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2

炎蒔の家は、ものすごい金持ちだ。俺は、そこで住み込みで庭師をしている一家の息子。
平凡な両親から生まれた、平凡な男だ。
そんな金持ちの家の次男に生まれた炎蒔は、そりゃもう甘やかされかいぐりかいぐり育てられた。


傲慢でわがままに育つかと思いきや、逆にのほほんとゆるゆるなお坊ちゃんに育ってしまった。

そりゃいいことだとお思いだろう。ちがうのだ!

のほほんゆるゆるすぎて、逆になにも出来ない子になってしまったのだ!

いや、できないわけじゃない。ただ、やると本人がえらい目に遭う。
じゃがいもの皮を剥けば血まみれになり、掃除をしたらタンスに押しつぶされ。

困るのは、炎蒔がそれを全て「大したことないよ、大丈夫だよ〜」とえへへと笑うことなのだ。


俺は小さいときから、炎蒔の世話係だった。
そんな平凡な、ただの世話係だった俺が何故恋人になったか。



あれは忘れもしない、中学二年生のとき。
学校から帰った俺を、炎蒔が来い来いと手招きした。
部屋に行くと、正座をして俺にも座れと言う。
不思議に思い、炎蒔の正面に座ると、奴はおもむろに自分のムスコを取り出した。

そして、

「どうしよう、最近しゅーちゃんの制服姿見たらこんなんになっちゃうんだよう。」

と、天を向くムスコと共にキョーレツな大告白をかました。
炎蒔は、超イケメンなのにのほほんゆるゆる変態になってしまっていた。

ドン引きして後ずさった俺に襲いかかり。
「しゅーちゃんが大好きだから、お許しがもらえるまで最後まではしない。だからこれだけはさせて!」
と、スマタさせられた。白濁まみれになり、放心する俺にちゅっちゅとキスをかまし、「すきすきだいすき恋人になって」と繰り返した。


………よく受け入れたな、俺。


まあ、変態だが真摯に俺を愛していると追いかける炎蒔に、絆されたというようなもんだけど。


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