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33333ヒット、青空様リクエストの『溺愛×健気で切甘』です。
新作であれば設定などはお任せとのことですので、サイト主力の美形×平凡にさせていただきます!

頑張ります!
ではどうぞ♪

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「創、どうだった?」
「うん、優しかったよ。」
「そっかあ。うん、でももうちょっと様子見ようかな。続けてリサーチお願いね。」
「うん」


僕は中田創(なかた はじめ)。高校二年生。至って普通の、全寮制男子校に通うどこにでもいる男だ。一つ普通とは違うのは、彼氏がいること。


…身代わり、の。


僕の同室で、今機嫌よく鼻歌を歌いながら化粧台の前で自慢の肌の手入れをしている男。
中田新(なかた あらた)。僕の従兄弟だ。


僕と新は家が隣同士なため、兄弟のように育てられた。僕が平凡な容姿なのに比べ、新はまるで女の子のようにきれいな顔をしている。
この男子校では、アイドル的存在で、いつも皆からちやほやとお姫様のように扱われ、告白も絶えることがない。僕はいつも、新と比べられてきた。


『新君はあんなにかわいいのにね』
『ほんとに従兄弟なの?ていうかほんとに血がつながってるの?』
『新くん、あんな従兄弟がいたんじゃかわいそうだよね』


小さい頃から言われ続けてきた言葉。
新は新で、皆から可愛がられわがまま思いのままに育ってきた。そして、いつも僕のほしいものを横からさらっていく。


…初めてできた彼氏も、新にとられた。でも、新はいつも僕のものを奪うだけ奪うとすぐに飽きて、捨ててしまう。



僕はもううんざりだった。



だから新に内緒でこの学校を選んだのに、入学式に新がここにいてさらに同室であるとわかったとき、僕は全てを諦めた。いつか僕だけを見てくれる、なんてそんな夢は見ない。
目立たないように、影のように生きていこう。



そう思っていた僕は、ある日1人のクラスメイトから呼び出しを受けた。


高橋真也(たかはし しんや)。爽やかなイケメンで、クラスでも人気のある1人だ。



『あ、のさ、付き合ってほしいんだ』



高橋の口から出た告白を、僕は信じなかった。
こんな人が、僕なんかを好きになるはずがない。きっぱりと断ったのに、高橋はそれから毎日僕に告白してきた。


『本気なんだ。簡単に諦めたくない。お願い、お試しでもいいから付き合って。』



あまりに真剣な眼差しに、とうとう僕は頷いた。



高橋は、本当に優しかった。僕を大事にしてくれた。そんな高橋に、僕はあっという間に恋に落ちた。


諦めていた夢を、ようやく見ることができた。
僕だけの、光。新の影にいる僕を眩しく照らしてくれる。そんな光に照らされる夢。

でも、それはやっぱり夢でしかないと、思い知らされた。

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