悲惨なのがβなのかαなのかΩなのか判断できない(非王道学園β受け)
※タイトル通り「悲惨なのがβなのかαなのかΩなのか判断できない」な話です。
β受けで主人公は気にしてませんが酷い扱いを受けています。
ブラックユーモアやふてぶてしい受けだと理解した上でお楽しみください。


 高校生にもなればエロ漫画やエロ動画に手を出して自分が好きなシチュエーションというのは分かってくる。
 俗にいうヌケる展開。
 性的に押さえておきたい属性。
 そういったものがβにだってある。
 
 世間的にはΩの発情期がはじまり周囲にΩがいたらピリピリと緊張感があったりして、エロい話題を避けがちになる。
 
 俺は空気を読まないのかαβΩといった性別のことを考える前にエロ漫画に手を出していたからか、普通にΩの綺麗な男女が犯されるシーンで興奮する。
 βはβの女でヌクなんていうのは古すぎる。
 エロいものが正義だ。
 
 Ωはエロいことをされるために生まれたんだというのがエロ漫画でよく言われる台詞としてある。
 実際にαに犯されるための存在だとかなんだか上から目線で言い放っていたβはいた。α自体ではなくβがΩはαのものだと献上する構図はなんだか面白い。
 
 美しく優秀なもの同士がくっつくのをβとして外から見守ってますよという脇役気質。
 俺はαとΩのセックスシーンでヌクけれど、一番はコンプレックスこじらせてる薄汚いβのおっさんによるΩへの強姦だ。エロの王道ともいえるほどに漫画でありふれた設定だ。βのおっさんに犯される美しいΩ。しかもおっさんが複数だったりする。精液まみれのΩが延々とβに犯されるかαに救出されるかは男性向け女性向けで変わっていく。
 
 俺の好みとしてはβのおっさんに抱かれて絶望したΩがαに助けられて犯され続けるエンド。しかも、複数のαに抱かれて誰の子どもか分からない状態のラストだと最高にヌケる。
 
 たぶん、βとαがチェンジしただけでΩが犯され続けてる状況は変わらないというのが俺の腹筋を刺激して勃起させている。笑いながら異様にこのシチュエーションが好きだといろんな作者が描くΩを汁まみれにする輪姦ものに手を出した。
 
 Ωという素材の画から伝わるエロさはもちろんだが、βじゃなくαのチンコを入れた瞬間に即落ち二コマを決めるΩが最高すぎる。これを描いているのがΩというから勃起せずにはいられない。
 
 βが描いていたらちょっとΩ蔑視がキモイと思うところだがΩが描いているとなると紙面からエロさが滲みだす。動画だとすると企画は儲けたいΩ発信だったりするのでβのモブおっさんたちが逆に頑張ってる気がして笑える。舞台裏を想像するのは馬鹿馬鹿しいことだとしても俺は表面的なこと以外に妄想のような想像を含めて興奮する。
 
 挿入されて喘いで終わりはありえない。
 身体を撫でたり舐めたりしてる映像はだから何としか思わない。
 
 エロにはエロの美学が必要だ。
 輪姦ものとか漫画なら構図やコマ割りが大変だし、映像ならカメラのアングルに工夫が必要だ。
 そういうことを飛び越えた上での作品だからこそ俺を興奮させるに足るものに仕上がる。
 
 なんて、ことを思っていたが外から見れば輪姦AVや輪姦エロ漫画が好きな変態だ。
 男女関係なくαやβにΩがめちゃくちゃに犯されているものを楽しんで見ている頭がおかしい人間が俺だ。
 
 
 だからというわけでもないが、俺が輪姦されるのも因果応報的なものがあったのかもしれない。
 自分が好きなシチュエーションとはいえ、別に俺にやってくれと頼んだことは一度もない。
 
 
 季節外れの転校生がやってきた。

 転校生は俺の隣の席に座った。βに似つかわしくない小柄で愛くるしい顔立ちだった。
 たまに小奇麗なβはいるので、そういうものかと思っていたらなんとΩだった。
 
 うちの学校は平等をうたって、Ω差別の少ない学園らしい。
 αと優秀なβは特別クラスとして独立した別校舎にいて、Ωはβと一緒に普通クラスというのが学園のルールだ。
 俺はβだが優秀だったのでαがいる特別クラスにいた。
 つまり、Ωが入ってくるわけがないクラスなのにΩの転校生はやってきたのだ。
 
 ルール違反というよりも特別クラスにいる優秀なαの種目的ですね分かりますってな具合に最悪な転校生だが、彼に悪気はなかったらしい。
 
 書類ミスだからということで特別クラスに特別にいる特別なΩになった。もちろん、反感持たれまくり。
 
 ちょうど生徒会役員たちが多い学年だったので優秀でもΩだから同じ教室にいることが許されない役員の親衛隊たちがブチ切れ。特別やイレギュラーというものは説得力がなければ出る杭として打たれる。俺もそれが分かっていたので転校生に近寄りたくなかったが隣の席ということで巻き込まれた。理不尽に耐えなければならないのがβの宿命だろうか。
 
 Ω同士の争いというある意味で華がある修羅場の添え物のようにして地味に被害を受け続けるβである俺。
 
 
 そして、最終段階のようにしてあらわれたのが目の前にいるβの不良集団だ。
 
 彼らはΩの親衛隊からお金をもらって言うことを聞く荒くれ者らしい。
 モブおじさん的な役割をする都合のいい不良たちが俺を押さえこみ、恨みはないがこっちも仕事なんだ的なことを言い出した。
 
 細かい流れはどうでもいい。だいたいエロ漫画で読んでわかっている。
 問題は見せしめとして輪姦されるのは俺というβではなく転校生というΩであるべきだ。
 ツッコミを入れずにはいられないほどの現実と創作物の差異。
 リアルは最低だとは思っていたが、こういう誤作動はあってはいけない。
 シチュエーション的には結構好きなので俺は転校生とチェンジしたい。
 
 
「この状況で勃起してるとか、変態かよ」
 
 
 総長とか呼ばれている不良の親玉らしき人種はβではなくα。
 裸にされた俺の下半身を見下ろしながらコイツもコイツで勃起しているのでお互い様だ。
 αのくせに飢えているんだろうか。
 不良でαならΩでもβでも抱き放題と思う俺がエロ漫画脳なんだろう。
 男のβという犯すのに不向きな俺を前にして挿入するぞとばかりの状態のα。世界のゆがみが今ここに押し寄せている。αのチンコはΩを犯すために作られたんじゃないのか。エロ漫画ではいつもそう言ってる。そう言いながらαじゃなくてβのチンコが入っちゃったとか言い出すお茶目なモブたちが思い浮かぶ。
 
 輪姦されたら今後、俺は輪姦ものでヌケなくなるかもしれない。それだけが心配だった。αのチンコによって俺の慎ましやかな尻穴が破壊されることもあるかもしれないが、それはΩじゃないから仕方がない。
 
 尻が濡れるという挿入するための場所と化しているΩの尻穴と俺ごときβの尻穴を比べてはならない。Ωは中出しされれば低確率とはいえβの子すら孕んだりするがβである俺の尻に中出しされて産まれるのはきっと腹痛だけだ。
 
 βの男の尻穴をどうにかする意味がない。不毛すぎて反応に困る。
 だが、俺の内心の悲しみとツッコミは誰にも知られることなく次のシーンに移動する。
 
 最初に総長であるαのチンコを受け入れた俺の尻穴はβの尻穴ではなくαのチンコと縁があった尻穴になったらしい。不良β軍団が我先にと俺の尻に挿入してくる。穴をガバガバにして人工肛門を作らせて医者を儲けさせようという考えなのか、潜在的なホモである不良β軍団はαである総長の残滓を俺の尻に求めているのか。
 
 αである総長に手出しできないから総長が手を出した俺を性的に責めたてる。
 シチュエーションだけ考えると結構好きだ。
 βじゃなくてΩを共有するα同士のエロい話は女性向けで摘まんで読んだ。
 
 α様はさすがのα様なのでα同士でエロいことをするという不毛なことをせずにΩを間に入れて遊ぶのである。間接照明のような格好よさと面倒な部分な格好つけが実にαらしい。腹筋が刺激されると勃起してしまう俺は笑いながら射精した。
 
 βたちからは気味悪がられ俺を犯すための軍団が一歩また一歩と後退する。
 興味を持ったのは総長であるαだけのようで俺の腹を少し踏む。
 尻の穴からぶぴゅーぴゅーと精液が出てくるのを感じて俺はまた腹を震わせて勃起した。
 自分で自分のチンコを握って笑いながら、しごく。見てる方は地獄に違いない。
 
「なんか、よかったのか?」
「客観的に今の自分の姿を想像して超ウケた」
「それでこんな人前でオナニー?」
「ひとりエッチって暗いところでやる派と明るい部屋でやる派で別れるけど」
「ん?」
「俺は人が来ないならリビングでするのも平気。今はどうせ、あんたらはとめないだろうと思ったし」
 
 他人が俺の射精の瞬間を見ていたとしても俺も俺の尻の中で果てていく彼らを見たわけだ。
 お互い様というか俺が恥ずかしがる意味が分からない。
 好きなように俺の尻で射精していった連中が普通で、尻の持ち主である俺が射精できないなんておかしい。
 
「俺は犯されることを了承してない。犯された上に勝手にドン引きされるとか名誉棄損で訴えたい」
「……はじめに言っただろ。転校生と仲がいいガードの甘いお前がターゲットになったんだって」
「俺はまったく転校生と仲良くねえよ」
 
 Ωを邪な目でしか見れない俺は内緒にしてと言われたので当初、Ωである転校生のサポートをしていた。発情期(ヒート)になった転校生の状態に周囲は気づき、転校生はβではなくΩだと誰もが知るところになった。
 
 とはいえ、ΩはΩだ。
 
 βとして俺は転校生を色眼鏡で見ている。
 親衛隊の方々が言うようにα狙いのガッツリさんではなかったとしてもΩが特例でαに近づくのは普通のことじゃない。
 転校生がΩではなくβ的な意識でαのそばにいようと思うなら精神病院を勧めたい。ΩはΩだ。エロ漫画のようにαのチンコを受け入れるための存在だなんて言わないが、βやαとは身体の作りが違う。βに発情期(ヒート)はない。どれだけつらいとか、衝動が抑えられないなんて聞かされたところで分からない。自分で自分を管理してΩはΩらしく振る舞うべきだ。
 
 親衛隊の言い分は私怨が混ざりつつもΩのいい部分だけを利用しようとする転校生が鼻につくという真っ当なご意見。
 Ωの美しい容姿を利用して不良軍団を手玉に取るわけではなくお金で言うことを聞かせるΩの親衛隊というのが現実だ。俺は現実にはガッカリしている。αの総長と親衛隊のΩが肉体関係にあるとかそういったエロい話を求めているが、なさそうなのがリアルのつまらないところだ。
 
 転校生を直接糾弾しても響かないから近くにいた俺がターゲットと言われてもピンと来ない。
 俺はあくまでも転校生をΩとして扱っているので距離は近くない。βとΩの距離なんて近くなりようがない。
 Ωは自分が世界の主役だと銀幕スターとして華々しい気持ちで生きているが俺をはじめとしたβ一同は人生ってめんどうくさいというのが大体だ。
 
 同じ仕事量でもαのほうが仕上げるのが早いので、βにやらせるよりαにさせたほうがいいと判断される。
 αの絶対数が少ないからこそβもそこそこの立場まで進めるが、上流階級はα社会だ。αじゃない段階で平民として生きて行けと手を振られる。平民には平民としての楽しみがあるので構わないが、上を目指したがるβには苦痛な世界だろう。
 
「Ωのおこぼれにあずかってるβって話だったが?」
「転校生は転校したばっかなのにあいつから何を得られるって言うんだ。……生徒会役員と仲がいいって言うなら同じクラスなんだから話ぐらいする。前からノートの貸し借りはしてた。転校生が来る前からな」
「今までは上手くやってたってわけか」
 
 服装を整えた総長が面白いものを見るように俺に目を向ける。αから見て俺にどんな素質があるのか知らないが、輪姦は終わりのムードがただよっている。現実は漫画のように次のページで綺麗な服を着ていますとはならないので俺はイラっとしてきた。
 
「なあ、精液まみれの手で制服を触られるのと綺麗な制服と事後処理のためのタオルとか用意するのはどれがいいんだ?」
「俺を脅してくるか……。いいぜ。シャワールームに連れて行ってやる」
 
 αは優秀すぎて頭がおかしいとエロ漫画で言われている通りらしい。自分の舎弟の精液でぐちゃぐちゃな俺を抱き上げてシャワールームに連れて行ってくれた。腰が抜けて動けない俺を丁寧に洗って清潔な服を着せて部屋まで送り届けた。
 
 輪姦はちゃんとしたので値段分の仕事はしたということなのか。
 よくわからないが、俺はベッドで寝そべりながら転校生が輪姦された場合を想像してひとりエッチを楽しんだ。やっぱり輪姦シチュエーションは最高にヌケる。
 
 
 慌てて俺を訪ねてやってきた転校生に輪姦されたことを告げると泣き崩れた。
 ただ「俺が犯したかったのに」という言葉は解せない。
 泣きながら床を叩いて悔しがる転校生は俺を心配する気がないようだ。これは友達とは言えない。
 まったくふざけた話だ。
 
 
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タイトル的に生徒会役員(α)とかも主人公に好意があったんでしょうが、今回のことで完全に無理という流れ。

ちなみに続くなら総受けよりも固定カプでエロ寄りの話として展開したいですね。
(総受けはエロいことしてもエロくない笑えないギャグ系)

2018/01/08
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