「…はな、して……」
俺がその男を認識したのは、出会いから随分経ってからだった。
狂
気
透き通るような白い肌に、華奢な躯。長い睫毛に縁取られた目は、いつも遠くを見ている。光を浴びて、焦げ茶色の瞳は時折琥珀色に反射していた。
同じ制服を来て、同じ教室にいる。しかしそれに、どうしようもない違和感を抱いている自分がいた。たぶんそれは、俺が彼を、同じ“生き物”として見ることが出来ていなかったから。
prev
next
←
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -