rode-14
広場爆破まであと10分。
麦わらの一味とビビ、そしてライは駆けずり回っていた。
だが、ライに関しては違った。
砲弾よりも両軍に混ざり混んだバロックワークスのスパイを探して片っ端から潰しているのだ。
「おい!んなにやってんだ!!暴動より狙撃場所探せ!」
「ライさん!?」
『ビビがよく知ってんだろ!俺は暴れ足りねぇんだ!!こっちの暴動に混ざってるくそ野郎を叩きのめすぞ!そっちはおめぇらがやっとけ!ばかたれ!!』
まるで今までの抑止力が消え去ったかのように鬼気として剣を振るう。
それもこれも砲弾の事もこれからどうなるか知ってるからできる事であるのだが。
剣を震いしばらくたち、上がった赤い狼煙に気付きそこへ走りだす。
そこには何故か塔内にいるゾロとサンジ。
『あいつらは本能で生きてんだろうなぁ…』
「ご託はいいからあんたもどうにかしなさいよ!!」
『任せとけ。』
ナミに言うとビビを抱き上げ開きだした時計台へ乗り込んで行った。
「あのバカ!正面きって…大丈夫なのね…」
「あいつ、容赦ねぇな…」
ナミとウソップ、チョッパーは声をあわせ、そして溜め息。
それもそのはず、今まさに狙撃主がライにぶちのめされ落ちてきているのだ。
どしゃーーー
「ライって本当につえーんだなっ!!」
嬉々として言うチョッパーに、二人ははいはいと返すも、
「大変!!爆弾が時限式なのっー!!」
そのビビの声にまた全員慌てふためく。
ビビはどうする事もできずうずくまる。
『誰がどうもできねぇと言った?俺がいる!』
でかい時限式の爆弾を片手で持つと、そのまま浮上。
『ビビ!!闘いの終わりにでけぇ花火はいらねぇか?』
ニヤリと笑うとその砲弾を空へ放る。
「「「って!何しとんじゃお前はーー!」」」
そして、その砲弾目掛けて剣を一閃振るうと一気に爆発音がして、広場も一瞬静まる。
『ごほ、ごほ…煙ってぇ』
だが、またも始まる小競り合いにビビは声をあげた。
「戦いをやめてください!!」
「!?あの子だってまだ止めようとしてる!ボサっとしてないで、殴ってでも切ってでも何でもいい!この戦い止めるのよ!!」
全員が動き出した時。
空からひとつの人影が降ってくる。
「クロコダイル?」
「ルフィが勝ったんだ!!」
その時、雨が振りだした。
それに気付いた群衆に戦闘が止まる。
そこで響いたビビの声。
「今振りだした雨は、これからも降りますから!!闘いは終わったんです!!」
泣きながら笑ったビビの顔に全員が安堵の色を浮かべた。
そして今ルフィを探しに一味は動き出したが全員が疲労困憊。
足を止め、座り込むとルフィを背負ったコブラが現れた。
「ビビ!」
「お父様!それにルフィさん!」
『それ預かるぜ?これから再建も始まるってのにお前ら不在じゃ絞まるもんも締まらねぇだろ。俺らは勝手に宮殿に行ってるさ。俺らは海賊だ、国のことはどうでもいい。うめぇ酒と飯でもあとで用意してくれ?』
二人を見送ると眠り込んだ仲間達を見つめる。
『悪かったな。ろくに戦闘に参加してやれなくて。だが、これはお前らの物語で俺が立ち入っていいもんじゃねぇ。お前らの力で進まなきゃいけねぇ事だ。理不尽な事もこれから沢山あるだろうが、お前らなら平気だよな。』
全員を背負い宮殿に向かうと、兵士にその場を任せ、町を見渡せる場所へと降り立つ。
そこから、クロコダイルを見つけ傍らに降り立つと。
声をかけた。
『おきてんだろ。趣味わりぃ』
「ふん。で?おめぇ、何者なんだ?」
腕のサポーターを外すと、驚きを露にしたクロコダイル。
「あのくそじじいにこんな部下がいたとはな…お前正体かくして何してやがる?」
『これからお前の後釜になるやつを殺すためさ』
「ほお、未来を知ってるみてぇな口ぶりだなぁ?いいのか?俺はこれから取り調べが待ってる。いっちまうかもしれねぇぞ?」
『お前は数ヵ月後、脱獄し、ある戦争に参加することになる。俺はそこでそいつを殺すため、身分も性別も家族さえ騙してここにいる。その時全てが終わってお前はまた進むだろうな、この偉大なる航路を……前へ』
「お前…」
『詳しい事はその時だ。地獄で待ってろ。迎えに行ってやる』
そうしてライは空に舞い上がり、皆の眠る部屋に戻るとベットで眠る彼らを一蹴するとベットに入り目を閉じた。
闘いの夜明け
(まだ起きねぇのか?ライは)
(目立った外傷はないけど、疲れてるんでしよ?)
(にしても、ゴム野郎よく寝てやがるな…)
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