2015-1-8 Thu 10:47
まんまと手品に騙され、土方は目の前に立つ自称超能力者の女を見つめた。
「お前は…ビックカザマーを知っているか。」
「ビック、カザマー…?」
「ああ、鬼の泉という宗教集団のトップだ。…先日俺の知り合いのお嬢さんが、その鬼の泉に洗脳されてな。取り戻してほしいと依頼された。」
土方によると、鬼の泉という宗教集団は多くの信者を集めその勢力を拡大しているという。そしてその原動力は、ビックカザマーの超能力、だというのだ。
「ビックカザマーのインチキを暴き、そのお嬢さんを連れ戻したら、俺はお前を超能力者と認める、いいな。」
懸賞金も全部くれてやる、その言葉に自称超能力者の私の心が高鳴った。
「……でも土方さん、それくらい土方さんで出来ませんか?」
「うるせぇ、ビックカザマーに目を付けられると殺されるって噂だ。俺はこんなところで死ねないんだよ。」
言葉を濁す土方に、思わず思い当たる節があった。
「……もしかして、怖いんですか。」