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「上条さんは、私の事すきなんですよね?」
ずいっと上条に顔を近付け、柚那は真剣な眼差しを向けた。
“お前は俺の。他の誰にも渡したくない”
初めて聞いた上条の本心。
昨夜は他の男とのセックスを強要し、彼女をどん底に突き落とした。
しかしその行為により柚那への気持ちに気付いたのも確かである。
やはり彼女が、自分意外の男に恍惚の表情を見せるのは許しがたい。
男を知らない柚那に、全てを教え込んだのは自分なのだから。
『あー…まぁ、そういう事になるね』
観念したように上条がそう呟くと、柚那はいまいち納得のいかない顔で首を傾げた。
「ちゃんと『すき』って言ってほしいです」
いつもより強気な柚那の姿に、上条は苦笑する。
『すき』だなんて言葉、今まで女に口にした事があっただろうか。
――……ない。
『…そのうち、な。言わなくても分かるだろ?』
「え!?分かんないですよ…!私ずっと上条さんに遊ばれてるんだと思ってたんですよ…!」
『はぁ?ちゃんと付き合ってただろ?他の女に手出した事もないし』
「で、でも…デートとか…あんまりしてないしっ…」
『…なに、したいの?』
「し、したい、です」
『…ふぅん』
柚那の真剣な瞳に、上条は考え込む素振りを見せる。
『じゃ、旅行行くか。二泊三日くらいで』
「い、いいんですか!?」
『いいよ、二人で旅行なんて行った事ないもんな』
「っ…、う、嬉しいですっ…」
嬉しさのあまりじんわり柚那の瞳に涙が浮かぶと、『大袈裟だな』と上条は笑った。
『お前、子供できたらすぐに言えよ』
「……え…?」
『よく生でするじゃん、俺』
「あ…、は、はい」
『…お前となら、できてもいーけど』
何気なくポロリと出た言葉に、柚那は目を丸くする。
まさか上条が、そこまで考えていたとは予想もつかない。
セックスの時鬼畜な彼にとって、避妊具を着用しないのは個人の快楽の為だけなのだと。
責任をとる気など、更々ないのだと。
―…そう、思っていたのに。
「っ…上条さん…大好きですっ…」
『なんだよ急に、知ってるけど。
…まぁ、そんじゃ、どんだけ俺が好きかは風呂場で教えてもらおうかな』
「…へ…?」
呆けた柚那に向かって、上条はニヤリ、口角を上げた。
〜おまけEND〜
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