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6

それからの俺は、ひどいもんだった。
所かまわず喧嘩を売った。何人もぶちのめし、時にはチームのやつさえ手を挙げた。



良平、良平、良平、良平。



考えるのはいつも良平のこと。あの時の陵辱の記憶は、忌まわしい鎖となって俺を縛り付ける。
狂おしいほど恋い焦がれ求めているのに、もう二度と決して手に入れることはできない。
あの陵辱を思い出して、泣きながら自慰をする俺は狂っているのだろう。

吼えながら暴れるおれは、まさに狂犬そのままだった。



そんなある日、俺はいつものたまり場で生気なくソファに座り込んでいた。
何やら、入り口あたりが騒がしい。



「おいこら、ちびすけ。ここはお前みたいなガキが来るとこじゃないんだぞ」
「なんだ、こんな夜に迷子かよ?親は何やってんだ」



不思議に思い、腰を上げ近寄る。



「何やってんだ」
「あ、白鳥さん。このガキが…」

「おにいさん!見つけた!」


そこにいたのは哲平だった。


一瞬、嫉妬で目が濁る。この子のために、良平は体を差し出した。
この子のために……


…約束は守るよ、良平。お前が自身を生贄にまで守りたかった子だ。


「どうしたんだ?一人でこんなとこまで来たの?危ないよ。送ってあげるから帰ろうね」

背中を押して店を出ようとしたとき。


「おにいさん、良平をたすけて!」

優しくいう俺に、哲平がすがった。

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