「「「ルイト!!1番隊隊長補佐就任おめでとーう!!」」」



カコン!!!



名前がさっきマルコの所に行って2番隊の隊長補佐就任が正式に決まったらしく、それによって急遽決まったルイト1番隊隊長補佐就任祝いの宴。


いつもなら島に停泊中はそれぞれ島で過ごすってのにルイトの話を聞いてみんな戻って来たわけだ。


まだ名前のことはみんなに言ってねェみたいだけど、ルイトの頑張りはみんな知ってたんだろうな、いろんな奴が祝福してる。



「ルイトくんごめんね、わたしのせいで遅れちゃったね」



名前は自分のせいでルイトの就任祝いが遅れたことを気にしていたらしく、ルイトに謝りに行っていた。それにルイトは笑顔で返す。



「気にすんな、名前も2番隊で頑張れよ!」
「うん!」


「「「……は!!?」」」



2人の会話を聞いていた全員の目が点になり、固まった。



「え?」
「補佐が2人になるんじゃねェのか?」
「名前が2番隊…?」
「ちょっと!マルコ隊長!どういうことっすか!?」


「あ?あぁ、名前には2番隊の隊長補佐になってもらうんだよい」



驚く隊員達の視線の先が近くで飲んでいたマルコに移るが、マルコはまた無表情でサラッと言い放った。それには言葉も出ないようで隊員達は口をあんぐり開けて固まってしまった。



「「「えぇぇぇーー!!!」」」
「「「うぉぉぉっしゃぁーー!!」」」



漸く思考回路が戻り、マルコの言ったことを理解した隊員達。

1番隊からは大ブーイング、2番隊からは大歓声。



「そんな!名前2番隊に行っちまうのかよ!?」
「名前!!歓迎するぜ!!」
「1番隊にいてくれよ!おれらの癒しがぁ!」
「名前ー!!よろしくな!」



次々に掛けられる言葉に名前は嬉しそうに笑顔を向けている。



「すげェ人気…」
「こうなると思ったよい…」
「うわ!なんだよマルコ…」



突然近くに現れたマルコに驚けば、マルコは呆れたようにため息を吐いた。



「どうせ、名前に見惚れてたんだろい」
「うっ…」



確かに、ずっと名前見てたから周りなんて意識してなかった。なんでもお見通しのマルコになんだか恥ずかしくなって決まりの悪い笑いを見せた。



「名前を…頼んだよい」
「え?」



マルコが呟くように言った言葉に少し驚く。マルコを見れば真剣な顔をしていて、それがなんだかおかしくてフッと笑ってしまった。任せろ!と言うと、不安だねい。と返される。

なんだよ、じゃあ頼むなよ!

少し口を尖らせてマルコを見れば、少し難しそうな顔をしていた。



「それから…、もし、名前がこの船の誰かを好きだって言っても絶対にやめさせろよい」
「は?なんで?」
「なんでもだ、絶対にくっ付けるような事はするなよい」



そんなことは絶対させねェけど…。それじゃ、おれもダメってことなのか?

マルコを見れば強い目で威圧しているようで、驚いた。

なんで、名前が恋愛することをマルコが禁止するんだよ…。そんなの名前の自由だろ…。

そこでおれの頭に一つの事が浮かんだ。



「娘を嫁にやりたくないってやつか」
「はッ、そうだけど違ェよい」



そう言っておれの肩叩いて、任せたぞ。って去って行ったマルコ。

そうだけど違うってどういうことだよ!



宴で盛り上がっている方を見れば、名前の2番隊異動も一緒に祝われていた。
おれも酒を持って名前に近付いた。



「名前!来てくれてありがとな!」
「うん!こちらこそ!」


「エース隊長知ってたんなら教えてくれても良かったじゃないすかー!」
「こんないい話黙ってるなんて酷いっす!」
「ハハッ!わりィわりィ!」








序章 【完】


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