ラルトの宝石












世界の秩序が乱れた時、世界の平和が乱れた時、

それらは眠りから目を覚ます。



創造の神レイラが創り出した、

神の力の籠った7つのラルトの宝石。


 第1石 輪廻

 第2石 羅刹

 第3石 略奪

 第4石 闇

 第5石 拒絶

 第6石 有

 第7石 無


それぞれの宝石には1人ずつの適合者が存在し、

ラルトの宝石が眠りから覚めたその時、

ラルトの適合者は

存分にその能力を行使する事ができる。


しかし―――

ラルトの宝石が目覚めるのは、


『世界の秩序と平和が乱れた時』


勿論その能力は世を平和にする為の――

戦力≠ニして使われるのは

宿命であり、運命である。








創造の神レイラに起こされて

眠りから目覚める物が、2つ。


その2つから起こされる物が、1つ。


ラルトの宝石が創られたその時から、

1度も眠りにつく事が許されない物が1つ。


嫉妬の心で自ら起きた物が、1つ。


1度も眠る事がないそれから起こされる物が、1つ。


そして、



自ら眠りにつく物が、1つ―――――………。







……そして現代は、****年。

ラルトの宝石の伝説も、

ラルトの宝石を創り上げた創造の神レイラも

伝説に変わっていっている中、




世界の平和と秩序が乱された




がしゃん……。

何かの、歯車が廻り始める音。

もう止まらない、

この世界に平和が訪れない限り、


 止 ま ら な い 。






「……始まったか」


神は――にやりと笑う。


「これで一体何度目なのだろうか」


やれやれと呟きながら、

重い腰を玉座から――上げる。

 
「……レイラ様」

「うむ、お主らも気付いたか」


目の前に居る――少年少女ら。

髪の色も瞳の色も何もかもが異なっているが、

彼らには唯一の共通点があった。



――美。

彼らの顔立ちは恐ろしい位に整っていて、

見る者を圧倒する何かがあった。


「……まだ目覚めてない者が、一人。

 目覚めているか目覚めていないか

 定かでない者が、一人。」



クスリと笑う――神。


「お主らに命令する。

 直ちにこの二人の身柄を――確保し、

 我の前に連れてこようぞ」

「「「「ハッ!」」」」


汚れのなき――彼らの忠誠心。



「……ああ、どんどんと増えていく我の『子供』」


手を――伸ばす。


「後二人、後二人で完成だ……!」


「……レイラ様、」
 
「……ん?なんじゃ?」


一人の少年が――口を開く。


「『輪廻』の奴の身柄は確保しなくても

 いいのですか?

 あいつはレイラ様と同じく不死≠持つ者だと

 聞いていますが……」

「フン、

 あ奴は歯車が回り始めると毎回我の敵≠ノ回るのじゃ。

 まあその事に特に異存はないがな。

 敵が居なければ――つまらない、というものよ」


『輪廻』。

それは――ラルトの第一石の事。

(しかしこの場ではラルトの第一石の

適合者の事を指している)


人間の中で唯一不死を持ち、

ラルトの宝石の適合者の中でも最強の名を欲しいままにし、

神と同様に不死を持つ。


 
「お主らはとにかく

 その二人の身柄の確保を優先せよ」

「「「「ハッ」」」」


この場に居るラルトの宝石の適合者は――4人。


「ふふ……今回はどんな不協和音を

 お主らは奏でてくれるんじゃろうか」


四人のラルトの宝石の適合者の前で、

一人楽しく呟く神。


「ああ、ああ、楽しみで楽しみで

 今夜は眠れそうにないわ!」


神は――幼い少年の姿をしていた。


「……ならレイラ様、

 私が子守唄でも歌いましょうか?」


一人の少女がクスリと笑う。


「…ふふ、
 
 お主のその声で歌う子守唄なら眠れそうじゃな」


神は――甘美に笑う。


「あーずるいよアカネ!
 
 子守唄ならボクが歌う!」

「…お前、子守唄なんて歌えるのか?

 というかそもそも

 歌詞を覚えられる位の知能を

 お前は持っているのか?」


次々と、二人の少年が――口を開く。


「なっ何言ってるの!?

 その位覚えられるに――」

「おいお前ら!レイラ様の前だぞ!?

 いい加減静かにしろ!」


最後の一人が――口を開く。


「…話なら後でたっぷり聞いてやる。

 何せお主らは我の『子供』なのだからな」


神は――ガラスケースの向こう側にある、

新しく発売した玩具を眺める様に、


まだ見ぬもう二人の人間を想像しながら

四人の『子供』に言葉を紡いだ。


「行け、お主らよ。

 我の命を見事完遂し、

 その二人の身柄を我に突きだしてみせよ!」

「「「「ハッ!!」」」」


四人の声が――はもり、

その声を聞いた神はにやりと笑う。


それはまるで今から始まるモノが

ゲームだと言わんばかりに、

純粋に、ただ純粋に、


笑う、笑う、否、嗤った。



























 ▼後書きのコーナー

 とまあそんな感じで
 ついに管理人の妄想っ……、

 ……口が滑りました、←
 想像がきちんとした形になりはじめてきました!

 こんな物語ですけども、
 これからも読んでくださると幸いです。





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