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「――――…っあああああ!!!!」
「…っ、きつ…ッ…」
激痛に、体が悲鳴をあげる。
聡は慣らしもせずに僕のそこに無理やりねじ込んだ。ドロリとした感触で、血が出たのがわかる。聡はそのまま腰を動かし始めた。
「はっ…、男って、こんな締まるんだな…」
どこか見下したように鼻で笑われる。
痛い。痛くてたまらない。体に脂汗がにじんでくる。
なんで聡がこんなことをするのかわからない。僕は何か怒らせるようなことをしたんだろうか。
「くそ…っ、くそ…!」
聡は、僕を犯しながら苦々しい顔をしてずっと悔しそうな言葉を繰り返す。
…でも、やめてほしくないと思う自分がいる。
愛なんてなくても、君の初めての男になれた。
聡に、抱いてもらえた。その事実が、嬉しい。
聡。聡。ごめんなさい。ノーマルな君の初めての男性経験を、僕なんかで済まさせてしまって。
本当なら、君は砂森くんとゆっくり愛を築いて男同士でも愛ある幸せなセックスをするはずだったのに。
生理的なものなのか、感情からくるのかはわからない。
僕の頬は涙に濡れていた。
すべてが終わった後、僕の体は悲惨なものだった。顔は涙でぐしゃぐしゃ。後ろからは血が白濁に混じりシーツを汚している。
僕から離れた聡は、いっさい僕を見ようともせず、無言で制服を正しゆっくりと扉を開けた。
「…さとし…、ごめんなさい…」
出て行こうとする聡の背中に投げかける。
聡は、振り返らずに部屋を出て行った。
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