travel-05



降り立った島は中々に栄えた島で、用事を済ませてから、町を散歩しようと決め、最初に船を買いに向かった。


「いらっしゃい」

『おじさん、船を1隻欲しいんだけどさ。キッチンついててお風呂とトイレ着いてる小さめの船ある?』


店前で作業をしていた店主にルカは小首を傾げて尋ねた。


「あぁ、それなら調度いいのがあるよ。あれだよ」


そう言って店主の指差す方へ目を向けると小さいながらも立派な船が1隻。


『おぉ、いいねぇ。中見てもいい?』

「あぁ、いいよ」

船に近付き乗り込むと中央にある小屋に入る。
まずはキッチンがそれなりの広さで存在している。
その部屋には3ヵ所に扉があり、1つはお風呂とトイレ。
もう1つは倉庫。
最後の1つは何もないただの部屋。
どうやら寝室としてつかえそうだ。


『おじさーん、これにするよ!』


船から飛び降りたルカは店主に歩み寄りながら言った。


「早いねぇ、決断が。なら400万ベリーだよ」


笑顔を浮かべた店主にルカは鞄からお金を出して手渡す。


『はい、お金。ログが溜まるまでここで置いてもらっても?』

「ぁぁいいよ。売れないように端に移動しておくから」

『ありがとう。たまに、物資乗せにくるからお願いします。ちなみにここはログどのくらいで溜まる?』

「この島のログは2日で溜まるよ」

『そっか。ありがとう。じゃあ、また後で来ます』


船を手に入れて、次は物資の調達をする為街を歩く。
調度いい店を見つけ、生活に必要なものを買い込み、押し車を借りて船へと運び終えると。


グーギュルギュルギュル


『お腹減ったな。陽も暮れてきたし、酒場と宿探そう』


そうして街並みを眺めながら歩いてルカの前に酒場が現れる。
先に食事してから店主に宿を紹介してもらおうと店内へとルカは入って行った。


カランカラーン


「いらっしゃい。」

『おじさん、何かお腹に溜まるモノを頼める?』


扉を潜ったルカに店主が声を掛けてきたのに、ルカは片手を上げて注文を告げる。


「はいよ。お姉さん、旅の人かい?」

『あぁ、そうだよー。』


そう返事をしながらカウンターの椅子に腰掛けたルカは壁に貼られた手配書を眺める。


「いいねぇ。楽しそうだ!旅の人なら、今夜泊まる場所はお決まりかい?」

『んーん。まだなんだ。それも聞こうと思ってさ。どっかある?』


と言いながら、手配書を眺めるのを一旦止めてから店主を見れば笑顔とかち合う。


「それなら、うち泊まるかい?うちは宿も経営してるんだ。泊まるなら部屋は2階だよ」

『本当!?じゃあ、お願いします』

「あぁ、わかったよ。そら、ピラフだ。お食べ!!」

『おいしそー、いただきます!』


食べながらまた手配書を眺めていると1枚の手配書に目が止まった。



wanted

堕天使 アマクサ ルカ

150000000ベリー




…………………………!!?


「あぁ、それかい?なんでも赤髪海賊団の客人を名乗ったうえに珍しい能力者らしい。黒い羽を背中にはやして相当な強者だそうだ。」


壁の手配書を見ていたルカに店主が話し掛けた。


『…この人写真は?』

「写真を撮る暇もなかったそうだよ。この近くの海域であった事件でね。赤髪はもう出港したらしいし、安心するといい。まぁ、赤髪自身あまり害はない海賊みたいだから、心配はいらないだろうが」

『さ、さいですか…。あ、じゃあごちそうさま。部屋で休ませてもらいますね』

「ゆっくり旅の疲れを癒すといい」




キィ…バタン

部屋に入り、扉を閉めたルカはふぅ、と息を吐いた。


『まさかもう手配書回ってるとはなぁ。まぁ、写真はないし大丈夫かな?』


よし、寝るかぁ!っと独り言を呟くと、日中掻いた汗を流すために浴室へと足を向けたのだった。




―――――――――――――

海軍side


「あの悪魔の実の能力者が現れたとは…」

「それにしても、中将を負かし逃げおおせるとは、覇王色まで使いこなすらしいのぉ!」

「写真が入手できなかったのが、痛いが…まぁ、いずれ姿を晒すだろう」

「でも、随分綺麗なお姉ちゃんらしいじゃないですかぁ…」

「お前はそれしか頭にないんか!!」

「美人なんて聞いたら、気になるだろぉ?サカズキだって実は気になるんでしょ?」

「クザン!お前と一緒にせんでもらえんか!」

「おぉ〜、まぁとりあえず警戒するに越した事はなさそうだねぇ〜」



―――――――――


?side


「ほう、あの悪魔の実実在したか!」

「オヤジ、どうしたんだ?なんか面白れぇ記事でもあったか?」

「あぁ。こりゃ、時代が動き出すかもしれねぇな。グラララララ…おい!マルコ、マルコはいねぇかっ!!」

「どうしたよい?親父」

「この女の情報を探せ、面白そうだ」

「あぁ、新聞のかい?だが、赤髪の客人らしいじゃねーか。赤髪に聞くのが早いとおもうがねい」

「あの小僧にならもう聞いた。とっくに船降りたそうだ。仲間にし損ねただのとぼやいてた!」

「……親父は仲間にするつもりかよい?そんな怪しいやつ」

「決めてねえ。やりたい事があると断ったらしい」

「ふーん。まぁ、とにかく傘下の奴等にもお達しを出しとくよい」

「あぁ、頼んだぞ」





本人知らぬ間に
事は進み出す


((zzz…むにゃむにゃ))
(必ずや海軍へ…!)
(面白そうな奴だ、話がしてーな!!)
(んー…なんだ?急に悪寒がしたっ!!?)



2014/03/19 加筆修正

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