×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



(3)

.
下着姿でベッドに座る琥珀の前に丈は膝を付く。
琥珀は頬を赤くして視線を彷徨わせている。
少しでも安心させてやりたくて、丈は両手で頬を包んだ。
緊張する琥珀を待って視線を合わせると、琥珀は、迷いを残しながらも小さく笑みを作る。
その僅かな変化すら嬉しく、丈は琥珀に口付けをした。
始めは触れる程度に何度も重ね、それから強く、深く、求めるように唇を食む。
「…ぁ…んぅっ、ふぁ…」
苦しげな呼吸をしながらも、丈に応えようとして舌を絡めてくる琥珀の様子がいじらしく、丈は強く抱き寄せる。
空いた手を胸に当て、下着の下から差し入れて直接揉む。柔らかく滑らかな円みの中心が固く尖り、丈の指に引っ掛かった。
きゅっと摘まむと琥珀の腰が浮いた。
「ぁっ…ゃぁ…んっ……」
恥じらいながらも漏れるその声が愛しく、また唇を吸う。
しっとりと手に馴染む乳房を持ち上げるように揉みながら、背中のホックを外す。
「あ……」
琥珀の華奢な肩が縮こまる。
胸の前で不安げに組まれる琥珀の指。その奥の白い肌に、もう先程の赤い痕はない。
「琥珀」
「っ、……みな、いで…」
「…全てを見たい」
「そんな、こと…っ」
琥珀の手を外し、つんと尖った乳房の先端を口に含んで、舌を押し付けて潰す。
舌で遊んだ後で甘噛みをすると、琥珀の手が丈の頭を抱き、ゆらりとその腰が揺れた。
はあっ、と甘い吐息を零して丈の頭を優しく撫でる。
「たけ、に──…っ」
「琥珀…気持ち良いか?」
「んっ…、きもち、い……なんだか……身体が、へんな感じ……」
微かに揺らされる下腹部へ手を這わせる。
琥珀は、あ、と戸惑いの声を上げたが、顔を赤くして両足の力を抜いた。
丈の指がショーツの中の柔らかな茂みの奥へ入り込む。
「ひっ……、っ…」
其処を触られるという初めての現実に、琥珀は声を我慢する。
其処はあたたかく濡れてくちゅと小さく水音を立てた。
「…濡れているな」
「っ…ぅん、…?…濡れ……?」
羞恥の涙目になりながら、わからないという様子の琥珀。
丈は琥珀の涙を舐め取り、湿り気を帯びた茂みの奥を探る。
蜜壷から溢れた愛液を絡めさせて 、下から上へとゆっくり這わせ、腫れた花芯を見つける。
琥珀の腰がぴくりと跳ねた。
「あっ、んっ…!、た、丈兄、やっ…」
「………」
逃げる腰を捕まえながら花芯を強く押せば、琥珀の喘ぎが高くなる。
「そこ、は…あっ、だめ──…」
花芯を弄りながらその下の、絶えず蜜を零すその場所へ、つぷりと指先を埋めてゆっくり動かす。
「ひ、んっ、あっ、あぁぁ、変に、なっちゃ、うっ、」
喘ぎの治まらない琥珀に口付ける。
鼻を抜ける甘い声を発しながら、もう無意識なのだろう、琥珀は腰を揺らして丈にしがみつく。
「んっ、…っ、ふっ…ぁぁ、」
「…声を、我慢しなくていい」
「ひっ、やぁっ、ああっ、あぁっ」
強く弄る丈の手を挟み込み、腰を揺らして、琥珀はいやいやをするように頭を振る。
其処は充分すぎる程に濡れた。
指の動きが止まっても琥珀の内部の疼きは収まらず、丈の耳許で荒い息が繰り返す。
丈は琥珀の顔を見たくて離れようとしたが、それに気づいてか、琥珀は拗ねたように頭を押し付けた。
軟らかな髪に頬を寄せると、琥珀が好んで使っているシャンプーの匂いがふわりと香った。
「……琥珀」
「………」
「…そろそろ…」
「………うん…」
互いに下着を脱いでベットの上へ移動し、丈は琥珀の身体をゆっくりと押し倒す。
先程のこともあって琥珀は怯えたような表情になる。
「琥珀、怖いなら──」
しかし言い終わらないうちに琥珀に顔を引き寄せられる。
琥珀の舌が丈の唇を割り、ぎこちなくも絡めようと口腔を探る。
丈が応え、絡ませ、言葉を飲み込んで離れると、混ざり合った唾液が糸を引いた。
琥珀のふっくらとした唇から外れて頬に落ちる様が、やけに扇情的だった。
熱に浮かされたように見つめてくる視線が濃密な色香を漂わせ、勃ち上がった竿を更に怒張させる。
「いれ、て、丈兄……」
して欲しいの。
鼓膜を震わせる掠れ声が身体に奔り、もう何も考えられなかった。
丈は琥珀の太腿に手を這わせて脚を大きく開かせると、濡れに濡れきった襞へ竿を挟み押し付ける。
「ん──…ぁ、」
声に出すのは憚られたのだろう、しかし琥珀の赤く濡れた唇から、かたい、と小さく零れる。
意識して煽っているわけではないだろうが。
「……っ、」
其れは既に痛いほど張り詰めている。
急く気持ちを抑えながら、琥珀のぷっくりと先を尖らせた花芯を嬲るように擦り付けて上下させる。
「あ、あっ、あんっ……んっ、やぁっ、」
琥珀の身体が跳ねて声が上がった。
互いの溢れさせた粘液が絡まりぬちゃぬちゃと音を立てる。
止めどなく愛液を溢れさせる蜜壷へ、丈は竿を押し込んだ。
「あ!っう、っ…っ!」
「っ、ぅ、」
初めて男を受け入れる琥珀の膣ははるかに狭く、亀頭を挿れるのが精一杯だった。
琥珀の眉根は痛みで寄せられ、悲鳴を堪えて丈にしがみつく。
丈は慌てて我に反り腰を引こうとした。
「へいき、だから………、やめないで…」
「だが……」
「たけに…おねがい…っ」
「……っ、力、抜けるか…?」
ぽろぽろと涙を落とす琥珀の、額に、目尻に、唇に、気を紛らわせるように口づける。
「ぅ、つぅ、…っ」
縋りつく琥珀は爪を立てないように手を握って痛みを堪えている。
こんな時まで人に気を遣わなくていいと思いながら、丈は琥珀の身体を愛撫しながら少しずつ押し進める。
先だけ入っている状態から、ゆっくりと時間をかけ、ほとんどが埋まったところで動きを止める。
琥珀の中は熱く強く丈自身を包み込み、すぐにでも達してしまいたくなる。
熱い息を吐きながら「琥珀」と呼ぶと、琥珀は眉を寄せたまま、瞳を開いた。
「っ、は、……たけ、に…っ、」
「…入ったぞ」
「っ、んっ……」
「…痛むか…」
「いた、い、けど…、あつい……」
「…俺もだ」
「丈兄、」
「…なんだ」
「…大好き…」
「……俺も、好きだ」
「…んっ………ぁ…、大き、く…?」
「…………。動いても…良いか…?」
「……んっ、っ──…うん……して」
丈が前後に腰を揺らし始めて、琥珀はしばらく痛みで涙を零していたが、次第にそれは薄れ、喘ぎ声になった。
丈は何度か琥珀の中に熱を吐き出し、何度も琥珀の肌に口付けをした。
首に、鎖骨に、乳房に。
肩に、腕に、手の甲に。
丈が今まで触れたことの無い場所に。
琥珀が、誰にも触れさせたことのない場所に、吸い付いて舌を這わせた。
丈は、丈を呼んでしがみ付いてくる琥珀を強く抱き締める。
自身を包む琥珀の中も、ちりちりと背中に走る痛みも、強く腰に絡み付く太腿も、胸板を押し返す乳房も。
琥珀を感じさる全てが甘く熱く、狂わしい程に愛おしい。


161002
[ 38/225 ]
[もどる]