rode-38
「サンダーボルト=テンポっ!!」
『うっひゃぁー!おっ!ココロさん、チムニー、ゴンベ!俺もいーか?』
「あ!?イケメン兄ちゃん!!」
「来い来い。男前は大歓迎らよーっ!」
『サンキュー!にしても、おっかねぇな…』
ナミの技により起きた雷雲から落ちる雷を眺めながら、ライがいう。
「ねぇ、ばあちゃん。ここにいれば大丈夫なの?」
「大丈夫らぁ。ばぁちゃんを信じろ」
暫くして止んだのを確認すると、ライはナミに歩み寄る。
『おっかねぇ攻撃だなぁ!あっはっはっは!!』
ばしばしとナミの肩を叩く。と、瓦礫が崩れ現れたのは落雷を受け焦げたゾロとサンジ。
それを視界に納めたライが叩く手を止めて苦笑いを浮かべる。
『無差別とか恐ろしすぎるけどな…』
それから復活したゾロとサンジを確認すると作戦を立てる彼らを無視してライは低空飛行で海兵達を薙ぎ倒していく。
途中犬に乗った奴等が出てきたがパウリー達が撃退。ソドムとゴモラというフランキー一家のキングブルにナミ達は乗り込み本島を司法の塔へ向かって進む。
その少し後ろを飛びながらライが左右から攻撃をしてくる海兵達を返り討ちにしていた。
途中、ソゲキングが落ちた事を聞いたが、そのまま進む。
ソドムとゴモラを守りながら進むも敵は本島で警備していた海兵と諜報員全員全ての攻撃を妨げる事は叶わず、ソドムもゴモラも攻撃に倒れるが、なんとか裁判所へとたどり着く。
「ナミ!何処へ進めばいい!?」
「脇にあるあの階段で屋上へっ!!」
だが、それを阻止するように多くの海兵と諜報員が立ちふさがる。
さらには3つ首の裁判官バスカビル。
「「「海賊は死刑だ!!」」」
「なんだ。あのふざけた奴」
『さぁ、インペルダウンに入る前の笑い納めだろ。とりあえず、先進もうぜ』
「艶美魔 夜不眠 鬼斬りっっ!!」
ゾロの攻撃に大半の海兵達が倒れる。
「あっ!!あいつら、裁判長の話聞いてねぇぞっ!!」
『んな、バカみてぇな奴の話…聞いてられっかよ…』
「「………え?」」
海兵達が振り返るとその中心にはいつまにいたのかライがいた。
『邪魔だ…お前ら』
そう冷たい瞳でいい放つと
『花鳥乱舞っ!!』
剣を振りかざすと目にも止まらぬ早さで残りの海兵達を切り伏せる。
「すごっ…」
その動きはまさに花が鳥が舞うが如くしなやかにだが確実に敵を潰していく。
『………ふう、行くぞ』
「あれで、ただの戦闘員なのかよ…緑の兄ちゃんとあの赤い兄ちゃんは…」
そうして階段へ向かおうとすると
「ちょーーっと待ったーー!」
サンジが走ってライ達に駆けていく。
「ん?コックの兄ちゃん…?」
「てめぇら!下がってろ!!ナミさんの進む道は俺が切り開く」
そう言ってゾロとライに蹴りを繰り出す。
「てめぇ!クソコック!!何しやがる!?」
『サンジ!てめぇがたらたらしてっからだろ!?』
そう反論しながらサンジの蹴りを受け止めるゾロとライ。
だが、それを華麗に無視するとナミを追い越しながらナミに振り返り言った。
「ナミさんっ!俺のみについてくるんだ!!俺のみにっ!!」
「ちょ…サンジくん…あたし達ロビンを助けに来たんでしょ!?」
ため息を着くナミの話を聞くとサンジがハッとして声を荒げた。
「っはぁっっ!俺とした事がっっ!ロビンちゃん!!今助けに行くからねぇー!!ロビンちゃん、寂しくて泣いてやしねぇかなぁーーー!!」
叫びながら走り去るサンジにため息をつく一同。
気を取り直し階段を上へと上がり始めたところでチョッパーが気付く。
「あぁっ!?目をはなした隙にゾロがっ!!」
チョッパーの声にゾロを見ると全く検討違いの場所へと向かうゾロにナミがあーーっと呟きライは苦笑いを溢す。
「あんたっ!!先導してんのに間違えるバカどこにいんのよ!ファンタジスタかっ!?」
ナミの声にハッとして方向を変え階段に登りながら言い返すゾロ。
「ゾロ、俺作ってみるよ。ダメに効く薬…」
「おまっ、ダメっておい…」
「チョッパー、あっちのバカにも効くように作ってくれる?」
「ロビンちゅわぁぁあん!!待っててねぇっーーー!!!」
「お、おう」
『アッハハハハハっ!!ゾロっ!お前、面白すぎるだろっ!神かっ!?お前、方向音痴のっ!ぎゃははははは…。っ!!』
そんなやり取りを爆笑しながら見ていたライが咄嗟に全員を投げ飛ばす。
「きゃあ!」
「うお!」
「てめぇ!何しやがるっ!?」
3人が振り返るとそこにはバスカビルの攻撃を弾き返したライの姿。
「行かせはせんぞ!!海賊共!!」
『お前ら、先行ってろよ。俺は後から追いかけるからよ』
弾いた剣を構え、ゾロ達に背を向けたまま言うライに返事をして走り出したのを背を向けたまま確認するとニヤリ口角をあげたライが話し出す。
『楽しませてくれよ?手応えのねぇ奴ばっかで飽き飽きしてたんだ…』
そういって飛びかかると切り伏せながら階段から降りる。
切った手応えを感じず振り返るとそこにいたのは組体操のような格好のおっさんが3人…。
『………いい歳して、それすんの恥ずかしくねぇか?』
バスカビルに同情の眼差しを向けるライ。
「俺達は3人でバスカビルだっ!!」
『………いや、聞いてねぇよ。そんな事…』
「あんた!!ここは俺らに任せてあんたも先行ってくれるか!?」
振り返るとザンバイ達が言う。
「あんたの強さは兄貴を助けるのに絶体に必要だっ!!行ってくれ!」
入り口を見ると巨人達も到着している。
『おっけーい。じゃあ、最後に外の海兵減らしてってやるから。ここは頼んだ』
そう言って、外へ向かうとソゲキングが巨人に放り投げられた所だった。
周りを見渡せば入り口を囲む大勢の海兵達。
『こりゃあ、随分多いねぇ…』
(ルフィ達もいねぇし、いいか…)
ふ、と瞼を閉じたライに外にいたフランキー一家達が声を荒げる。
「おいっ!兄ちゃん!!あぶねぇよ!!」
それを好機と見たか、海兵達が一斉にライ達に飛びかかる。
その瞬間。ライを中心に風のような何かがドンっと広がった。
それと同時に一斉にバタバタと倒れていく海兵達。
「……な、なんだ…今の」
気を失わず足をガクガクと震わせながら見ているフランキー一家とオイモとカーシー。
『これで粗方片付いたからよ。あとは頼むなっ!』
にっと笑いかけるとライは屋上へと飛び上がった。
「おい、カーシー。今のは…」
「あぁ…」
屋上へと上がったライが見たのは、撃ち抜かれた世界政府の旗。
それを見据えるルフィ達。
と、ライに気付いたルフィが声をかけた。
「ライ。サンキューな。お前もこっちこいよ…」
その声にチョッパーの隣へと跳びうつると、真っ正面に聳え立つ司法の塔を見上げる。
そこには、拘束されたロビンとフランキー。
ルッチを始めとしたCP9が7人とスパンダムが立っていた。
「俺はまだ、お前の口から聞いてねぇぞ!!ロビンっ!!生きたいと言えぇーーっ!!」
「生ぎだいっ!!私も…私も一緒に海へ連れていってぇっ!!」
突き進む、仲間の待つ場所へ
(そのまま下へ飛ぶんらぁ!)
(よしっ!行くぞーーー!)
((((((え?))))))
(ぎゃ、ぎゃぁあぁあああ!!)
(お、おれっ!!飛べるの、にぃいぃぃー!)
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