少女は透きとおるように蒼白い。しなやかな腕が蝋石のようにみえる。とろみのある光沢がきれいで、ジャックは興味のままに触れて、その幼い肌をひやひやする夜気に露わにしていった。一糸纏わぬ姿にして窓辺に座らせると一層美しかった。それこそ月光を浴びるにふさわしい。ジャックは芸術品でも見るような眼差しでティーを窓辺に縫い止めていたけれど、彼の内部では色欲が首をもたげて、じわじわと膨らんできていた。
そっと平たい胸に触れた。やわらかな肌を押して、ゆっくりとこねる。ふわふわした薄い皮膚に鼻を寄せて深く息を吸うと、甘い香りが広がって、肺を満たした。
男は裸体の少女の脚の間に割りいって、その背に大きな手を巡らせた。胸の先を口で吸う。跳ねる腰を掴んで、逃がさないようにする。
ティーは男をそっと抱擁した。細い指先が鳶色の硬質な髪をかきまぜる。男を胸の中に迎い入れて、心臓の音をきかせていた。子を抱く母のように、穏やかにその目を伏せて、沈黙していた。男が動く。長い舌が身体の上を這うたびにその細い首を仰け反らせて、細かく震えた。とても不思議な心地がする。
闇に満ちた部屋の中で、淫らな行為に耽る男女が一組。ベットに浅く腰掛けた男の上に少女が跨り、その身体を揺らしながら控えめな声をもらしている。月光に照らされた少女は青白い脚をくねらせた。
「ジャック……もう……」
「だめ」
「あ………っ」
男の指先が小さな胸の頂(いただき)の周りを摘まんだり捏ねたりを繰り返す。はじめこそ少しつっぱったような心地しかしなかったものの、長く与え続けられた刺激に段々と身体の方が熱を上げて、今では脳まで高揚して、とろけてしまいそうなほどだった。
「こっちも随分と濡れてきたな」
グチュ といやらしい音をたてて男の指が入り口を撫ぜた。
「どうした。何か言いたいことがあるなら口で言えよ」
とろりとした瞳がきらきらと光っている。少女は静かに男の唇を求めた。その指先が頬に添えられる。愛らしい口付けの合間、男の体は動かなかった。ただ胸がひどく高鳴っている。
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