テスト一週間前に迫った今日
「はぁーっ」
なんか……、疲れが一気に押し寄せた感じ…。
ここ3,4日間なぜか充実し過ぎた。
学校では相変わらずノジコやロビンと楽しく過ごせているけど、この間ペローナに連行され、あの部屋へ連れて行かれて事情聴取された。
「なんで火拳じゃないんだ!」
「火拳は男前だぞ!」
「不死鳥も男前だけど!」
「かわいくない!」
とだんだんと説教なのか、ペローナの趣味の話なのかよくわからない話を延々と聞かされた。
あと、昨日はベポが教室に来て、モフモフを触らせてくれた。
その時……
「ずっと触らせてあげるから、不死鳥なんかと別れてキャプテンと一緒になってよ」
なんてあのつぶらな瞳をウルウルさせていうものだから、思わずうなずきそうになってしまった。
ベポ恐るべし…!!
「疲れてるようだねい」
「付き合うってこんなに大変なんですね…」
「そりゃ、お前だけだろい、ほら、こことここ間違ってるよい」
「あー」
マルコ先輩ともいいお付き合いが出来てると思う。
本当に大事にされてるなって思うことがしばしば……。
毎日、家まで送ってくれるし、バスでねむそうにしていたら「もたれていいよい」って肩貸してくれるし。テストが終わったらどこかへ出掛けようともなっていて、毎日が本当に楽しい。だけど、何かが変。
「んー」
「どうした?昼飯さっき食ったばっかだろい」
「いやいや、お腹空いたんじゃないですよ」
「そうかいそうかい」
マルコ先輩ってわたしのテンションはお腹の空き具合で変化するって思ってるの!?
わたしエースじゃないんですけど。
「……あ」
「ん?」
「あ、なんでもないです…」
さっきまでの違和感がなんだったのかわかった気がする。
エースだ。
わたし、あれからエースと話してない。
会ってないわけではないと思う、毎日学校には来てるし。
毎時間毎時間教卓の前の席で爆睡するエースの姿を後ろから見ている。
でも、話していない……。
最近のエースはどの授業が終わった後も、すぐに教室を出てどこかに行ってしまう。
どこなのかはわからないけど…。
この間は出ていかれる前にと思って声を掛けたけど、聞こえていなかったのか止まってはっくれなかった。
考えてみれば、わたしはエースと話す特別な理由はない。
今まで通りにって思っても、幼なじみでも恋人でもないわたし達は、これまでも同じクラスで席が近かったから話してただけな気がする。
今は席も離れて、特別話さなきゃいけないような用もない。でも…友達だって思ってたし、エースとくだらない話したいのになぁ…。
ふと思った。
避けられてる…?
あの時、呼び止めた声、本当に聞こえてなかったのかな…?
だとしたら、どうして……?
わたし、エースに何かしたのかな…。
「マルコ先輩、最近エースと会いました?」
「ん?一昨日、勉強教えろって入りこんで来たかねい」
一昨日…わたしがクラスの子たちと出かけるから来られなかった日
もしかして、わたしが来ない日って知ってたから来た?
今までなら、わたしがいても平気で入り込んで来て、勉強せずにぐぅぐぅ眠ったり、ご飯だけ食べて帰ったり…。
そういえばここでのアルバイトとして、部屋の前の廊下掃除をさせてもらっているときも一度も顔を見せたことはない。
今日も、わたしがいるから来ないの…?
どうして避けられてるの…?
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