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Wataru


2023/11/23…誤字修正




くるっぷで叫んでいたネタまとめ
- Wataru Only -



ワタル | ハクリューの鱗

「クルル」 キッチンに侵入してきたハクリュー
「わ ハクリューどうしたの、火を使っているから危ないよ」 味噌汁まぜまぜ
「ルルル」 かまってほしくてうろうろ
「わ わ キッチンがハクリューでいっぱいになっちゃう、待って待って落ち着いて」
「ハクリュー! 何をしてるんだ、早く出てこい」
「…ル」 もの言いたげにミシャの頭に顎を乗せるハクリュー
「___」 じっとハクリューを見るワタルさん、指示は二度口にしない
「…クゥ」 親の圧に負けて渋々出ていくハクリュー
「___はあ、ミシャ邪魔して悪かったな」
「そんな別に、ハクリューちゃんごはんの準備できたら一緒に遊ぼうね」
「ル!」 尻尾ふりふり

お夕飯ができました

「ン」 お味噌汁を飲んでいたワタルさんの手が止まる
「あれ、お味変でしたか?」
「いや… 」 ぺろりと指で摘まんででてきた鱗
「…うろこ?」
「ハクリューのだな」
「ええええええ」
「キッチンに入った時か、」
「いつのまに」
「悪い、他にも入っているかもしれない。味噌汁は俺が全部飲むから、」





ワタル | うまれてきてくれてありがとう

「俺は自分と同じ人間が欲しくて、ミシャにお前を産んでもらったわけじゃない」

涙と鼻水でぐずぐずになったわたしの顔に、パパの手が触れる。大きくて硬い皮膚、まるでカイリューみたいな掌が少し強い力で頬を撫でて。パパと同じ色の瞳からこぼれる涙を拭ってくれる。

「わかるな」
「ぐずっ …ン、」
「よし、ならこの話は終わりだ。お前もおいで、」
「 わ、」

ぐんと高くなる視界に、慌ててパパの頭に抱き着いた。そんなわたしを腕に座らせるように抱いたパパが、扉の後ろに隠れていたわたしのパートナー…コンパンに声をかける。ひょっこり顔をのぞかせると、触覚を揺らしながら駆け寄ってきた。

「前より少し大きくなったか」
「ン、技もね 新しいの覚えたよ」

特徴的な声で鳴きながら、パパを中心にしてぐるぐると回るコンパン。わたしがそう言うと、ぴたりと止まって誇らしげに鳴いて見せた。パパはそれを見て「そうか」と、目尻を下げて笑ってくれる。四天王ではなく、わたしとママだけに見せてくれる、優しい顔だ。

暫くするとママが買い物から帰ってきて、その日は久しぶりに家族みんな揃ってご飯を食べた。パパのドラゴンたちに混じる小さなコンパン、昨日まで情けなく思えた光景が、この日は少し違って見えた。

それから夏と秋が過ぎて。わたしは、あの数日後から習い始めたバレエの発表会を迎えた。もちろん始めたばかりで主役になれるはずもなく、わたしは端っこで踊る小さな役だ。そんなわたしをパパもママも、ずっと優しい顔で見守ってくれていた。

パパは似合わないピンク色の小さな花束を持ってきてくれて、踊り終わったわたしをお姫様のように抱き上げてくれる。「見事だった」「俺にはできない」「君は天才だ」と、たくさん祝福の言葉をくれるから。わたしは照れくさくて、困ったように笑うしかなくて。それを見てママとコンパンが、楽しそうに笑っていた。





ワタル | 偶像を欲する

キャ キャッ
庭で楽しそうに遊んでいる我が子たちを見守るワタルパパ

「ミシャには感謝している」
「なんですか藪から棒に」
「みんなお前に似て良かった」
「確かに、子どもたちはみんな顔立ちがわたしに似てしまいましたね。でも、ポケモンバトルのセンスはあなた譲りみたい」
「そんなことはどうでもいい」
「どうでも良いの」
「ああ。それより、この前みんなでリーグに来てくれただろう」
「ええ、1週間ほど前ね」
「あの時、お前たちを見たスタッフが俺に似ていないと」
「もしかして…それが嬉しかったんですか」
「…」
「嬉しかったんですね、それもちょっと特殊だと思いますけど」
「……ミシャ、解って言っているだろう」
「もしかしてどこぞの旦那さんが実は大層な面食いで、奥さんの顔に一目惚れして猛アタックしたこと」
「…」
「おかげでわたしは、家族に物好きだと散々揶揄われたわ」
「ああ…、義兄さんたちか」
「初めてあなたが実家に挨拶しに来てくださった時のこと、いまでも鮮明に思い出せます。兄ったらワタルさんを見るなり『個性的な顔だね^^』って残念そうに、妹にいたっては『お姉さまの趣味は変っていらっしゃいますわ』なんておべっかを使う始末。どんな危機的状況でも悠然とされているワタルさんが、あの時ばかりは冷汗ダラダラ掻いて黙りこくっちゃて」
「忘れてくれ」
「本当にほんっとうに、わたし面白いったらなくって。フォローするのも忘れて、ずっとワタルさんと家族の様子を窺ってしまったわ」
「…顔なんて、自分じゃどうしようもないだろう」
「でも、あんな酷いことを言われてもワタルさんお好きでしょう、兄と妹のお・か・お」
「…お前の家族は、本当にみんなそっくりだから」
「ふふ この顔に生まれて色々苦労もありましたけど、カントー最強のドラゴン使いを落とせたのなら箔が付くというもの。それにあなたと結婚したおかげで、夫の名をチラつかせれば大抵の人は捌けてくれるから、とても感謝しています」
「……待て。まさかお前、まだカントーで言い寄られることがあるのか。そうならないように、わざとパパラッチを撒かず俺の名前を一面に掲げた記事を許可したんだぞ。あれだけ牽制したというのに、まだ言い寄るヤツらがいるとでも」
「あらやだ怖い顔、そこは子どもを4人産んでも美人で魅力的な妻を持ったことを喜ぶところよ」 ちゅう
「…」 妻からのちゅうと、込み上げる怒りと葛藤で複雑な顔をするワタル
「ふふ、まああなたのそういうところが気に入ったのだけれど」
「度量が狭いところか」
「普段は澄ました顔してるくせに、実は独占欲が強くて嫉妬深いところ。ふふ、本当に御伽噺のドラゴンみたいなんだから」

Tips !
顔面偏差値の600族主と恋愛なんてできないと思っていたワタルのはなし (小ネタ設定) 配偶者を「君」ではなく「お前」と呼ぶタイプ





ワタル | 女賢しくて牛売り損なう

「お客さん、お酌いたしましょうか」
「どういう遊びだ」
「高級料亭ごっこです、わたしは新人女将でワタルさんはお食事に来たお客さん」
「ふふ、ならお願いしようか」
「はい、どーぞ」
「ありがとう」
「お酌代は500万円になります」
「高いな」
「当然です」
「…生憎、いまは手持ちがなくてな。次のファイトマネーで払うよ」
「全額!?」
「がめつい女将だなあ」





ワタル | 君を好きになったいくつかの理由


「コラッタ」

「………………………… ヤァーーーーーーーー!!!」




「いつまでそこに隠れているつもりだ、もう捕獲したから出てこい」
「…ほ、本当ですか」 そろり
「コラッタくらいで大げさな」
「わ、わたるさんはふつうのことでも、わたしにはちがうんです! わたしがポケモンとあまり関わってこなかったことはご存じでしょう!」
「知っているが、そうだとしても君はおおげ ___ おっと」 モンスターボールから自分で出てきたコラッタ
「ラッタ!」
「ヤァーーーーー!!!」 ダッシュでベッドの上に避難
「コラツ ラッタラッタッ ククック」 後を付いていくコラッタ
「アアアアーーーーー!」 クッションガード
「…もしかして、お前ミシャを知っているのか」
「ゑ」
「ラッタ!」 ワタルの言葉に頷くコラッタ
「ゑ え、なに」
「さっきの鳴き声は仲間内でするものだ、トレーナーでもない人間相手にするものじゃない」
(さっきの…な、なきご 鳴き声… って、…どれ?)
「ラッ ラ!」
「ミシャ、本当に身に覚えはないのか」
「そ、そんなことを言われても」
「君は良くパニックになって暴走した結果、巡り巡って何かを助けていることが多いだろう」
「褒めるか貶すかどっちかにしてください、わたしいまパニックなんです」
「ちょうどそんな感じだ、ほら何か思い出さないか」
「ラッ!」
「ぐ、… うっ〜…  あ、 あ…?」
「思い出したか」
「そ、そういえばこの前、ヤミカラスたちが会社の前でポケモンをイジメているから追い払って欲しいって、同僚に頼まれて仕方なくモップで大乱闘した覚えが」
「どうして君はいつもそういう危ない目に遭うんだ」
「ラッタ! ラッラッタ!」
「も、もしかしてその時に、いたの…?」
「この反応を見ると、そのようだな… ふむ、ミシャ」
「はい」

そっと彼女の手にモンスターボールを握らせるワタル

「???」
「習うより慣れろ」 良い笑顔
「待って待って、なんだかとてもイヤな予感が」
「俺といるのに、いつまでもポケモンに不慣れでは困るだろう」
(さらりとジャイアンみたいなことを、いやここはときめくところ…?)
「幸い、彼は君に懐いているようだし。コラッタは初心者向きのポケモンだ、君の最初のパートナーには打って付けだ」
「話を勝手に進めないで、そんなこと突然言われても___ほら! なんかコラッタもその気になって目を輝かせちゃってるじゃないですか!」
「その気も何も、決定事項だ。俺が決めた、君は従う。…本当なら、無理強いすることなく慣れるのを待つつもりだったが、」
「だったが…?」
「さすがに1年進歩なしとは思わなかった、よって今後はスパルタを適用する」 輝く笑顔
「ヌァーーーー!」
「ククック ククック」



〜数か月後〜

「ただいま」
「おかえりなさい」
「ラッ!」

「君も随分とラッタに懐いたな」
「はい、おかげさまで… ん?なんか文脈可笑しくないですか」 受け取ったコートをたたむ
「なにもおかしくないだろ。…うん、健康状態も良い。最近、ストリートバトルの戦績も良いみたいで安心したよ」
「勝手にわたしのバトルレコードを見ないでください」
「チャンピオン特権だからなあ」
「職権乱用で訴えますよ」
「それは困る」
「…まあ、とはいえです。ワタルさんには感謝しています、あなたがいなければラっちゃんとの今の生活もなかったわけですし」
「そうだな」
「進化した時は、まったく違う姿になってしまったからどうしたものかと思いましたけど。ふふ、前歯をブラシしてあげるとコラッタの時と同じ顔をするんですよ。気持ちよくてたまらない〜って、ね?」
「ラッタ!」 ニコー!

すっかり仲良しの2人に満足げなワタル教官

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