「あ、あーあー。テスッテスッ!」



グラウンドに全校生徒が集められ開会式が始まった。



「いよいよ今日は体育祭じゃぁー!!」



パラパラと各所で拍手が上がり、校長先生であるガープ先生の言葉が始まった。
ガープ先生はそんなにきっちりしている人じゃないし、あっと言う間にお言葉終了。
そう、そこまでは良かったんだけど…。


その後の生徒会長のロブ・ルッチさんの開会宣言、体育委員長のマルコ先輩の宣誓の間に目をハートにして倒れる女子生徒が数名でたらしい…。


わたしは前に並んでいる背の高いエースのおかげでTシャツの雉の絵しか見えなかった。




開会式が終わりわたし達生徒は各自の椅子を団ごとに分けてただ並べただけの観客席へ、教師達はテントの下に用意された席へ戻った。



「ここ日射しキツイ…!!」
「もう!焼けるじゃない!」
「教師達は涼しそうね」



教師席の方を見ると全員清々しく席に座って、プログラムを見たり煙草吸ったり…、生徒以上に校則破ってるよね、あの人たち。



「なんでこんな日に青雉は長袖なの…」
「今日に限らずよ」
「確かに…」



青雉のいつもの格好は青の長袖のYシャツにベスト、今日は青雉デザインのダサTシャツの上に青の長袖のジャージ。全く理解出来ないわ、あのセンス。



「見てるこっちが暑苦しいわ、あの格好」
「確かすごく低体温だって言ってたわ」



低体温ねぇ…。こんな日にでも寒いと感じられるなんて、一体…。




「名前〜、ひまだぁ〜」
「わっ、あ、暑い!離れて!」



突然、隣に座っているエースがわたしの肩に頭を預けてきて、その暑苦しさったらもう…。

どんなに頭をグイグイ押しても全く退かしてくれないエースにため息をついて、わたしは持ってきた団扇で自身を扇いだ。

こうすれば少しは涼しくなるかな。



「お、いいな。涼しー」



なんか…、凄く損してる気分…。
エースのやつは、あー。とか言ってるし、腕は疲れてきたし…!


「ねぇエース」
「ん?」
「はい」
「え?」
「こ、う、た、い」
「えー」



明らかに嫌そうに顔を歪めたエースに団扇を押し付けた。すると、渋々ながらもパタパタと扇いでくれて、やっと一息つくことができた。



「涼しいね〜」
「な〜」




「なんでこんなに暑いのにくっ付いてるの…!!?」
「ノジコ、そっとしておきましょ」



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