裏注意*



「あっ…、ン!だめっ…」



びくん!と名前の身体が震え、おれにもたれかかる。
ショートパンツに入れた手を引き抜けば、この倉庫の小さな灯りに照らされて濡れてるのがわかった。
おれの胸に頭を預けてる名前は、おれが支えていないと立ってるのもやっとだ。

もう十分慣らした。おれの方も限界だ。
ズボンとパンツを下ろして、名前を壁に向けて追い込む。



「はぁっ、はっ…、はぁっ…」



名前は壁に手を付いて、乱れた息を整えようとしてる。
後ろからショートパンツと下着をおろせば名前は驚いたように振り返った。
汗ばんだ額に髪が引っ付いてる。
それを退けて、唇を寄せた。

後ろから、すでに濡れているソコに沿わせてゆっくり押し進めれば、名前は小さく声を出しながらおれを受け入れた。

やっぱり名前のナカは狭くて、ぎゅうぎゅうに締め付けてくる。
おれはそれに耐えながらグッと腰を進めた。
徐々に名前の背中が反ってきて、耐えるように口を噤んだ。



「っはぁ…、入った…」
「んんんっ…」



名前は壁に手を付いて、小刻みに震えている。
おれが腰を揺らすと「あっ」と小さく声が出る。

名前が今、おれで感じてる。

心ん中が満たされていく。



「動くぞ」



緩く揺らすだけでも名前はキュッと締め付けてくる。

なんだこの満たされる感じ…。たまらない。

名前の細い腰を掴んで大きく引いてゆっくり押し付けた。ぐにっと先端が入り口に当たったのがわかり、名前が一際大きく反って、声を上げた。



「い、今のっ、ンだめっ……」



名前がおれの手を掴む。相当気持ち良かったのか、その手は小刻みに震えてる。

その後何度か同じ動きを繰り返せば、名前は力が抜けてだんだんと前屈みになっていき、手を差し入れて支えた。

汗ばむ背中にも唇を這わせて、時々痕をつける。
うなじに噛み付けば薄く歯型がつき、前に回した手で名前の胸を揉みしだいた。

抵抗しない名前に、夢中で欲をぶつけてれば今までのもやもやしたものが晴れてく気がした。
それが名前の気持ちを無視してるってわかってても、名前を前にするとそれは止められなくて。



「ああッ……!!」



名前が何度目かの絶頂を迎えた頃、ようやくソレを引き抜けば、白い液が名前の脚を伝った。
直後に支えてた手を離すと、名前はずるずると壁に手をつきながら落ちていき座り込んだ。



「はっ…、はぁっ……」



へたりとしゃがみ込む名前の横におれも壁に背をつけて座り込めば、名前と目があった。
乱れた息を整えようと必死な名前の頬に手を伸ばして、数回指で摩る。

ここまで愛しても、名前には伝わってない。
やっぱり、こいつはおれ相手に抵抗できなくてされるがままになってるだけなのか。
もし他の奴にも迫られたら、簡単にこんな姿見せるのか…?

頭に浮かんだあの顔にどうしようもない焦燥感に襲われる。



「なぁ…」
「はぁ…、はぁ…、……?」



息を整えながらおれの言葉にこちらを向いて首を傾げる。
そういうのが、男を誘惑してるって気づいてんのかよ…。



「誰とでもこんなことすんの?」
「えっ…」



名前が目を見開く。
動きが固まった。瞳が揺れてる。

なんだよ。その反応。
図星か?



「そんなわけっ……、ン!んんんっ…!!」



戸惑いながら口にする名前を引き寄せて口を塞いだ。
姿勢を崩した名前の手がおれの肩に触れた。

舌を絡めればさっきと同じようにくちゅくちゅと水音がする。
離したと同時、おれと名前の間に糸が繋がった。

それがプツンと切れる。

名前が薄く目を開くと、その瞳は涙で少し潤んでて、不安気に揺れていた。
そういう名前の表情は、独占欲みたいなのが湧き上がってくる。

もっと、おれのことだけ考えればいい。



「…自分で、挿れろよ」



自分の口から出た言葉に自分でも驚いた。
もちろん名前も目を見開いてて、横目でおれのソレを見た。

さっき出したばかりでも萎える様子もなく上を向いている。

名前がもう一度おれを見る。
視線で促せば、観念したようにゆっくり動いた。
少し震えながらおれの前に来る。



「それ脱げ」
「う…ん…」



膝までずり下ろしてたショートパンツと下着をゆっくりとした動作で脱ぐ。

軽蔑されてもおかしくないこの状況で、名前はおれから離れず逆らわない。
おれの言葉に従順に従う名前に安心する。


下着まで脱いだ名前はおれの足を跨いで、意を決したようにゆっくり腰を下ろしていく。
膝を付いて先端が触れた時「んっ」と切なげな声を出して、軽く震えた。

グチュ…

さっきと大きさも変わってないおれのソレが、小さな名前のナカに入っていく。少しずつ包まれていくそれを見てればおれはぞわぞわとした感覚に襲われた。



「んっ…、んん…、はぁっ…」



シャツを捲って胸の先端を摘めばまた違う刺激に眉を寄せた。
少し腰を揺すれば「ああっ」と少し喘いで、姿勢を崩しておれの腹に手をやる。
涙目で少し睨むようにこちらを見てくるが、おれがまた揺らせばそれに反応して喘ぐ。



「…っ…もっと腰降ろせよ」
「んんッ……ンあっ…!」



堪らず名前の腰を掴んでグッと押し付けた。名前は声を上げておれにもたれかかる。
耳元で苦しそうな吐息が聞こえてナカに入ったソレがさっきより大きくなった。
ぐりっと押し付けると名前のナカが締まる。思わずおれも眉を寄せてそれに耐えた。



「動けよ…」
「はっ……」



名前はゆっくり体を上げると、おれの腹に手をついてぎこちなく腰を前後に動かし始めた。



「あっ…、ん……」



はっ…。

動きは拙いけど、合わせて腰を動かしてやるとイイところに当たるのか、反応してナカが締まる。おれの視界には、髪を乱しておれの上で喘ぐ名前の姿。それに堪らない高揚感。

おれだけが名前をこんな風にできる。そう思いたいのに、ちらつくマルコの存在
さっきの反応…、まさか本当にマルコと…。



「チッ……」
「ンッ…、はっ…エ、ースくん…?」



心配そうな名前と視線が合う。
なんで、こんなことされてんのにそんなカオできんだよ…。

なんで…、おれ以外のやつのそばにいるんだよ…。

自分から名前を避けてたくせに自分勝手な思考に陥って、起き上がって名前を押し倒す。



「エッ、エースくん…!?」
「………」



床に名前を押し付け、脚を広げて自分勝手に腰を動かした。
さっきまでの緩い動きととの違いに名前は目を見開いて、出る声も増した。
おれの動きに合わせて名前のナカが締まって、声が漏れる。



「あっ、ンっ、あっ、ぁッ…」



肌と肌がぶつかる音と、結合部から溢れる液がその動きの激しさを表していた。
名前がしがみつくようにおれの腕を掴んでて、グッと力をこめる。



「ハッ…、ン、エース…くんッ…、も、もうっ…!!」
「くっ…、はぁっ……」



何度目かの絶頂を迎えようとする名前に合わせておれも限界が来た。
腰を振る動きを速め、グッと奥を狙って突けばさっきよりいっそう締まって、同時に名前が一際大きく喘いだ。
その後すぐにおれも欲を吐き出した。



「はぁ…、はぁっ…」
「はっ…はぁ…」



ズルッとナカから引き抜けば、コポっと白い液が溢れ出した。
名前は息を乱しながら微動だにせず横たわっている。

おれは胸の違和感に顔をしかめた。
欲は満たされたはずなのに、もやもやが消えない。



「エースくん…」
「……」
「わたし…、エースくん以外の人とこんなこと…、したことないよ…」
「……はっ」



なんだ……。
もやが晴れる感覚。それと同時に自分のしたことに罪悪感すら沸いてきた。

ただ、名前に欲をぶつけただけじゃねぇか…。



「名前…、おれ……」



もう、名前に伝えるしかねぇと思った。
今までずっと名前に抱いてきた気持ち。

それで名前になんと言われても、それはもう仕方のないことだ。
一方的なこの気持ちに区切りをつけるときが来たと思った。



「名前?」



返事がないことを不思議に思えば、名前は目を閉じて気を失ってた。
おれなんかよりも長いまつ毛は濡れた涙が乾いてなくて、目元も赤い。
それに何より肩口の歯型が痛々しい。

いつも傷つけて、泣かせてる。
おれが名前を笑顔にできる日は来るんだろうか…。


自分でも驚くほどに、こいつが愛しい。
名前を手放すなんて、やっぱり無理だったんだ。

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