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「んっ…ここ、だよね…?」
宮藤がしたのと同じように、蓮は少し膨れた一際敏感な突起を指でなぞる。
控えめに触れた指をゆっくりと上下に動かし、息を漏らした。
「…っ、先生に触ってもらった感じと…ちょっと、違う…」
「どうして?」とでも言いたげな瞳を宮藤に向けながらも、指を止めることなく動かしていく。
これが気持ちいいということなのか、蓮にはよく分かっていなかった。
宮藤に触れられた時は、あんなにも躰が震えたというのに。
「先生…、ちゃんと、見てる…?これで、いいのかな…もっと、なんだか…」
…先生に、触ってほしい。
そう思って目の前にいる宮藤を見ると、思いのほかばっちりと視線が絡み、蓮の心臓はドキリと跳ね上がった。
表情を一切変えることなく鋭い瞳で自分を見つめている宮藤の姿に、躰の中に羞恥が駆け巡る。
見られている。
こんなどうしようもなく恥ずかしい姿を。
大好きな人に。
「…見てるよ。お前が見ろって言うからな。そんな中途半端な動きじゃいつまで経っても治まんないだろーな」
「っ…、もっと、動かす…?」
「そんな猫でも撫でるみたいな触り方で満足なのか?ぐっと押してみろよ」
「……押す…ぐっと、…っん」
言われた通りに突起を力を込めて押すと、さっきよりも強い刺激が蓮の躰をぴくりと反応させた。
「そのままなぞって。自分がいいと思う力でやれよ」
「ん、う…」
宮藤の言葉に合わせて突起を捏ねるように指を動かすと、口の端から思わず声が漏れ出した。
蓮は思いもよらない刺激に浸るように目を閉じると、不思議な感覚が躰の中を押し上ってくるのを感じた。
「浅見、目閉じんな。こっち見ろ」
「はっ、ぁ、せんせっ…」
じわじわと押し寄せる快楽の波が、蓮の瞳を濡らしていく。
宮藤の視線に捕らわれ、感情が一気に膨れ上がる。
「せんせっ…、触って、…先生がいいっ、お願いっ…触ってくださっ…」
息を乱して訴える蓮を見て、宮藤は眉間に深い皺を刻んだ。
なんでこんなにも、彼女は自分を求めてくるのだろうか。
「…お前、俺を煽ってんのか」
「っ…ん、ゆ、誘惑…してるの…、先生のこと」
「俺は、お前みたいなやつが一番苦手なんだよ」
「わ、私はっ…先生が、すきっ…」
甘い声色でそう口を衝いて言葉が出ると、ずっと表情を変えることのなかった宮藤が根負けしたように苦笑した。
端正な顔を困ったように歪め、蓮へと視線を向ける。
「ほんと、苦手だよお前みたいな真っ直ぐなやつは。まぁ、俺が撒いた種なんじゃ仕方ねぇよな。ちゃんと責任持って刈り取ってやる」
「あ、先生…?」
そう言うなり蓮の腰に腕を回して自身の脚の間へと引き寄せると、驚いている彼女の顔を見上げた。
「さっきは中途半端で悪かったよ。ちゃんと満足できるように触ってやるから、これ以上誘惑してくんなよ。教師だって人間なんだ、ダメだと分かってたって誘われれば食らいつきたくなる時ぐらいある」