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そんなある日。

「おっじゃましまーす!」「へえー、なかなかいい部屋じゃん?」
「結構きれいにしてるー!あ、はじめましてー!なあんだ、彼女じゃないじゃん、ただの同居人じゃん、一夜!」

バイトが休みで、家で夕飯は何にしようか考えていたら、一夜から今日はサークルの飲み会があるから晩御飯はいらないと連絡があった。
それなら、と軽い夕飯ですまし、リビングでくつろいでいると一夜が大学のサークルの友人たちを伴って帰ってきたのだ。

一緒に暮らし初めてから、この家にお客様が来るなんて初めてだ。しかも、一夜は何故か俺に大学の友人の話をしたことがない。大学が違うので、当然初対面の人ばかりだ。

「和ちんごめん!絶対だめだって言ったんだけど、みんな酔っ払って言うこと聞いてくれないんだよ〜!」
「いや、急に来たからびっくりはしたけどかまわねーよ。つか、連絡くれたらなんか用意したのに。それに、お前いつも誰も呼ばないだろ?別に、誰連れてきてもいいんだぜ、気ぃつかうなよ。」
「…別に、気なんてつかってない」

申し訳なさそうに謝る一夜に言うと、むっとした顔で一夜がそう言った。え、なんか怒ってる?

「お、同居人くん、話が分かる〜!そーなんだよ、こいつ大学でめっちゃ人気者で友達多いから、みんなもっとこいつん家行ったり遊んだりしてーのに、全部断るんだぜえー!つめてーだろー!」

話してる最中、後ろからがばりと一夜に抱きつき、肩にあごを置いて話しかけてきた一夜の友人。

…ちょっとむっとする。

そか、一夜やっぱり大学でも人気者なんだ。

「それにさあ、『一緒に住んでる子が居るから家は絶対だめ』とか言うもんだから大学中彼女か!なんて大騒ぎ!でも誰が詰め寄っても内緒って教えてくんないの!だぁから、今日はみんなで無理矢理おしかけちゃいましたー!」

なんて言い方してんだ、一夜のバカ!ちゃんと幼なじみと同居してるって言えばいいのに、そんな言い方じゃ誤解されるに決まってるだろ!

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