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―――――――――こんなの、確かめる方法じゃねえだろ!
離れようとしても、イアンの手で頭をがっちりホールドされてしまっていて顔を背けることもできない。蹴飛ばしてやろうかと思ったけど、さっきしっぽを確かめるとか言って俺のズボンは中途半端に膝の所までずらされたまま。
ちんこ丸出しで天敵であるイアンにキスされてる姿は間抜け以外の何物でもない。俺ってなんなの。
「ん、んん―――――!」
考え事をした一瞬の隙を見逃さずに、イアンがすかさず舌をねじ込んでくる。頭を押さえる手を引きはがそうにも、舌を吸い上げ、なめとられと口内を暴れまわる舌に翻弄されて力が上手く入らない。
「ふ、んぅ…っ!まっ、、んんっ…!」
俺が何とかキスから逃れようと腰を引いたら、イアンは俺の脚の間に自分の足を入れてきた。
やめてやめて!膝、膝がちんこに当たってるから!
俺の抵抗なんて全く意味がないとばかりに足の間に入れた足でぐりぐりと刺激され、口内を好き放題嬲られ。俺は一連の行為にぐったりとしてイアンの体にすがりついた。
「…まだ確認は終わってないぞ?」
「えっ?あ、なに、も…、やだ、うわっ!ばかばか、どこ連れてこうってんだ!やめろ、離せ!やだやだやだ―――――――!」
長い口づけが終わった後、ぐたりとする俺を軽々と肩に抱え上げたかと思うとふわりと宙に浮きあがった。
「…腰痛い…」
しくしくと枕に顔を埋めて泣く俺の髪をにやにやと笑いながら優しく梳く。
ああもう、俺はなんだっていつもいつもこうなんだろう。
こいつにからかわれて、ムカついてくってかかって、気が付けばこいつの城のベッドの中。もう何度目だろうか。毎回、この流れになって散々こいつに好き放題弄ばれる。
悔しくて、じろりと睨むとそこには片膝を立てて座り、頬杖をつきながら俺の髪を撫でるこれ以上ないほどに甘い笑顔を浮かべた極上の美男子。
「なんだってんだ、毎回毎回!いつもいつも人の事好き勝手弄繰り回しやがって!」
「確認だ」
「何の!?耳とかしっぽとか、ちょっと触れば本物か偽物かどうかなんてわかるだろ!?」
その顔にいてもたってもいられなくなって、がばりと起き上がってイアンにかみつけば、さらりとそう返される。
こいつバカなの!?触って本物かどうかわかんないのかよ!
俺がそう言うと、イアンはことさらに笑みを深め、とん、と俺を押し倒しその上に覆いかぶさってきた。
……まさか。
「そうだな。まだ不確かだな。もう一度確かめるか」
「やだやだやだ!もういいよ!どけよ、離せばかっ!!」
近づく顔を避ける間もなく、再び塞がれた口からはもういつもの憎まれ口は出なかった。
――――――この行為がちょっとだけ嬉しいなんて、気のせいなんだからな!!
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