destiny-01



輝く大海原を進む一隻の巨大な船。
その船首は白鯨を模して作られている。

その船の名はモビーディック号。

四皇の一人エドワード・ニューゲート率いる白ひげ海賊団の乗る船である。

そしてその甲板で呑気にも昼寝をしている女が一人。

白ひげ海賊団に仲間入りし、早くも1年以上たつ。

アマクサルカ。
白ひげ海賊団。4番隊の隊員である。






「なぁ、ルカまた寝てるぞ…」

「そろそろか?」

「ああ、そうだな…」

キィ…バタン
ツカツカツカツカ

「お前は…何暢気に惰眠貪ってやがる!!!!」

ガツーーーン

『いったぁーー!?何!?』

「髪を切ってすっきりしたついでに脳ミソも切り落とされたのかよい?」

『マルコっ!!いきなり殴るなんてどーゆうつもりっ!!』

「親父がお前を呼んでから、どれだけ時間がたってると思ってんだよい!!」

『あ゙………』

「その様子じゃ、忘れてたみたいだねい。さっさと親父に会いに行ってこいよいっ!!!!」

『は、はーーい!!』


猛スピードで走り去るルカを見送ると
溜め息をつきながらマルコも船内へ続いた。



『親父さーん?昼寝してました、ごめんなさい』

部屋に入るや、90度のおじぎをし詫びるルカに親父こと白ひげは笑いながら許す。
隊長達曰く親父のルカに対する甘さは深海より深いらしい。

「まぁ、そんな時もあらぁ。ちょいとお前に頼みたい事があってな。マルコでもよかったんだが、マルコは他の仕事も任せてるから、お前に行って欲しい」

『何をすればいいの?』

「次の島まであと7日かかるんだが。どうも次の島に俺の首を狙ってるらしいルーキーが上陸してるらしい。」

『………!?』

「でだ、手は出さなくていい。俺らが到着するまで動向を探れ。ジンベイがもう島にいるから、一緒に動くといい。」

『わかったよ!!じゃあ、サッチに報告したらすぐ出るね!!』

「あぁ、気を付けて行けよ!!」

『うん!!任しといてよ!!』


((来た…とうとう来たんだっ!!エースが!!))

白ひげの自室を飛び出し、サッチのいるキッチンへ走るルカ。

『サーーーッチィーーー!!!!』

ドターン

「へぶっ!!」

『あれ?サッチは?』

「ルカ、ドアに………」

『え?あぁ、何やってんの?』

「お前が急にドア開けるから勢いでぶっ飛ばされたんだよっ!!」

『ほーう。すまん!!』
手を顔の前にあげ、あまり悪いと思っていない口振りで告げた。

「お前、反省してねぇな。まぁ、いい。で、どうしたんだ?」

『親父さんから頼まれ事したから、先に次の島に行ってるよ!!』

「あぁ、さっき連絡の入ったルーキーの件か?」

『うん、気合い出して飛べば、特訓のおかげで明日の朝には着く!!』

「そうか、まぁくれぐれも気を付ける様にな!!行ってこい!!」

『んじゃ、行ってくる!!』

サッチに笑顔を見せると、ルカは廊下を駈けて、自室へ向かった。

最低限の荷物を持つと、甲板へ向かう。

甲板に出ると、15人の隊長と白ひげが待っていた。

『わっ!!随分派手な見送りー!!』

「もしかしたら、話題のルーキーに噛みつかれたらお前さんも闘う事になるかもだろう?激励にきたんだ」

からからと笑いながら告げるのはイゾウ。

『うっ!!それは面倒ー。でも、その場合は手出してもいんでしょ?』

「まぁ、そこはルカに任せらぁ」

『むむ、親父さん適当だ…』

「まぁ、怪我しねぇように気を付けろよい」

『あいわかった!!じゃあ、いってきまーす!!向こうで待ってる!!』



漆黒の翼がルカの背に六対表れ
甲板から飛び立つ。

「「気を付けろよー!!」」

声に手を振り答えると、猛スピードで船から離れていった。


動き出す世界

(行ったか)
(あいつ、絶対何かやらかすぞ…)

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