太宰治

「太宰さん…っ
や、辞めてください…!」

「んー?何がだい?
いやー、それにしてもやっぱり名前ちゃんの身体は触り心地がいいなぁ」

さわさわさわ。

今私は武装探偵社の部下であり、
彼女でもある名前の身体を
「上司」というのをいいことに
触りまくっている。

「だざい…さん…っ」

「ほらほら抵抗しないー
上司命令だよ?」

「そんな…っ で、でも皆来ちゃう…」

そう。今はまだ他の…邪魔者の来ない早い時間である。

驚くことにあの国木田さえきていなかった。

そんな貴重な時間を太宰が無駄にする筈がなく…

「ん…っ や、そこは…っ」

完全にその気分になった太宰が名前のブラウスに手をかけた時…

「…だーざーいー そういうのは場所を考えてしてくれないかなぁ?
名前ちゃんが困ってるよ」

「ら、乱歩さん!?」

「…早いですね乱歩さん。どうしました?」

「それがね!今日は朝にあるアニメを見たいから早起きしたんだよ!
褒めてよ名前ちゃん!」

「そ、そうなんですか?それは…偉い、と思います…」

「そうでしょー? って事で僕はこれからテレビ見るから邪魔しないでね」

…というと、そのアニメに見入ってしまった。
…いい所だったのに…
実を言うと、乱歩さんの存在に気づいていた。

いい雰囲気になった所を見計らって入ってきたのだ。
なかなかいい性格をしてるなぁ…

(大体、アニメならわざわざここで見なくても良いのに…)

乱歩さんが名前の事を悪く思っていないのは知っていた。
…だから、といって渡す気はこれっぽっちも無いが。

「ほら、太宰さん 邪魔しちゃ悪いですからあっち行ってましょう?
…あ、あと…ああいうのは…出来るならお家でしましょう?ね?」

「…仕方ないなぁ…じゃあ今日の夜は寝れないね?」

「…っ///」

「…」

それからしばらくして目覚ましの不調で寝坊をした国木田や敦もやって来た。

「やぁ国木田くん。今日は随分と遅かったねぇ?君が来なかった間にこんなにも仕事が溜まっているよ」

「…俺が寝坊したのはたかが2、30分だ!これは貴様の仕事だろう!?他人に押し付けるな!」

「えー、じゃあ敦くん。これは上司命令だよ」

「ななななんで僕なんですか!?
完全に職権濫用…」

「もう、太宰さん…。
敦くん、私もやるから一緒に頑張ろう?」

「名前さん!? い、いや…そんな訳には…」

「そうだよ名前ちゃん

君にも仕事がたくさんあるのだよ?」

「え!?私昨日終わらせましたよ…?」

「あるだろう?例えば私を構う…とか」

え!?と可愛く驚いている顔の名前を見ながら

これからどう遊ぼうかな…と考えていたが…

「ねー、名前ちゃんーっ!駄菓子なくなった〜! 持ってきて!太宰の世話なんかよりよっぽど大事な仕事だよ!!」

「あ、はーい! じゃあ太宰さん、ちゃんと仕事して下さいね?
あ、敦くん 私もやるから途中まで進めてて?」

「は、はい…!有難うございます!」

…。

乱歩の一言によって横取りされてしまった。

「はい、どうぞ 乱歩さん」

「あ、それ開けて
で、食べれるようにしてよー」

いつもの練ると色の変わるお菓子を名前に作れと言っている。

そしてそれに従う名前も名前だ。

…気に入らないなぁ…

「はい、出来ましたよ」

「あ、じゃあ ほら 」

あーん、と口を開ける乱歩さん。

…は?

「え!?」

「え、じゃない。早く食べさせてよ、 」

「…ぅ… は、はい… あーん…」

パクッと幸せそうに食べている…

「じゃあ次__」

「ま、まだやるんですか!?お菓子ぐらい1人で食べてください…!」

「えー、違うよ?」

乱歩さんは二つ目の袋を開け、一生懸命にお菓子を練ると…

「はい。あーん」

「は、はい!? ら、乱歩さん…!」

「お礼だけど? ほら、僕の気が変わらないうちに早く!」

それでも恥ずかしいのか中々口を開かない名前。

なんなんだあの二人は。

名前の恋人は…名前は私のものなのに。

それに痺れを切らしたのか、乱歩さんは名前に顔をグッと近づけた。

「っ!? 」

「_____するよ?」

「ら、乱歩さ…」

何かを名前に囁いたあとにっこり笑った。

「ほら、口開けて?」

「は、い…」

名前は真っ赤になりながら大人しく口を開けている。

____私には聞こえた。

乱歩さんが名前に囁いた言葉。

「…口移しするよ?」

ガタッ!

「…だ、太宰さん…?」

「…名前、ちょっと来て」

「え…?どうし、きゃ!?
ちょ、ちょっと太宰さん!?」

バタン

「…乱歩さん、あれ分かっててやったでしょう?」

「え〜まぁ勿論。太宰のあの「好きなものを取られたー!」って顔。いつ見てもいいねぇ」

「…あぁいう事をするから奴の仕事は溜まっていくんですよ…
程々にして下さい」

「はいはい、国木田くんは厳しいなぁ」

……

私は名前を自分の部屋へと強引に連れていき、

「だ、太宰さん!?」

ベットの上に押し倒した。

私もベットに上がり、名前に馬乗りになると

ギィ…と軋む音が一際大きく聞こえた。

「だ、太宰さ…っ!?」

「ねぇ、名前…?

君は何がしたいんだい?」

「ひ、ぁ…っ な、に…が…っ?」

「…何が?本当に君は私をイライラさせるのが得意だね…?」

私は名前のブラウスに手をかけると、そのまま力任せに引きちぎった。

「…っ…! だざいさ…っ やめ…」

「なぁに?君が悪いんじゃないか…

私に…見せつけるように…あんな…っ」

「太宰さん…っ?」

「君は、名前は私のものなのに…

それとも君は乱歩さんの方がいいのかい?

…私は君のことが本当に…大好き、なのに…っ!」

「だ、太宰さん…!?」

「…え…」

「泣いて、るんですか…?」

私の頬に暖かいものが伝っていた。

…涙…? 何故…

「太宰さん…っ」

と名前がいきなり私を抱き締めてきた。

「…名前…ちゃん…?」

「ごめんなさい…私…っ 太宰さんの気持ち何も考えないで…!

私も、です…!

誰にも負けないぐらい太宰さんが大好きですから…! だから、…っ う…」

何故か泣きじゃくる名前に抱き締められながら、私は何故涙なんて流していたのか考えた。

…そうか…

「…うん、名前ちゃん
私も大好き。愛してるよ」

名前が自分の元からいなくなってしまうかもしれないと思ったら、

胸が張り裂けそうになって…それで…

__私みたいな人間を選んでくれた名前を絶対に幸せにしてみせる。

「太宰さん…この服どうしてくれるんですか…」

「うーん、ごめんね…仕方ないから脱いじゃったらいいんじゃ」

「嫌ですよ!もう…探偵社の方たちにもなんて言えばいいか…」

「私といながら他の男のことを考えるなんて もう1度身体に教えた方がいいかなぁ?」

「え!?別に男の人だとは限らな…ぁっ!///」

あの後。

お互いに愛を確かめあった私達は(自己解釈)

我慢が効かなくなり、(主に私)

気の済むまで名前の身体を貪った。

…私が破いたブラウスはもっと破れ…

冷静になった名前から地味に怒られている。

…気付いてないみたいだけど名前の首にはくっきりと私の痕がついている…のだ。

是非乱歩さんに見せないと。

「あ、ところで太宰さん。」

「なにかな?」

「なんか話がややこしくなりましたけど、あれって焼きもち妬いたって事ですか?」

「…は…っ!?」

「だってあんな」

「ち、違うよ!あれは…その…」

「違うんですか?」

「いや、違…わない…けど…/// 何!?悪いかい!?」

「いえ…可愛いなぁって…」

「…っ!?///」

最年少幹部も名前には適わないようだ。
***

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