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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -



honey moon.

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夜のニュース番組も終わりに近づいた。
暖かそうな上着を纏ったキャスターが明日の天気を伝えていた。明日も全国的に晴れ模様だと読み上げる。
夕食も風呂も終えた丈と琥珀はテレビの前のソファーで寛いでいた。
寝る前の薄手の部屋着ということもあって、先に風呂から上がっていた琥珀は、寒さを感じてふるりと身体を震わせた。
読んでいた雑誌を置くと、暖を求めて隣の丈に身を寄せる。
テレビを観ていた丈は風邪を引くぞと注意するが、琥珀は聞かず、丈で温まるからいいと、さらに身体を密着させた。
それ以上注意する素振りをみせない丈へ、嬉しそうに更に寄り、ぴたりと肩にくっついた。
いたずらをするように丈の肩にあごを乗せれば鼻や唇が丈の頬に当たって、楽しげに笑った。
そんな風にじゃれ付かれては丈も琥珀を無視できない。
呼び水とばかりに琥珀の鼻や唇に口づけた。
自分から丈にすり寄ったのだが、琥珀は顔を赤らめると、ちゅ、と小さな音を立てて短くキスを返した。
おずおずと身体をずらすと、丈の太腿に乗っかる。
重ねられる唇は次第に、深く、深く濃厚になった。
触れ合っていた距離が抱き合う密度になり、どちらともなく素肌に手のひらを滑らせていた。
脇腹をなでる丈の手のひらが、琥珀のへそを過ぎる。
下腹部の柔らかな部分を撫でて、まだ早いかと思いながらも茂みをこえて割れ目へ入り込む。
「…ぁ………」
そこは丈の予想よりもしっとりと──
「……ゃ…、っ………」
琥珀が恥ずかしげに睫毛を震わせた。
堪えきれず広い胸に頭を押し付ける。
そんな表情も見せてほしくて、丈は琥珀を上向かせた。
埋もれ火が燻るように、丈の心は恥ずかしがる琥珀をもっと見たいと静かに急いた。
宥めるように琥珀の頬を両手に納め、ゆっくり、優しい手つきで撫でてやる。
琥珀、と。
ふっくらとした琥珀の唇から理由を言わせる流れに持っていくと、琥珀は案の定、顔を染め上げてまた、ふるりとした。
じっと見つめられるのが恥ずかしくて、けれど丈の視線から逃れることなどできなくて。
琥珀は、丈の額に自分の額をくっつけて、吐息と共に小さく零した。
「…た、丈兄に…触られてるって、思ったら………もう…」
感じちゃった──…。
丈の理性がぱりんと割れた。


くたりと力の抜けた琥珀の両脚を、胸につくほど折り曲げる。
あられもなく晒された秘部はぬらりと愛液を垂らし、見られていることを意識して収縮した。
丈は腹に着きそうな程に勃ち上がった雄を琥珀の花弁に挟み込む。
ぴくんと琥珀が反応する。
「ひっ…ん、…やっ、やぁ……、もぅ…だめ、ぇ……」
既に何度も達した白い肢体に力は入らず、シーツに投げ出されている。
しかし琥珀の懇願は丈の動きを止めることはできない。
ぐっと熱く硬い雄を擦り付けるように丈は腰を揺らし、結果、琥珀の腰もまた同意を示すように物欲しげにうねった。
琥珀の意思とは関係なしに、女としての本能がもっと欲しいと丈を求める。
「ぁっ…んぅ、や…、あっ、あっ、あぁっ」
「っ、…琥珀っ……」
ぬち、と。
亀頭を挿れただけだというのに善く締まる。
身体を引いて結合部を丈は見下ろした。
ぴたりと丈を呑み込むそこは、何度も吐き出された白濁に汚れ、琥珀自身の溢した愛液と混ざり淫靡に濡れている。
やや押し込んでは少し引き出し、また押し込んでとゆっくり深めていけば、ぐちゅ、ぐちゅ、と音を立てた。
いやらしい水音に堪えかねて琥珀がいやいやと首を振る。
「ゃ、だめっ…、た、たけにいっ、…そんな、ゆっくりじゃ、…やぁ…あっ」
言葉の通り丈を締め付けて、もっとと求める琥珀の膣。
うわ言のように切なく丈を呼ぶ。
丈は荒く息を吐くと、琥珀の脚を押し上げていた手を、今度は琥珀の花芯へやり指で摘まむ。
「ひぅっ…んっ、っぅ…!」
何度も達して敏感になった花芯は、ほんの少し弄っただけでも琥珀に快感を伝えるが、丈は執拗に擦った。
「あっ、あっ、ああっ…や、だめぇ…そこはっ…ぁん…!」
「っ……、」
琥珀の腟は丈のすべてを搾り取るように雄を包む。
だめ、いやぁ、と喘ぎながら、しかしその丈に助けを求めて縋りつくのだから堪らない。
甘い痺れが丈の下腹部に広がる。
「たけ…に…、っ……ぁん、んっ…っ」
伸ばされた琥珀の手に応えてその背中に腕を回す。
琥珀は丈の汗ばむ胸板に背を浮かせて乳房を押しつけ、好き、好き、と何度も伝える。
丈は応えるように琥珀の奥までぐっと挿し込む。
「はっ…ぁ、…ん、あっ、や、ああっ…!」
「…ぅっ…、っ………」
隙間なく押しつけ合うと一層高い声を上げ、びくんびくんと腰が動いた。
力の抜けた琥珀が息つぎのように短く呼吸をする。
「…琥珀、」
「はっ、…ぁ、っ………たけ、に……」
「………」
「、…なぁ…に……?」
「………お前が…可愛いくて、離せない………」
丈の雄を挿れたままの琥珀の膣が、達したばかりなのにきゅぅと反応する。
琥珀は恥ずかしそうに顔を赤らめて吐息の合間に微笑んだ。
「ん………そう言う…丈兄だって、……色っぽいんだから…」
丈が、汗で張りついた琥珀の前髪をよけてやると嬉しそうにじっと待ち、それが終わってから口を開いた。
「丈兄が…、抱き締めてくれる時の顔とか、……好きって言ってくれる声とか………とっても、すき」
丈の僅かな動きにも琥珀のそこは熱く脈打つ。
「………つかれたけど……んっ…すごく、きもち良かった…」
何度も懇願を聞かずに啼かせているというのに、琥珀は可愛らしいことを言う。
丈の下で乱れるその姿は、普段の琥珀からは考えられないほどの色香を纏う。
声も、身体も。言葉のひとつひとつが、丈の皮膚を滑る指先が、丈の欲を煽って止まない。
何度も達して、もう解放を求めているのだろうに。
…こんなことを言われて手離す男がどこにいるのだ。
「………琥珀…」
「…うん…?」
丈は琥珀に口づけを落とす。
柔らかな琥珀の唇をゆっくりゆっくり味わって、舌を入れて、互いのものを濃厚に絡める。
身体の疲労もあって、琥珀は丈にされるがままだ。
「ん、っふ、……んっ…ぅ…、」
与えられる心地好い感覚を受け入れる琥珀は、薄く呼吸をしながら瞳を閉じる。
幸せな暖かさに全身を包まれて、それが次第に眠気へと塗り代わっていく。
ちゅ、くちゅ、と絡まる水音が少し遠くに聞こえた時。
「………………悪い」
「?」
ずるりと琥珀の膣を擦って丈の雄が引き抜かれた。
「ひゃっ…!んっ…」
突然の刺激に琥珀の蜜口が痺れる。
丈は琥珀を、ころんっ、とうつ伏せにさせると、乳房を優しく揉みながら腰を突き出すように持ち上げた。
「ふぇっ…!?…んっ………きゃ……あ、あっ、あっ…!」
腫れ上がった屹立を誇示するようにさらに強く押し込んだ。
激しく腰を揺さぶる。
「あっ…!、まっ、たけにっ、だめぇ、まだ、あんっ、あ、ああっ!」
まだという言葉通り、琥珀の身体には力が入らないようで、四つん這いにもなれず、上半身をシーツに沈めたままで腰だけ高く揺らされる。
荒々しいほどに擦られ、出し挿れされて、琥珀の息づかいは途切れ途切れになり、丈の熱を更に昂らせる。
「やっ、あん、ぁ、い…、だめ、だめぇっ、…あっ、あっあああ……っ!」
「…っ、琥珀…っ」
その後もうしばらくの間、丈ははち切れんばかりに勃ち上がった雄で激しく何度も琥珀を貫き、琥珀は丈の吐き出した白濁にまみれて甘い声で啼かされた。


翌日は予報の通り天気も良く、行楽日和の言葉に相応しい日だった。
けれども琥珀の健康的な体調不良により、丈と琥珀は、その日一日を家で過ごすことになった。


161109
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