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僕が君に
こんなに惹かれていくなんて
阿久津SIDE
あの日の昼以来、僕達はよく話すようになった。でも、僕がここに来ている目的、生きている目的は名前じゃない。
…はずだった。
あの日から、僕はどんどん名前に惹かれていって、気が付けばもう君のことしか考えていない。
予想外だ…。
『ねーねーあくつ』
「…なに?」
僕に話しかける時だけは一軍のNo.2ではなく、一人の女子高生として話しているような気がして、特別なのかな…なんて柄にもないことを思ったり。
『あくつってさー、綺麗な顔してるよねー』
そう言って前髪の奥まで見透かすように覗きこむ君に、またときめいてしまうことなんて
(数年前の僕はまったく予想もしていなかった)
(ずるいよ、君って)
END
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