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7

暗い道を一人歩きながら、これまでのことを思い出す。



初めて会ったとき、ものすごい威圧感を感じたっけ。
俺より年下のはずなのに、はっきり言って飲み込まれてしまいそうだった。


女はべらせて、えらそうだったなあ。
俺の大声の挨拶にびびってびくーってなってたっけ。
あれにはちょっと笑えた。


しょっぱなの呼び出しでかわい子ちゃんのおまた全開ウエルカムにはちょっとびっくりしちまった。
俺がためらいなく玩具を選んで近づいた時の顔。
めちゃくちゃ悔しそうだったよな。


自己紹介したはずなのに名前覚えてなくて、
もっかい自己紹介したっけ。


夜に呼ばれて、殴り合ったよな。


あのきれいな顔、思いっきりぶん殴ったっけ。
今じゃ絶対できないな。


あの時から、どこか寂しそうにしてたっけ。


初めて自転車に乗っていったときの顔も見ものだったなあ。
口パクパクさせちゃって、金魚みたいだった。
坂道で二人馬鹿みたいに笑ったっけ。


歩いて帰った時のたんぽぽの綿毛、
あれはもうどこかに芽を出しただろうか。


部屋をめちゃくちゃにしたとき、
無理やり抱き上げた幸人様と二回目の殴り合いしたっけ。
また引き分けになって、寝るまで側にいろって言われて俺もいつのまにか一緒の布団にもぐりこんじゃったっけなあ。
目覚めた時の真っ赤な顔でシーツにくるまってる姿みて、なんてうぶなんだって思ったっけ。

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