Amor-3



無事に合流をとげた白ひげ海賊団は2日掛けて物資の調達をすることにし、隊を分担し各々久しぶりのシャボンディ諸島での休息を取ることとなった。
初日の非番は奇数隊、2日目の非番を偶数隊としてそれぞれの休暇が始まった。

4番隊に属するルカは不満そうに船淵からマルコ達率いる偶数隊を見送り振り返るとそこにいたのは自隊の隊長であるサッチ、そして偶数隊という事で同じく残っていたエース、ハルタ、イゾウが笑いながら立っていた。


「なぁにしけた面してんだ?」


首を傾げながら歩み寄ってきたサッチはおどけながらルカへと尋ねる。


『だってぇ、あたしも行きたかったぁ…』

「我侭言いなさんな。明日俺たちだって回れるんだ。それにルカは久しぶりってわけでもないだろうに」


イゾウがくすくすと笑いながら言うとルカは、そうなんだけど…と言いながら陸へと視線を向けた。


「なんかあんのか?」


不思議そうに尋ねたエースに向き直ったルカはうん…と難しい顔を見せると話し出した。


『ルフィ達今バラバラになっちゃってるでしょ?その間、ルフィ達の船を守ってくれてる子達がいるんだけどね?』


そこまでルカが話したところでサッチが事の次第を察する。


「あぁ、心配だからお前もそっちに行きたいってぇわけか…」


サッチの言葉にこくりと頷いたルカ。


『例え、たった2日だけでもお世話になったサニーを守りたい…。きっと今も襲撃に合ってるかもしれないし…』


そう言って悲しげにするルカを見てしまえば、このシスコン揃いの船の彼らが黙っているはずもなく・・・・


「なら、何人か連れて行ってこい!」


サッチがにかっと笑みを浮かべて言う。


『サッチ、いいの??』

「あぁ、構わねぇさ。別に俺らがいればそうそうおかしな事にはならねぇだろうし。あ、でも隊長角を1人は連れていけよ??お前だって今や世間を騒がす高額賞金首の一人なんだ。しかも超A級のな?」


そう言って笑ったサッチにルカは飛びついて礼を言う。


『サッチ!!ありがとうっ!!』

「あぁ、そうと決まればオヤジに報告して連れてく奴決めて船でねぇと暗くなっちまうぞ」


サッチの言葉に頷いたルカは全員で白ひげの元へと向かった。






「あぁ?麦わらの小僧の船の加勢に??」

『う・・・うん。ダメかな??』


説明したルカを見下ろす白ひげだったが、こくりと頷くと口角を上げて


「世話になった船の危機、ましてやあの麦わらの小僧の船なら尚のこと行ってくりゃいいさ」

『オヤジさんありがとう!!」


笑みを浮かべたルカの頭を白ひげがその大きな手で優しく豪快に撫でる。


『よっし、んとじゃぁ誰連れていこうかなぁ??』

振り返ったルカの視線の先にはうきうきとした様子で熱い視線を向けるエース、ハルタ。
優しげにルカを見つめるサッチとイゾウがいた。


『んんー…』


彼らを見回して悩んだ挙句、


『じゃぁ、エースとハルタ…隊員からはショーンとラルフを連れて行く』


にっと笑ったルカの言葉に飛び跳ねて喜ぶエースとふふんと鼻を鳴らして笑みを浮かべたハルタ。
そんな2人を微笑みを浮かべて見やるサッチとイゾウ、そして白ひげ。


「そうと決まればショーンとラルフを連れて行ってこい!!ハルタ、2人の事は頼んだぞ?グラララララ」


大きく笑った白ひげの声で船が揺れる。
そして、行ってきます!!と大きな声を上げて3人は白ひげの部屋から飛び出して行ったのだった。


「あいつらだけで大丈夫かねぇ?」

「あぁ〜・・・・それは俺も思ったんだけどよ?」

「心配なら非番組に連絡いれておけ。あいつらなら飛んで行くだろうよ?」


にやりと笑った白ひげの言葉にサッチとイゾウが目を合わせてから大きく笑う。


「最初からそのつもりだったのか?」


くつくつと笑いながら聞いたサッチに白ひげが答える。


「レイリーから聞いてたんでな?小僧の船がシャボンディで主を待ってるってなぁ?あの騒ぎの後だ、誰一人乗っていない船を狙う海賊、賞金稼ぎ、海軍がこぞって襲撃すんのぁわかりきってらぁ。それなら数日とはいえ俺ら白ひげのもんが加勢するだけでも近づく輩は減る。ましてや今じゃ小僧がエースの弟だってぇのは知れ渡ってんだぁ、家族の家族でも手を出したらどうなるかってのはこないだの戦争でわかってんだろう?」


そう言って笑った白ひげの声に2人の声も混ざり、船内に響き渡った。


『ん?何笑ってんだろうね??』


響いてきた声に、甲板でショーンとラルフに説明して船を出ようとしていたルカ達の元まで3人の声が響く。


「さぁ?何かいいことでもあったんじゃね??」

「いいから早く行こうよ」

「おーい!!」


声に視線を向けると既にやる気満々で船の下から声を掛けるエース。


『はやっ・・・・いこっか』


そのルカの声に頷いたハルタ、ショーン、ラルフが頷いて船淵から飛び降りる。
それを見送ったルカが空を仰いでから翼を出し羽ばたかせ甲板を飛び立った。

彼女達に手を振って見送る家族たちは飛び立つ妹の姿に微笑む。



愛するもう1つの海賊船
(なぁ、ルフィの船どんなんなんだ?乗り換えたんだろ?)
(あぁ、うん。サニー‥サウザントサニー号。エースの見たメリー号の意志を引き継ぐ。勇敢な船、だよ)
(でもモビーには負けるだろ?)
(当たり前でしょ?)



向かうはもう一つの大切な場所。






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