小説 | ナノ


  廻るランプ廻るひかり2


 体の汗が流れると幾分か気持ちよかった。勃起したままの自分を適度に慰めて、その脳裏に思わず先程まで抱いていた娘の熱を思い出していた。
「オルバはきっとまだたのしんでいるんだろうなぁ」
 ぽつりと呟けば同じように汗を隣で流していた仲間が振り返った。
「そんなに焦んなよ。マドーラはこの先もやらしてくれるって言ってたし……。にしても、気持ちよかったなぁ……」
「お前は最後だったからんなこと言えるんだよ……もて余さないで楽だったろ」
 そう返しながら、娘を連れていったオルバを思い出していた。
 冷静そうに見えて瞳の奥に見たことのない暗く澱んだ情欲が映っているように見えた。俺たちですら足らないって思っているんだ。
 オルバだったらもっと足りないと思っててもおかしくない。
 汗を流せば疲労から睡魔が今更のようにやって来た。今日はよく眠れそうだ。



 くるんでいる布をゆっくりと広げれば、娘の――アリババの肢体が目の前に表れると同時に、むせかえるような雄の臭いが個室の湯あみ部屋に広がった。
 ここまでは適当に布を被せただけの娘を来たときと同じように泡で包んで移動してきた。
 ゆっくりと床に降ろして抱き抱える。後は湯を張ったバスタブに浸して体を洗うだけだった。
 直に肌に触れれば柔らかな肉の感触が伝わってくる。そのアリババの肌を余すことなく汚している白濁は時間が経ったからか乾いてパリパリとしていた。その汚れが湯へと溶けて肌が白く滑らかな様を取り戻していく。汚れを拭うように肌に手を這わせていけば、その柔らかさに先程まで抱いていた記憶を思い返さずにはいられなかった。
 強烈な快楽だった。一瞬回りを全て忘れてしまうくらいの。
 一番初めに出来たことは嬉しかったがそれは最後は全員がヤるのを眺めながら我慢しなければならないと同じ意味で、ようは熱をもて余していた。快楽を忘れきれない自身を横目に、肌を洗いながら未だに固くなったままの胸の飾りをつまんだ。
 ぴくりとアリババの身体が僅かに揺れる。ほんのわずかな反応だ。疲労と共に深い眠りに落ちているのだから仕方がないだろう。それでも、僅かでも反応が帰ってきたことに頬が緩んだ。
「少しくらい、いいよな?」
 汚れを拭いながら下肢へと手を滑らせていった。
 下肢の奥へと指を潜り込ませる。初めて触れたときよりも幾分も柔らかくなっていた。相手の反応を見ながらその熱い中で指を蠢かす。
――ここはキモチイイ?ここはそうじゃない?
 ぴくりと動き、僅かに荒くなっているアリババの息を感じながら中の白濁を掻き出していた。
――ここはどれだけ俺達をくわえこんだんだろうな。
 触れれば思い出さずにはいられない自身を柔らかく時には締め付けるように蠢いた包み込む熱を。今まで感じたことのない快楽を。
 指を抜き去ってアリババの身体を抱え直した。そして、猛る自身をそこへとあてる。
「…………ァ」
 ゆっくりと身を沈めれば身体を震わせたアリババの口から喘ぎ声が漏れた。瞳は固く閉じられたまま。けれども熱くなる呼吸と反応を返す身体はとても正直だった。
 内壁がうごめいて俺を優しく包む。さっきまで探っていた反応の良い所に擦りつければ僅かだった反応も喘ぎ声も大きくなっていく。
 ゆっくりと身を沈めながらアリババのイイ所を何度も擦りつけて、その度に動きを変え締めつけてくる内壁に目を閉じて浸った。とても気持ちイイ。気を失っている分反応は緩やかだけれど、それでも満足できるほど良かった。


「……はく……りゅう……」


「………え?」
 小さく聞こえた声。一瞬目を覚ましたのかと思った。それはそれでかまわないと。でも、アリババの瞳は固く閉ざされている。うわごとで誰かの名前を呼んでいる。
 俺を咥えたままで。
 温かく包まれて気持ちよかったのに急に水を差されたような気分になった。何故だか面白くなかった。誰とも知らない相手の名前を呟くアリババを見て胸の内が苛立つ。
――アリババは何の夢を見ているんだ? 今こうして俺に抱かれているってのに。
 幸せな夢を見ているような、見たことのない柔らかい頬笑みをアリババは浮かべていた。
「………ィァッ…ッ!」
 緩やかだった動きを性急なものに変えた。アリババの表情が苦悶へと変わる。反応を楽しむのをやめて、奥へと腰を振り容赦なく突き立てる。
 アリババが笑みを消したのにどこか安堵していた。なんでか誰ともしらない相手に向けたその笑顔を見ていたくなかったから。その感情がどこから来るのかわからない。
「……ァッ……アッ!!」
 胸の飾りをつまみながら容赦なく奥へと突き立てる。目をつむったまま身体を震わせるアリババを強く抱きしめて、その震える奥へと熱を吐き出した。
「……あんたは、俺達のモノだ」
 眠ったままイったのか一層ぐったりとしたアリババを抱きしめながらその耳元で囁いた。
――そうだ。俺達の――。俺のモノだ。
 この身体もこの熱も、あんた自身も――。
 一瞬見てしまったアリババの柔らかい笑顔を振り払うように、強く、強くアリババの身体を俺は抱きしめていた。

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