rode-39
「おいっ!ココロのばばあっ!チムニー!うさぎっ!目覚ませっ!おいっ!!」
司法の塔入り口は瓦礫にまみれ、そこにはフランキーの声が響いていた。
「おいっ!!って、あぁ。よかった!大丈夫か!?」
フランキーの声に目を覚ましたココロとチムニー、ゴンベ。
「大丈夫らよー」
返事をすると、3人に異変が起きた。
「「あ、鼻血出た」」
「鼻血で済むのもおかしいがな…」
「ぬおぉーー!!」
瓦礫を蹴散らし現れたのはルフィ。
「おぉっ!麦わらっ!おめぇも無事だったか!」
「おめぇら!早く起きろっ!!こんなんなんともねぇだろっ!」
フランキーの言葉が聞こえていないのか、埋まっている仲間に怒声を浴びせるルフィ。
「いや、大丈夫だとは限らね…」
「「『「「「うぉおーー!!!」」』」」」
と、瓦礫を押し退け起き上がったライ達。
「……いや、大概お前らもおかしいけどな…」
『おい!こら、ルフィっ!俺飛べんだから、俺まで巻き込むんじゃねぇよっ!』
「お、わりぃ」
悪びれず謝るルフィに憤慨するライ。
そんなライを宥めるチョッパー。
『ふんがぁーっ!このっ!てめぇっ!』
「ライっ!お、落ち着けって!」
司法の塔入り口でギャーギャーと騒いでいると
「チャパパー。お前ら、よく無事だったなぁー」
突然掛けられた声に全員が視線を向けると、壁に捕まりながらCP9がいた。
「あいつ、さっき上にいた奴!」
そこでさらっとフクロウが話した内容は、
すでにスパンダムがルッチを引き連れてロビンを正義の門へと連行していること。
そして、ロビンを捕らえている海楼石の錠の鍵をフクロウを含む残りのCP9が本物を含めて持っていることだった。
「とにかく、ルフィ。お前はあの女を追え。鍵は俺たちが手に入れる」
ゾロがルフィにそういうと全員が別れて鍵を手に入れる為。
ルフィはロビンを追って走り出した。
ライは暫くその場に留まると、ココロに話しかけた。
『ばーさん。あんたはチムニー達連れて闘いの場を避けながら正義の門へ進んでくれ。気をつけてな』
そう言うとライは、走り出した。
『まずは苦戦するチョッパーとナミのとこ…行くか…』
ナミの気配を探して走り出す。
暫く走ると通路の先で捕まっているナミを発見した。
『チッ。もう始まってたか』
呟くと地面を一蹴りして翼を羽ばたかせスピードを上げる。
髪で縛り上げられているナミとクマドリを視界に捉えた瞬間、剣を一閃して髪をぶったぎる。
「っ!?あ、何者だぁ〜?」
落下するナミを受け止めると地面に着地してクマドリを見上げるライ。
『さぁ。世間じゃ騎士って言われてるぜ?』
ナミを横抱きにしたままそう返すと、ナミを下ろしながら怪我はないか訪ねる。
「あ、ありがとう」
『随分しおらしいじゃねぇの?』
にっと笑いながら言うライにクマドリが背後から攻撃をしかけた。
ガキィン
剣でクマドリの錫杖を受け止める。
『女を心配してる男に背後からたぁ…随分いい教育…受けてやがんな?』
「よよいっ!任務はいかなる手段をしいても遂行するものであるぅ〜」
『そうかい、そうかい。とりあえず、お前目障りだわ。消えてくれるか?』
それまで、にやりと笑っていた顔から笑みが消えクマドリの錫杖を剣を片手で持ち受け止めていたのを弾き返すと、クマドリへと向き直る。
「よよい!目障りなのわぁ〜あ、おぉまえだぁ〜〜」
飛びかかってきたクマドリをただ見据える。
と、突然クマドリが後ろへ飛び退いた。
「(な、なんだ!?この男の目は〜…)」
覇気を出しているわけでもない、だがライの殺気の籠った目に怯んだクマドリ。
「なに?急にどうしたのよ、あいつ」
と、そこへ駆けつけたのはチョッパー。
「ナミっ!ライも!大丈夫かぁ!?」
『チョッパーか…大丈夫だ。とりあえず、お前。今は失せてくれるか?』
一瞬でクマドリの目の前に移動すると、クマドリを剣で殴り飛ばした。
『うしっ!』
「う、うし!じゃねぇよ!!鍵!鍵とらないと!!」
「あら?大丈夫よ。鍵はあるから」
『だと思ったよ』
胸元から鍵を取り出してちらつかせるナミに、笑いながら返すライ。
「ならいいかっ!あ!ナミ!鍵、それ何番か書いてあるか!?」
「え?番号?」
番号について答えたチョッパーにナミが頭を抱えた。
「あいつら、この非常時になにやってるのよ…」
『(やべぇ、ここ抜けたら一目散で鼻嵐を見にいかねば…)』
と、突然上階から大きな音が響き見上げると瓦礫が落ちてきた。
『っぶねぇな』
ナミとチョッパーを抱えてよけると、そこになにかがまた落ちてくる。
駆け寄ると姿がすっかり変わり血を流したサンジだった。
「サンジくんっ!?」
『おーおー。えらいやられようだな?』
「悪い、ナミさん。負けちまった…」
そこに上から見つめる視線に気付き見上げたナミとライ。
「サンジくん。あんた、ちゃんと闘ったの?」
「……………。」
「別に負けたうんぬんはどうでもいいのよ!」
ナミの声にサンジがくぐもった声で返す。
「ガキの頃から女は蹴るんじゃねぇと言われ続けて育ってきた。だから、俺はそれだけは絶対にしちゃならねぇと決めてる」
「だからってねぇ!それで死んじゃったら元も子もないでしょーが!?」
「それでもっ!!それでも俺は女は蹴らん!」
サンジの言葉にため息をつくナミ。
「まったく。でも、あんたの騎士道。見直したわ」
「え!?惚れた!?」
「『微塵も言ってねぇよ』」
ナミが見上げてカリファを見据える。
「あの女はあたしに任せて。」
『おう。気を付けろよ』
「あたしは…甘くないわよ?」
「あら…、私もよ…」
『じゃあ、ナミ。あの女は任せた。俺はゾロ達に加勢してくら』
そういうとチョッパーとナミと別れ、ゾロ達がいる階へ向けて飛び上がる。
ドゴォーーン
着地した途端すぐ横を飛んでいった瓦礫を見て大きく穴が空いた室内へ視線を向けると、キリンと狼。そして、ゾロとウソップがいた。
司法の塔の闘い
(お前ら何遊んでんだ?)
(ライ!いーい所にきた!こいつをとめてくれ!)
(え?やだ)
(なにぃーーー!?)
(つかさ、かわいくねぇな…キリンなのに…鼻は四角いままだし。)
(関係ないじゃろう!!なんじゃ、貴様は!)
(かわいくねぇとよっ!ギャハハハハ)
(笑ってるけど、お前もなんだよ。動物系てのはかわいさってもんが残らねぇな)
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