだルーキー達は動き出さん。その前に腹ごしらえでもせんか?」

『わわっ!!賛成っ!!船で数日かかる距離をかなり急いだから、もうお腹ぺっこぺこだよー!!こんな朝からやってるとこあるの?』

「この島は漁業が盛んでな。港の周辺の食堂なら朝早くからやってるんじゃ」

『そうなんだ!!じゃっ、行こうか』


港の近隣の食堂に入り、朝食を取りながら今後の打ち合わせを行う。

『ねぇ、ルーキーはどこにいるの?』

「ルカの降りた浜とは丁度反対の入り江に停泊しとる。二人だしな、交代で宿で休もうと言いたいが、警戒は怠りたくないからな。悪いんじゃが、入り江を見張りながらその場で休みたいのじゃが…構わないか?」

『いいよー!!宿でっても、気になって寝れないだろうしね♪』

「相変わらず好戦的じゃなぁ」

『だって、海賊だもーん!!』

「あぁ、あとわしはともかく。白ひげの堕天使じゃて、気づかれぬようにローブは外さないでくれるか?」

『あいあーい、了解』

「それじゃあ、行くぞルカ」

『はいよー!!』


街を抜けしばらく歩くと目的地の入り江に辿り着いた。

大きな岩に隠れるように、覗いてみると。

そこそこの大きさの海賊船が海に浮いていた。

(スペード海賊団のマーク。間違いない。エースだ)



『にしても、見張りまで寝ちゃったら見張りの意味ないね…』

「そ、そうじゃのう…」

『昨日は宴やってたわけねー!!甲板きったな…うちといい勝負してるー』

「ルカが到着する少し前まで騒いでたからのう…まだ当分は起きなそうじゃのう…」

『ねぇー、ジンベイ。これってすごーく暇じゃない?』

「まぁのー…じゃが、親父さんの到着を待たねばならんだろ?」

『そうだけど…親父さんの事悪く言ったら、あたしでるよ?』

「何いっとるんじゃ、そんなのわしがでるから、お前さんは黙ってみとれ。暴れて海軍に知られた方が厄介じゃて!!」

『んもー、わかったよ…』

「我慢せんか!!」

『だってー、親父さんはあたしに任せるって言ってたもーん!!』

「それでもじゃわい!!ん?一人船内からでてきたようじゃ」

『お、本当だ!!』

肩から下げていたバックから単眼鏡をだし覗きだしたルカを見てジンベイはびっかり。

「用意がいいのう?」

『動向さぐれとか、スパイみたいじゃん!!面白そうだから、役に立ちそうなのもってきたのー』

「そ、そうか…」

『あ!!ジンベイお腹空いたら言ってね!!食料あるから!!張り込みって言ったらあんパンと牛乳だよね♪』

(な、なぜじゃ………)


動向調査開始っ!!

(おっ!!朝食の時間みたいだよ!!うんまそー…)
(よだれを拭かんか!!仮にも女じゃろ!!)
(なっ!!失礼な!!仮にもじゃなくて正真正銘女だよっ!!)
(女はそんな事でよだれは垂らさんわっ!!)
((不安になってきたわい…)


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