travel-20
気付くと、またあたしはあの真っ白な空間にいた。
『あれ？何でまたここに？』
『あたし、隊決めかくれんぼで隠れてたはずだよね？』
「あぁ、わたしが呼んだんだ」
『ん？おぉっ!!久しぶりだねっ!!おっさん!!』
「相変わらずか…」
『ほっとけ、こんにゃろめが…』
「まぁ、そんな事はともかくだな。ルカをここに呼んだのは、話しておく事がある」
『そんな事って……』
「いつまでそうしてる。話を聞かんか!!」
『はいはい。で、なに？話って』
「お前の悪魔の実についてだ。そろそろお前も気になる頃だと思ってな」
『それって、青雉が言ってた"覚醒"の事？』
「あぁ。そうだ。」
『何なの？覚醒って…』
「お前の食べた悪魔の実は、堕ちた天使。堕天使が力を残した悪魔の実だ」
『それは親父さんから聞いたよ。悪魔の力と聖なる力が共存してるってのもね』
「そうか。なら話は早い。今現在お前が使ってるのは、悪魔の力だ。」
『はぁ？』
「お前の今使っている能力は全て堕天使が込めた悪魔の能力。そして、もうひとつ僅かに残された天使の能力も込められとる。その力が開放される事を覚醒と呼ぶ。」
『はぁ…そらすごいね…で、それが？』
「あまり理解できてないようだ…」
「つまり、覚醒する事によって。悪魔の実による相手の能力を押さえつけることも可能になる。更には、戦闘能力、技の向上、進化もな」
『な、なんてチートな能力だ!!』
「まぁ、完璧に使いこなせなけりゃ使用後は長い休息が必要とされるし、弱点もある。」
『弱点？』
「悪魔の実の能力以外の物理的攻撃は避けられない。銃や刃物などの攻撃だ」
『今までのロギアみたいに羽にはならないって事？』
「まぁ、そうなる」
『まぁ、自分の身体能力と見聞色の覇気を特訓すりゃいい話か!!』
「単純でいいな…まぁ、そうだな」
『で？その覚醒するにはどうすんの？』
「今の戦闘経験などから、その時が近付いてるのは確かだか、わたしにもその判断はできかねるな…まぁ、特訓、修行を重ねる事だ」
『あっそう…』
「さて、お前に客が来たようだ」
『ん？客…？』
「久しぶりの再会だろう？楽しんでくるといい。さぁ、目覚めろ」
『ん…あれ？自分の部屋？』
キョロキョロと辺りを見渡すと、そこは親父さんの背中でもなくて。
『争奪かくれんぼはどうなったんだ？ってなんか外が騒がしいな、そういやおっさんが客がどーのって』
「赤髪だーっ!!赤髪がきたぞー!!」
『うそっ!!シャンクスっ!?』
ベットから飛び起き急いで部屋を後にする。
廊下を凄まじいスピードで駆け抜け
甲板にでる扉を開け放つとあの日に別れた赤い髪を持つ友の姿が確かにあった。
それを確認したあたしはさらに勢いをつけて駆け出す。
途中驚いた顔のマルコさんやサッチ達の姿も見えたが、それは後回しにシャンクスに飛び付いた。
『シャンクス!!久しぶりっ!!』
片手であるのも感じさせず、飛び付いたあたしを抱き止めると、
シャンクスはにこりと子供のような笑顔を浮かべた。
後ろでサッチが大騒ぎしてるけど、気にせずにシャンクスと話してると、あれよあれよと宴が決まり、
宴までの時間をあたしはレッドフォースで過ごす事に決め、シャンクスと二人船へ向かった。
高みへ向かう手掛かりと
約束の再会
((今は深く考えずにこの時を楽しもう!!))
▼
main