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7

それからというもの、本当に北島は今までが嘘のように優しくなった。俺にきつく当たってたのは、俺が伊集院さんの事を好きだと思っていたからだって言ってた。

思い返してみると、北島が俺に嫌味を言う時ははいつも大体伊集院さんを見ていた時で、言われた言葉はすごく不器用だけど俺が長く伊集院さんを見ないように自分に注意をひきつけるためのものばっかりだった。

「おい」

ある日の放課後、教室で帰る用意をしてると北島が俺の前に来た。

「なに?」
「…これ、やる。手ぇ、出せ。」

首を傾げながら両手を出すと、北島はポケットから何かを出してころん、と俺の手に乗せた。

「これ…」

それは、あの日北島に踏みつぶされたインコのストラップ。でも、色が違う。

「…同じの、探したんだけど、その色しかどこにもなくて…。…き、気に入らなかったら、ごめん。」

俺が潰されたのは、黄色。でも、北島のくれたこれは、青色だった。


じっと見つめたまま何も言わない俺に、北島がしゅんと眉を下げる。

「…ごめん。やっぱ、同じのがいいよな…」

これを見つけるために、一体どれだけの店を回ったんだろうか。必死にストラップを探す北島を想像して、胸がぎゅっとなって俺はストラップを握りしめた。

「…ううん。これ、がいい。…欲しかったんだ。俺も、青い鳥。」

ありがとう、とつぶやくと北島が心からほっとしたような顔をして微笑んだ。



この青い鳥が、俺に幸せを運んでくれるまで、あと少し…



end

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