rode-22




前日に青雉とスモーカー、たしぎに遭遇してしまったライは細心の注意を払いながら次なる島のエターナルポースを入手する為に街へ出ていた。
ロングリングロングランドに程近い島と限定してしまった為になかなか目的の島のエターナルポースが見つからず困り果てるライ。

『そう毎回上手いこと行くわけないかぁ…参ったなぁ…』

「兄ちゃん、困り事かい?」

『ん?おぉ。ちょっとなぁ……………って!うぉぁっ!!』

「なぁによー。人をおばけみたいに…」

『な、何でお前まだいんだよっ!スモーカー達の船はもう出たんだろっ!お前も早く本部戻れよっ!!』

「んー…俺はさ、ほら。あれだよ、あれ」

『どれだよ…つーか、まじで早く消えろよ…』

「あらら。兄ちゃん辛辣ねぇ…。俺泣いちゃうよー」

『棒読みすぎんだろ。つうか、俺一応賞金首だし。あんま、あんたと馴れ合いたくないわけよ?わかる?』

「あー。まぁ、それもそうか…で?何してんの?」

『お前、人の話聞いてたか…?』

「まぁまぁ、いいじゃないの。俺、あんた捕まえる気ないし。今はね」

『あ、そう。まぁ、いいや。俺、あんたと違って暇じゃないのよ。暇潰しなら他当たってくれる?じゃあなぁ』

手をあげて、別れを告げるも青雉に呼び止められる。

「ロングリングロングランドの近くの島行きたいんでしょ?」

『お前な、聞いてたなら聞くんじゃねぇよ。で、何?』

「これ、ロングリングロングランドの隣の島のエターナルポース。欲しいんじゃない?ちゃんと、街もある。ロングリングロングランドまで大体船で一日の距離。ここからもそう遠くない島だよ?」

『嘘じゃねぇだろうな?やだぜ?行ってみたら海軍が待ち伏せしてましたーなんて。洒落にもなんねぇ』

「嘘つく利点がないだろ?ほら、あげるよ。これ」

『ふーん。まぁ、貰っとくわ。サンキュー』

青雉から投げ渡されたエターナルポースを受け取り礼を告げると浜辺に向かい歩きだす。

「あ、また近い内に会うかもね?」

『ふーん。どうでもいいや。攻撃してくるなら、それに対応するまでだ。じゃあな』

そう言って今度こそ青雉と別れたライは、浜辺へと降りると一気に上昇して次なる島へと飛びたったのだった。

「飛んだねぇ…やっぱり。何の能力者だ?あいつ…」

その様子を岩影から監視していた青雉はぽつりと呟くも

「まぁ…いっか…」

そう言って青雉もその場を後にしたのだった。

浜辺を飛び立つ事半日。
目的の島へと降りたライは連日続いた大物との遭遇を警戒したが、その島では誰に会うでもなく平穏無事に残りの2日間を過ごした後、ロングリングロングランドへと向かったのだった。

ロングリングロングランド近海に辿り着いたライは注意深く周囲を見回しメリー号がいないか確認しながら飛んでいたのだが、生憎霧が一部かかっており黙視での確認を断念。
ロングリングロングランドのルフィ達が上陸するであろう位置を確認するとその場に降り立ち一行を待つ事にした。

だが、何分どこまでものどかな草原の広がる此島に暇潰しなどできるわけもなく、草原に横たわり空を見上げていると案の定襲ってきた睡魔に負け、ライは寝てしまったのだった。

どれだけの時間眠っていたかわからないが、人の声がした気がして目を覚ました。

『ん…誰か来たな…』

あくびをしながら立ち上がり背筋を伸ばすと声のした方へ目を向ける。
そこにいたのは

「うっひょーーー!何もねぇー!」

ごろごろと草原を転がるルフィ達の姿だった。

『お前らは相変わらずみたいだな…』

突然響いた声に全員がそちらへ視線を向けると、別れたライの姿があった。

「ライーー!!!!」

ルフィとチョッパーが大声をあげながらライに飛び付く。
それをふらつきながらも受け止めると笑顔を浮かべて返事をした。

『空島は楽しかったか?』

「あぁっ!面白かったぜ!お前も来たらよかったのになぁ!」

満面の笑みを浮かべてそう告げたルフィに笑顔を見せると全員がライに集まりだす。

「もう!あんたがいないから、こいつ無茶ばっかして大変だったんだからね!」

「お前にも後で聞かせてやるぜ!ウソップ様の大冒険の話を!」

「お前、この数日何してたんだ?」

「よかったー!会えなかったらどうしようって心配してたんだぞっ!」

「無事約束は果たせたみたいね?」

「お前がいねぇと手合わせの相手がいねぇから、暇だったぜ…」

「どうでもいーよ!そんなの。なぁ、ライ!これ返すな!」

そう言って渡されたのは黒金の指輪。

『おう!サンキュー。随分面白い旅だったみてぇだな』

にっと笑いかけたライに全員も笑い返す。

「よっし!ライ!探検行こうぜ!」

『わりぃな。荷物を整理してぇんだ。後から行くから先に行ってろよ」

「ちぇっ!早く来いよ!」

そう言い残してルフィはウソップとチョッパーと草原を進んでいってしまった。

『ナミ、この近海のエターナルポースだ。必要な時もあるかもしれねぇから一応渡しとく』

「あら、ありがと。随分短期間で色んな島巡ったのねぇ?」

『まぁな…最後の2日以外ろくな事なかったけどな…』

「な、何よ…急にゲッソリしちゃって…」

『いや、何でもねぇ…途中変人やらいい奴やら海軍に会ってよ…面倒な事ばっかでよ…』

「あ、そういやぁ…お前もいつのまにか手配書でてたもんな…つか!何なんだよ!お前の手配書とマリモは出て、俺のが出ないなんて!どうゆう事だっ!」

「しかも、俺より額が上ってのが気に食わねぇ…」

『知るかよっ!俺だってびっくりだったんだからなっ!』

「しかも…騎士だと!?てめぇのどこが騎士だよっ!この野郎っ!!騎士ってのはぁ、俺みたいな紳士に使われるべきだっ!ねぇー、ロビンちゅわーん?」

『…………お前の根性根本から叩き直してぇ…』

「あら?でも、紅の騎士なんて。騎士(ナイト)さんにはピッタリだと思うわ。ねぇ?」

「んー。まぁ、普段はともかく。戦闘に入ると人格変わるものね?戦闘中のライは素直に格好いいと思うわよ?あと、やたら男前な瞬間もね?」

『んだ。お前らは、俺から金踏んだ来る気か?言っとくが俺金ねぇからなっ!』

「素直に褒め言葉を受け取りなさいよっ!」

「ナミさんとロビンちゃんが、くそ野郎の毒牙にぃーーー」

踞りショックを受けているサンジを蹴り飛ばすとライは

『まぁ、とにかく。また、よろしくなっ!』

「てめぇっ!何しやがるっ!!」

『んな所で踞られたら邪魔でしょーがねぇだろ!うるせぇ野郎だなっ!おめぇは!』

「んだとぉ!やんのかてめぇっ!」

『おぉ!いいぜ!返り討ちに…』

どぉーん どぉーん

言い合う二人の声を遮るように響いた音に驚いた5人は周囲を見回すといつの間にか近付いてきていた海賊船から延びた錨がメリー号を挟むように陸地へ延びていた。

「んだよっ!こりゃあ!」

と、響きだした声に5人は耳を傾けた。

【麦わら海賊団、我々はお前達にデービーバックファイトを申し込む!今、我々の船長がお前達の船長に決闘を申し込みに行った!!】

「何よ?デービーバックファイトって…」

「デービーバックファイト。デービージョーンズのロッカーにコインを捧げて、仲間を取り合うゲーム。決闘をして勝利した方が相手の海賊船から欲しい人物を奪うのよ。まさに、海賊に相応しいゲームと言えるわね」

「なっ!何よ、それ!冗談じゃないわ!そんなゲーム受けるわけないでしょ!」

【それを決めるのは、両海賊団の船長だ】

「は、早く!ルフィ探してこんなゲーム受けるなって言いに!!」

パァーン パァーン

【決闘の合図は鳴った!これより、我らフォクシー海賊団vs麦わら海賊団による決闘!デービーバックファイトを開催する!】

「「な、何で…」」

『まぁ、諦めろ。それに、面白そうじゃねぇか』

ウソップとナミの肩に腕を回し、ポンポンと叩くとニヤリと悪どい笑みを浮かべてライは言った。

「どっこがよ!!ふざけんじゃないわよ!あんたぁっ!!」

『うぉっ!やめろ!ナミっ!』




再会と海賊ゲーム
(うぅ…何でこんな事に…)
(ナミ、うるせぇぞ。もう、決まっちまったもんはしょうがねぇ。ガタガタ言うな)
(うるっさいわよっ!あんたぁっ!!)
(殴った…)
(殴ったぞ、あの女…)
(恐ろしい女だ…)
(だまらっしゃいっ!)
(ひぃーーー!!)





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