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3

それから僕は、ずっと新の身代わりとして真也と付き合ってる。


僕は、新の話を聞いて一つ心に決めたことがあった。


絶対に、真也を恨まない。


真也がそんなに新を好きならば、新と上手くいくように真也のいいところをうんと見つけて新に報告しよう。
新は飽きっぽいから、真也が新に簡単に捨てられたりしないように。


真也は本当に優しいと思う。僕は身代わりでしかないけど、付き合っている今僕に向けられている優しさは決して偽りなんかじゃないと確信してる。


真也が、好きだ。


好きだからこそ、真也が幸せになれるように手伝えればいい。


「創、どうかした?元気ないよな、なんか」


真也が、新の話を思い出してぼんやりとしていた僕に心配そうに声をかけてきた。


「ううん、何でもない。明日、楽しみだなって。」


新にネタばらしをされてから1ヶ月。明日の休みに、真也の同室者が外泊をするらしく
『泊まりにこないか?』と誘われた。
僕たちはまだキスもしていない。だけど、泊まりに誘われたということは、つまりそういうことで。


…セックスも、いいか悪いか報告しなきゃいけないのかな…


―――身代わりでもいい。好きな人に、抱いてもらえるなら。それを最後に、新に笑って真也を譲ろう。


下を向いて黙っている僕の両肩に、真也がそっと手をおいた。

「創…」

あ、と思う間に真也の顔が近づく。


真也は、触れるだけの優しいキスをした。


「…明日、待ってる。」


照れ臭そうにはにかんで去っていく真也の背中を見つめながら、初めてのキスに少し泣いた。

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