春。新しいものの季節。

先輩たちが卒業し、新たに1年生を迎えたワンピース学園

わたし、苗字名前の通う高校である。

この地域は東西南北と4つに分かれていてその中心のグランドラインと言われるところにあるのがこの学校。周囲の4つの地域から荒れた生徒たちが集まってくる学校でもある。

わたしは決して荒れているとかそういう問題を起こすような生徒ではないが、制服がかわいいという理由でこの学校を選んでしまった。

時間の流れとは早いもので、明日からわたしは高校2年生。


今日は入学式のため学校は休み。
つまり、現在は春休み最後の夜。

普通なら新学年はどんなことが待っているのか期待と不安に胸を躍らせる日であろう。

しかし、わたしは焦っていた。

完全に忘れてた…!!
もうどんだけ出されてたのかさえも思い出せない。


「課題が終わらない…!!」


くたっと問題集を広げている机の上に頭を置く。
ふと目に入った残りの問題集の分厚さに涙が出そうになった。

荒れてる学校ってことは真面目な生徒なんて少ないだろうし、課題もしなくていいんじゃないか?という声が聞こえてきそうだがそういうわけにもいかない。
いくらわたしが荒れている学校に通っていようが、わたしは至って普通の生徒で真面目に将来のことも考えているからだ。

それにそれだけじゃなく、荒れた生徒たちに対抗するためなのだろうか。この学校には選りすぐりの怖い先生たちも集まってくる。
特に生徒たちに苦手に思われているのがサカヅキ先生、通称赤犬。赤犬が起これば火山が噴火すると言わしめるくらい迫力のある先生なのだ。

担任が誰だかわからない今、課題をせずに学校に行くなんて考えただけでも恐ろしい。

ここまで考えると今から自分がとるべき行動の答えがでる。


「徹夜…か…」


春休み最後の一日を宿題に追われるなんて、なんでわたしはこう成長しないんだろう。

そこで、ふとサボり癖のある友達の顔が浮かぶ。

奴は課題をきちんと課題を済ませているんだろうか…。
いつも最終日には助けを求める連絡がくるのに今日は着ていない。
もしかして珍しく全部終わらせたのかな。メッセージくらいいれてあげようかともおもったけど自分自身終わっていないのに人の心配をしている場合ではないとやめておいた。


「ま、大丈夫でしょ」

さ、わたしは自分の課題に専念しなければ。

明日はいい日になりますように。


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