▼(笑)(鬼男と妹子)
08/22 11:28(0

現パロで鬼男くんと妹子がメールばっかしてます。
鬼男くんは閻魔と、妹子は太子と同居してる設定です。
純粋に日和が好きな方は見ない方がいいです。
死ねたもあります。
ちょっとグロいです。












景色が赤く染まる頃。
妹子は課題を昼からずっとガリガリとやっていたので、部屋にさす光の色でどれほどの時間集中していたんだろう、と驚いた。
うーん、と伸びをし、肩をまわすとゴキゴキとなった。
ふとケータイを開くと、受信メールが一件。クラスメートの鬼男だ。
受信したのはついさっき。マナーモードで気が付かなかったようだ。

鬼男はメールとかあまり送ってこないから、珍しいな。
遊びの誘いとかかな。

『最近大王の様子がおかしいんだ』

え、と固まった。
なにかの冗談か?
いや、でも、あの鬼男がメールでわざわざそんなことをするとは思えない。
とりあえず返事を書こうとすると、また受信メールが。
ああそうだ、マナーモードはオフにしよう。

『なんかいつもにたにた笑って。それはいつもの事なんだけど、何というか、笑いが違うというか…不気味なんだ』

しばらくメールの意味を汲み取ろうと考えた。
あ、まさか。
『もしかして、閻魔さんって鬼男のことがすきなんじゃない?
狙われてるのかもよ^^』

送ってすぐに、妹子のケータイは振動した。
机に置いていたせいか、やけにうるさく低音が響いた。
『そういうにたにたじゃねえよ!ww
最近の大王の笑みで本能的な危機感を感じるというか、あ〜…これどうやって伝えたらいいんだ
何かいいことでもあったんですか?ってきいても、ちょっとね〜、としか言わないし…
それに、出掛けることが前より多いし、ご飯にもほとんど手をつけないし…
まさか、なにか悪い事に巻き込んでるとか、巻き込まれてるとか…』

本能的な危機感?
じゃあ彼女ができたとか、そういうことじゃなさそうだな…。
考えながらメールをスクロールすると、かなりの行数があけられた後に文がでてきた。

『ごめん、不謹慎だけど。
ごめん、曽良。

この前、芭蕉さんが殺されただろ。しかも、遺体はボロボロ。まるで、猛獣に食い散らかされたような…
そんな恐ろしい事件があった後だし、尚更心配なんだ
それに、その辺りから大王の様子はおかしいし…
まさか、その事件に巻き込まれてるとか』

ああ、あの事件か…。
腹に石をゴロゴロと詰められた気分になった。
芭蕉さんの遺体は、見ていられない程ひどい状態だったらしい。
骨の肉は刃物で削ぎ落とされ、内臓もほとんどが消えていたらしい。

身よりのない曽良を男手一つで育てた芭蕉さん。
曽良にとって、彼は親そのものだった。大事な人だった。
閻魔さんも鬼男も太子も僕も、よく芭蕉さん達の家に遊びにいってたし…。
『芭蕉さんのことがショックすぎて、とか…?
とにかく落ち着いて。
あの器用な閻魔さんだよ?
事件とかに巻き込まれたりしてないって、きっと(^ー^)』

きっと、鬼男の考えすぎだ。
最近鬼男は夜遅くのバイトしてるって聞いたし。疲れているんだろう。
どうせ閻魔さんはセーラーを買ったとか、そんなことだろう。

そう考えても、妹子の胸はなにかよくわからない焦燥感を感じていた。
ドアは締められ、日が傾き暗くなった部屋。
ぐるぐる、ぐるぐると、まるで深い水の底で渦に身をさらわれたかのような感覚。
しかし、ドアが開かれ光が差し込んだことにより、はっ、と部屋に引き戻される。
「妹子ー!ちょっと飲みにいってくる!」
部屋にカレー臭を漂わせながら入ってきたのは、ジャージ姿の同居人――太子だ。
妹子は臭さとその言葉に顔をしかめた。
「飲みにいくって…もう夕飯時ですよ。」
そう声を低く言うと、太子は手をパチンッとあわせ「ごめん!」と腰を折った。
「うちにもビールはありますよ。幸い夕飯は三人でも四人でもいけそうだし。」
「家じゃ駄目なんだって。閻魔が相談したいことがあるって…二人で。」
「閻魔さんが?」
噂をすればだ。
もしかして、閻魔さんはその太子に相談するであろうことで様子がおかしいのか…?
でも、にまにまと笑っていたのは何なんだ?

「太子、実は鬼男から閻魔さんのことで相談されたんです―」






「ふむ、様子がおかしいのか。」
「そうなんです。もしかしたら、その閻魔さんが相談することと関連してるかもしれないんです。」
「そうか……よし、わかった。閻魔には悪いが、相談したことについては妹子と鬼男に報告するよ。お前達も心配してるみたいだしな。」
そう言うと、太子はにかっと笑い、じゃあいってくる。と手を振り部屋を出て行った。
かと思うと、ドアの隙間から申し訳なさそうに顔だけ出した。
「あ、夕飯は先に食べてて…。」
「いえ、待ってます。僕まだ食欲ありませんし。」
「お腹すいたら先に食べろよ。」
「言われなくてもそうします。」
そうキッパリ言い切ると、太子は涙の混ざったか細い声で、いってきます、と言った。
靴をはく音、次いでドアを開閉する音が聞こえた。


さて、僕は風呂でも入るか。

追記

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