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なんで俺なんだとか、色々疑問に思うことはある。
けど、
「いいよ」
強面バンビをプロデュース。いいじゃないか。
「おれが、お前をプロデュースしてやるよ。」
にっと笑って、手を差し出す。
小暮は、びっくりしたような顔をして、俺と俺の差し出した手を交互に見た。
そして、慌てて俺の手を握る。
「あ、ありがとう!よ、よろしくお願いします!」
ぱあっと、笑顔で頭を下げた。
「…っ!かわい…」
「え?」
小暮は聞こえなかったのか、きょとんとして首を傾げた。
はっとして、首を振る。いやいや、違うだろ!
「とりあえず、これからよろしくな。」
そう言って、頭を掻くフリをして顔を逸らす。
小暮の笑顔が一瞬、かわいく見えたなんて勘違いに違いない。
なんて思いながら、さっき見た小暮の笑顔が頭から離れなかった。
end
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