savior-19





正義の門付近。

「門を抜けた!さてヴァターシの気がかりは ヴァナタ達の父親はここへ来てるのかって事ッチャブル!」

「達?」

「実の息子のエースが処刑されそうなのに、ドラゴンが黙って見過ごすわけが……」

とひそひそ話すイワンコフだったが、あっけらかんとしてルフィが言った。

「あぁ…おれとエースは父ちゃん違うぞ?エースのとうちゃんはゴールド・ロジャーだからな!せっかくすげェのに会った事ねェんだと!これと言うとエース怒るんだけどな」

「はァ!!??」

『……ルフィ、それいっていいのか?』

「あ…これ内緒だった」

「あァ!?」

ルフィの言葉に軍艦に乗る全員が驚き目を見開きながら声をあげた。

『……ん。なんか、デジャビュ…』

遠くを見ながらライがぽつり呟いた。


その頃、マリンフォードでは。
白ひげの攻撃による海震で、海兵は騒ぎだし、センゴクはそれに苦々しい顔を見せる。
しかも海震は1つではなく、湾を挟んだ反対側にも発生していた。
処刑台にいるエースはそんな白ひげや家族の姿を見て俯き、今までの事を思い出していた。

海へと出る為のルフィとの別れ。

スペード海賊団の旗揚げ。

七武海への勧誘。

シャンクスとの出会い。

ジンベイとの激闘、そしてルカとの出会い。

白ひげとの出会い。

乗船後の奇襲の日々。

そして、白ひげの名を背負うと決めた日。

家族となってからの日々。

隊長となった日。

そして、ルカの死。

数々の思い出を振り返り、白ひげ達を見据えた。

「親父…皆…!俺は皆の忠告を無視して飛び出したのに…何で見捨ててくれなかったんだよっ!!俺の身勝手でこうなっちまったのに!!」

「いや…おれは行けと言った筈だぜ。息子よ」

「ウソつけ……!バカ言ってんじゃねぇよ!!あんたがあの時止めたのにおれは…」

後悔をこめ、エースは言い募る。
それでも白ひげは、マルコは、白ひげの仲間達は言う。

「おれは行けと言った。そうだろマルコ」

「あぁ…おれも聞いてたよい!!とんだ苦労かけちまったなぁ、エース!だが、この海じゃ誰でも知ってる筈だ!おれ達の仲間に手を出せば一体どうなるかって事位なァ!」

「お前を傷つけた奴ァ誰一人生かしちゃおかねェぞ、エース!!」

「待ってろ!!今助けるぞ オオオ!!」

「覚悟しろ海軍本部ーーー!!」

唇を噛みしめ俯くエースに更に声が響いた。

「エース!!帰ろうぜ?ルカがあの海で待ってる。」

サッチの声が響き、ルカと言う名前に全員が反応して声をあげる。

「そうだぜ!!全員揃って、またあの場所で宴をしよう!!」

「とんでもねェもん呼び寄せたなァ…」

「何を今更言うちょるんじゃあ」

「――気味が悪いねェ〜〜」

その時、地鳴りが鳴り響く。

「そら来たぞい。さっきあいつが仕掛けた"海震"が… "津波"に変わってやって来る…!!
"グラグラの実"の地震人間"白ひげ"エドワード・ニューゲート!!」

地鳴りや津波に騒然となる海兵達へセンゴクが声を発する。

「勢力で上回ろうが勝ちとタカをくくるなよ!!最期を迎えるのは我々かも知れんのだ …………あの男は世界を滅ぼす力を持っているんだ!!」

険しい表情を見せるセンゴクに対し、白ひげは不敵に笑みを浮かべている。
そして、モニターで見守っていたシャボンディ諸島の人々から声が上がる。

「ああ…」

「始まるぞ……… 戦争が…」

攻め入るは、"白ひげ"率いる新世界47隻の海賊艦隊。
迎え打つは、政府の二大勢力"海軍本部"と"王下七武海"。
誰が勝ち誰が敗けても、時代が変わる!!




「津波だァ〜〜〜〜〜〜っ!!」

白ひげの手によって生み出された津波が、両脇から海軍本部を飲み込もうとしている。
その波の高さになすすべもなく声を上げる海兵たち。

「何て力だ………まさに伝説の怪物!!フッフッフッ」

白ひげはその光景を見据えて笑っていた。
しかし大将青雉が高く飛ぶと、"氷河時 代(アイスエイジ)"により、今にも海軍本部を飲み込み、襲い掛からんとしていた津波を凍らせた。

「青キジィ……若僧が……!!」

白ひげの口元は笑っているが、その目は眼光鋭く青雉を睨みつけていた。
青雉は"両棘矛(パルチザン)"を放つが、白ひげが空中を殴ると大気にヒビが入り、氷の矛は割れ、衝撃は青雉の体をも2つに割れバラバラになった青雉は欠片のまま落ちたが、海へ着地すると再び青雉の姿に戻り、青雉が触れた海は徐々に氷となり、湾内は氷漬けにされてしまった。

「湾内も全て氷に!?」

「艦の動きを封じられた!」

「砲撃ィイ!!モビーディックを破壊しろ」

海軍の砲撃がモビーへと撃ち込まれる。
しかし白ひげ一行は怯むことなく、

「さァ行くぞ」

「いい足場ができた」

「おれ達の力を見せてやれ!」

と船を飛び出していく。

「隊長達も出てきたぞ!砲撃を休めるな!」

「氷づけの海とは気が利いてる!気持ちが燃えたぎって暑苦しかったとこだ!撃てぇ!」

しかし白ひげ海賊団の砲弾は切り落とされてしまい、白ひげ海賊団の前に、海軍本部の誇る中将達が居並んだ。

「中将殿がこんなに揃うところはまず見れねぇ!!」

「"バスターコール"も真ッ青だな!」

「薙ぎ倒して湾内へ進めェ 〜〜〜っ!」

その声と共に前へ前へと進み出す白ひげ海賊 団一行。それを見つめるしかないエースは顔を苦悶に歪める。

「とうとう… 始まったな……」

そうセンゴクが呟いた時。
鷹の目・ミホークが己の背中にある刀に手を伸ばし、斬撃を放った。
ミホークから放たれた斬撃は、氷の海面を割り白ひげへと突き進む。
しかし斬撃は白ひげ、そしてモビー・ディックの手前でジョズにより止められる。

「止めた!」

「世界一の斬撃を!!」

そして今度は閃光が走り、そちらへ目をやると宙に浮かんだ黄猿が無数の光を白ひげへと放ったのだ。

「黄猿が来たァーー!!」

「オイオイ… 眩しいじゃねェか…」

自分に向かう光を見ていた白ひげには避ける素振りすらない。 しかしミホークの斬撃同様、黄猿の攻撃も白ひげには届かなかった。

「大将の攻撃を防いだ!?」

「何だ!?青い炎をまとってるぞ……」

「一番隊隊長不死鳥マルコ!!」

口元に笑みを浮かべ、マルコが言った。

「いきなり"キング"は取れねェだろうよい」

「怖いねえ〜〜… "白髭海賊団"」

「黄ザルさんの攻撃を正面から受けて倒れねェ…やっぱり噂通りの能力を …?!」

「"自然系"よりさらに希少… 動物系"幻獣種"」

「いかなる攻撃を受けても炎と共に再生する…あれが一番隊隊長…"不死鳥マルコ"!」

青き炎をまとい、不死鳥の姿をしたマルコは黄猿に向かって飛び、黄猿は光の弾を投げ放ち、マルコの炎を取り払うがマルコはそのまま黄猿の脳天めがけて蹴りを繰り出すが、それを右腕一本で受けたが、そのまま地面へと叩きつけられるすぐに巨人部隊へた注意を促す。
そして、巨人部隊が動き出そうとした時。

「お前ら下がってろォ!!」

ジョズは海軍本部ほどの大きさもあろうかという巨大な氷塊を放り投げたのを、赤犬がマグマで蒸発させる。

そして、オーズが動き出した。

「行けェ!リトルオーズJr.!!」

「軍艦の方陣を破れェ!!」

何隻もの船の向こうに巨大なシルエットが浮かぶ。

「"国引きオーズ"の子孫だね…」

「これはでかい!!巨人族の常識を超えている……」

「エースぐんは優じいんだ!絶だいに死なぜねェ」

「オーズ駄目だ!お前のデカさじゃあ標的にされるぞ!!」

「エースぐん!今そごへ 行ぐぞォオオ!」

来るなと叫んだエースにリトルオーズJr.はそう答え、軍艦を海兵へ放り投げた。

「オーズが湾内へ突破口を開いたぞォ!!」

「続けェ〜〜〜!!」



その頃、ルフィとライ達は。

凍りついた津波の上で立ち往生していた。

「何が起きたんだよォ!!」

「おれ達なんでこんなとこにいるんだ!?」

「わからねェ!急に大波にさらわれたと思ったら突然海面が凍って船が氷に捕まった!」

それに呆れながら、クロコダイルが呟く。

「下を見てみろ。答えがわかる」

凍りついた海面と、轟く怒号に戦争が始まっていると悟った面々。

「オヤジさん!!」

「もう"戦争"は 始まっチャブルのね!!」

『(皆、集まってるんだな…)』

眼下にいる家族達を視界に納めたライは僅かに笑みを浮かべた。
その時、ルフィが声をあげた。

「お前ら聞け!!おれのアイデアでこれを乗り切る!ここまで来たのに急がねェとエースの処刑時間までもう3時間もねェんだ!」



「何をォ!?この凍った波を船で滑り降りるだァ!?」

「それしかねェ!まずこの氷に埋まった艦を氷から外すんだ!!」

「軍艦だぞバカかね?動かせるわけがないがね!!」

「力を合わせれば必ずやれる!!」

ルフィの言葉に何故か暗示の様に出来る気がすると言い出したバギー達に視線を向けながらルフィの隣へと移動する。
そこへ電伝虫が海軍の通信を傍受した。

【全艦全兵に連絡!目標はTOTTZ。陣形を変え通常作戦3番へ移行。準備ぬかりなく進めよ。整い次第予定を早めエースの処刑を執行する】

「え!!?」

『ぐだぐだしてる暇はねぇ!!行くぞ!ルフィ!!』

ライ・バギー・ジンベエ・ルフィ・クロコダイル・イワさんが力を合わせ、軍艦を凍りつかせてた氷を砕き滑り降りる筈が、割る方を間違え空中から真っ 逆さま。

「あ」

「ああああああ…」

「逆逆逆〜〜!!」

「落下するぞ〜〜!?」

悲鳴を上げながら、落ちていく中でライは一人舞い上がり小さな声で技の名を復唱した。

その時、大きな竜巻が起こり能力者達を先に落ちていった船へと降ろす。

そして、ライも落ちた船へと足を付け走り出したルフィを追う。

そして、

『ルフィ……あそこだ…』

ライの指差す方を見たルフィは笑みを見せた。

「エ〜〜ス〜〜 〜〜〜〜〜!!……!やっと会えたァ!!」



戦場到着。
駆け巡る驚愕

(暴れてやるぞ!ここなら止めるもんは何もない!!)
(インペルダウンで暴れられなかった分も…!)

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