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一夜の告白に、顔がどんどん熱くなってくる。
ふと、思いついて聞いてみる。
「も、しかして、布団…」
「あは、和ちんってばお人好しだから、昔っから俺の話簡単に信じて流されちゃうよね。
そうだよ、わざと。
だって、好きな子が近くにいるのに、もっとくっつきたくなるのは普通でしょ?
最近は寝るだけじゃ我慢できなくて抱きついたりうなじにキスしたりしちゃったけど、いちいちピクピク反応する和ちんがもうかわいくてかわいくて。
俺、ムスコを慰めるの大変だったんだよ〜?」
「っ、あれ、わざとか!」
かっと、顔に熱が集まる。む、ムスコって!
恥ずかしくて、真っ赤になって下を向くと、ちゅ、とおでこにキスをされた。
びっくりして顔を上げる。
「ほんとは、もっともっと時間をかけてゆっくり俺を意識してもらおうと思ったんだけど、今日は思わぬ邪魔がきたから。…だからイヤだったんだ、大学の奴らに和ちんを見せるの。かわいい和ちんにちょっかいかけるのわかってたから。
和ちんが俺の友達に興味示したりしないように、家でも絶対友達の話なんかしなかったのに。」
それもわざとだったのか!
一夜から次々告白される事実に、頭が混乱する。夢でも見てるんじゃないだろうか。
だって、あまりにも俺に都合のいい話ばかりで。幸せすぎて、涙がでそうだ。
ちゅ、ちゅ、と顔中の至る所に軽いキスを落としながら、一夜が話を続ける。
「あんなことがあって、もう我慢なんてしてらんない。
もう、絶対に誰にも触れさせないし泣かせない。
和也、愛してる。俺だけの物になって。」
真剣な眼差しで、俺を見つめながら。
夢に見た、一夜からの告白に俺の涙腺は崩壊した。
「お、れも…っ!
俺だって、ずっと、一夜が好きだった…!」
泣きながら言う俺に、満面の笑顔で一夜が口づけた。
end
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[mokuji]
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