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それはほんの一瞬の出来事
阿久津SIDE
「おい、名前。飯だぞ起きろ」
正光の大きな呼び声でぴしっと固まる教室内。
『んー?』
「飯だ」
『はい、うん、いく、うん』
起きているんだか起きていないんだか良く分からない返事をした後、よろよろと席を立ち正光達に着いていく名前。
「ははっ、名前起きてる??」
蓮がからかう様に言う。
『んー、一応』
「ちゃんと起きないとぶつかるぞ?」
不毛な会話をしながら教室を出ていく一軍男子+名前。今日は面白いことはないのか、とか思いながらそれを眺めていると名前が急いで戻ってきた。携帯を忘れたらしい。
『けーたいけーたいー』
向かっているのは…教卓?名前らしいな。と思っていた矢先。
ドゴッ
真横から凄まじい音がして、見ると僕の机に足を強打しうずくまる名前の姿。
『っつぅ〜〜〜〜』
「…ぷっ」
名前の痛がり具合につい笑いがこみあげる。
『あ、ちょい!笑ったなー?』
そう言って怒った様に笑う名前。
その姿に、いつものNo,2と呼ばれる冷徹さはどこにも見えなくて、
不覚にも僕は
(ときめいてしまったらしい)
END
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