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『ね、涼』
「ん?」
呼びかけたら応えてくれる。当たり前のことなのだが、私達にとっては特別なこと。
私は一軍、涼は二軍。まあ、それは涼が決めている事なんだけど。
涼は学校では話しかけないで欲しい、
でも、それもすぐに、なんとかなるから、安心して。と言った。他の人がいるときには見たこともないような、悲しみと愛に満ちた顔で。
二人でいる時の顔と、学校にいる時の顔が明らかに違うところを見れば、きっと何かあるんだろうなんて簡単に想像がつく。
触れていいことなのかどうなのかは分からない。だから、ただ自分に出来ることをしようと思った。
二人の時にしか見せないあの笑顔を、学校でもみたい、なんて些細な事なのだけれど。
『涼、愛してる』
「急にどうしたの?…僕もだよ」
微笑み合い、重ねた唇から
愛が伝わる。
(あなたのためなら、私は)
(きっと何だってできる、そう感じた)
END
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