「三周年記念
短編リクエスト企画」
リクエストされた単語はラストに掲載。
先に知りたい方は「
三周年記念部屋、短編企画」で確認してください。
※ショタ×三十代。
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自分が思うよりも世界が進んでいると兄が四十になった時に知った。
兄は男と再婚するという。
四十の子持ち男がわざわざ男と再婚というのが感覚的に分からなかった。
誰にも何も言わずに三人で暮らせばいいと思う俺がおかしのだろうか。
「宮野はさ、彼女なしイコール年齢のくせに偉そうに常識を語るよな」
十歳になったばかりの山田くんが生意気を言う。俺が作ったラーメンをすすりながらのダメ出し。
「たとえ女でも七十の婆さんが相手なら、お兄ちゃんはどうしてそんな相手を選んだんだろうってぐだぐだ言うんだろ?」
その通りな気もして黙り込んでしまう。
俺は兄が男と結婚するという意思を見せたことではなく、常識という枠からはみ出していることが気になるのだ。
普通ここからここまでという曖昧にして絶対的なラインがある。
子持ちの男としてパートナーを男にするのはそのラインを大きくはみ出している。
一般的な話で考えると子持ち同士の男女の結婚。それはお互いに子供を一人で育てたつらさを分かり合えるので同等である気がする。一人よりも二人の方が子供は育てやすいだろう。家族の役割として分かりやすい。あるいは子煩悩な初婚の女性。
子供と相性が良ければ最高の妻であり、最高の母になるだろう。
女性が若ければ甥っ子に兄弟が出来る。兄が選ぶ女性なら、自分の子だけを贔屓したり、歪な兄弟仲になることはない。
「宮野にとってお兄ちゃんが最強でもさあ、世間的には超普通だからな。夢、見すぎ。四十前のおっさんの嫁になりたい女子は性格悪いか性質悪いからな。男女ともにさ、性格も運も積極性もある奴は二十代の内に結婚するっての」
十歳の山田くんの達観した物言いに俺はうなだれる。
子供の言葉と甘く見てはいけない。山田くんは俺よりも冷静で思慮深い。
本を読むのが好きだというので洞察力が飛びぬけている。
最近の俺は小説が読めない。文字を追っていると目が痛くなって眠くなる。どの行を読んでいたのかが分からなくなって何度も同じ文章を読んで先に進まなくなって、結局、読まなくなってしまった。
代わりのようにこの年でアニメにハマった。
自分で文字を読まなくても音声で状況が入ってくるので最悪、画面を見なくても内容がわかる。
無言の時間を演出で取り入れている作品もあるけれど、大抵はジッとテレビを見なくても置いて行かれない。
山田くんと知り合ったきっかけは図書館での漫画のとり方だ。
俺がタイトルが知っている漫画を見かけて嬉しくて十冊ぐらい一気にとって席に持っていった。
たまたまその時の隣の席にいたのが山田くん。小学校低学年なのにハードカバーの本を読む山田くん。内心尊敬していたので、舌打ちされて驚いた。俺が山田くんを見ているから不快になったのかと思ったら、一度にとっていい本の数が決まっているのだと教えてもらった。見れば、棚に三冊にしてくれと書いてあった。
公共施設なのでみんなでシェアしなければならない。独り占めなど最低の行為だ。大人であるのに恥ずかしい。俺は急いで七冊を戻して、山田くんにお礼を言った。年下に頭を下げる俺が情けなかったのか山田くんは優しく許してくれた。それから、なんだかんだで図書館で漫画を読む俺と分厚い本を読んでいる山田くんとのやりとりがあった。
山田くんが「やるよ」と言ってお菓子をくれたので、図書館近くのコンビニでアイスや飲み物を買って渡した。
変質者が出るなんていう物騒な話があったので、明るい場所まで山田くんを送り届けた。ちなみに俺が不審者と思われて警官に職務質問をされた。山田くんは笑って、知り合いだと庇ってくれた。
山田くんと一緒に漫画喫茶に行ってアニメや映画を見たり、俺の家に来てお昼や夕飯を食べるのはよくあることだった。
親御さんに断りを入れるべきかと山田くんに伝えたこともあるけれど、変に揉めるだけだと断られた。
訴えられたら俺は負けるんだろうと思いながら、年下の友達として今日も山田くんにアドバイスを受けている。
「悪い奴じゃねえけど、宮野は本当に欲しいものとかねえだろ。これがなければ死ぬ。この感情が自分のすべてだ、とかさ」
山田くんの言う通りだ。俺は自分のしっかりとした考えがない。だからこそ、漫画やアニメの濃いめの味付けのキャラクターに「すごいなー」「格好いいな」「えらいなー」と小学生である山田くんより低レベルな感想を持つ。
「宮野のお兄ちゃんにとって、結婚したいって思えるほどの誰かが居て良かったじゃねえか」
「……うーん」
「甥っ子だって父親が幸せな方がいいに決まってるだろ」
「そうかな。反対か賛成か知らないけど、複雑な気持ちになると思うんだけど」
「お前の感情を甥っ子に勝手に重ねて正当化しようとすんな。あと、反対しても止まらねえだろ」
分かっていても、どうしてか、手放しでの歓迎が出来ない。
「お兄ちゃん好きすぎなんだよ、ブラコン」
「俺もさ、三十代なんだよ?」
「ブラコンに年齢なんか関係ねえだろ。マザコンは母親が死んでもマザコンじゃねえか」
「……うち、母親は居ないんだ」
「兄貴は母親代わりだったわけ? なら、母親を取られて拗ねてるガキじゃねえか。兄貴やその相手の年齢は関係なくて、自分の問題だ」
山田くんの言う通りだと肩を落とす。
ラーメンの麺は山田くんに多めに渡したのに食べきれない気がしてくる。
食べても食べてもラーメンが減らない。箸が進んでいないからだと頭の隅で理解しているのにお腹がいっぱいで苦しい。
「毎年、兄さんと海に行ってた。結婚して子供が生まれてからは一年に一回あるか、ないか、になっちゃったけど、海に行ってた」
「ふうん?」
「いっつも無理やり連れだされるみたいに海までドライブするんだ。綺麗な青い海を見せてくれて、すごい幸せだった。でも、今後はもう、ないだろうって」
「パートナーが嫉妬深いのか?」
「わかんない。そうなのかもしれないし、四十のオッサンになったからかもしれないし」
「四十のおっさんが弟と海に行ってもいいじゃねえか。行きたいなら行きたいって自分からお兄ちゃんに言えば? 宮野の根性なし」
もう、これっきりだなと口にした兄が幸せそうで、嫌だとは言えなかった。
時々でいいから、一緒に海を見ようと提案する気持ちは浮かんでこない。
そのくせ、山田くんに愚痴るように報告している。
「宮野は大人だから言えないって思ってんの? 弟だから言えないって思ってんの?」
「わからない」
「……ラーメン食わねえなら、貰っちゃっていいか?」
「いいよ。ありがとう。のびちゃった」
「このぐらい気にしねえよ。……あ、スープがぬるいのは気になるからお湯をくれ。薄くなっても熱い方がいい」
山田くんは自分の好みをきちんと主張できるスゴイ子だ。
俺はラーメンがぬるくてもぬるいまま食べるような鈍感な男だ。
「山田くんに好かれた人は幸せだよね」
きっと好きだときちんと伝えてくれる山田くんは相手からもきっと好かれるはずだ。
俺は兄が好きだったのだろうとじわじわと理解をし始めた。
もやもやとした気持ちの理由は大切で大好きな兄の幸せを喜べないことじゃない。
兄に俺よりも大事な存在がいることが悲しくなっている。山田くんが指摘したように恥ずかしい子供っぽい独占欲だ。
「鼻からラーメン出るかと思った」
「なんで? スープがぬるすぎて?」
「んなわけあるか。急にぶちこんでくるから」
「まだ熱湯入れてないよ。……あ、沸いたから入れるね」
電気ケトルからお湯を注ぐと醤油スープの匂いが復活する。ぬるいと香りが控えめになる。なんでも、熱い方が主張が激しいのかもしれない。
「お先にご馳走さま。漫画読んじゃうね」
「俺はネタバレOKだから、読みたくなるようなプレゼンしてくれ」
本屋で新刊の棚から表紙だけ見て何冊か買うということを最近している。
図書館の漫画の種類が増えないので自分で買うことを覚えたというよりも山田くんに「この漫画おもしろかったよ」と教えられることが楽しい。図書館にあるものは古いものが多いので「俺はこの発展形を見て育ったから、意外性がねえんだよ。古典文学的な嗜みなら読むけど、物語としては古臭い」と門前払い。ショックだったが納得もする。
当時は目新しくとも山田くんからしたら使い古されたお約束な手法でしかないものは退屈だろう。
シンデレラの実写版を見て、内容がひねりなくシンデレラと聞いて想像するストーリーだったので映像美はよくとも退屈だった。あまりにもそのままだから、逆にそれがスゴイことなのかと考えてしまう。オリジナリティで物語が破壊されることは漫画の実写版を見て感じることが多いが、そのまますぎても面白味がないとは思わなかった。
これもまた山田くんがいなければ見なかったし、考えつかなかったことだ。
俺一人なら外れの映画として忘れてしまうが、山田くんは面白くない話がどうして面白くないのかを理論立てて考えようとする。意見を求められるので、俺も頑張って面白くない理由を探す。すると、面白くない部分を言い当てることが楽しくなってくる。面白くないものについて考えるのが面白いというよくわからない状況。
山田くんの俺に与える影響は思った以上に強い。
表紙の綺麗さにひとめぼれした漫画は初めて名前を目にする作者だが、帯に電子書籍のサイトでDL数ナンバーワンと書かれているので期待できる。うまいオススメ文句が考えつかなかったら帯に書かれている売り文句をそのまま山田くんに言えばいい。山田くんも興味を持つことだろう。
文字を読むのが遅い俺は漫画を読むのも遅いが、今回はすぐに読み終えた。
飛ばし読みをしてしまった。
つまらなかったのではない。
興味深い内容で、本当ならのめり込んで味わいたかった。
じりじりと真夏の太陽が描写されて、昔を思い出す懐かしい風景があった。
だからこそ、涙で前が見えない。
「うわっ。宮野が漫画で泣くとか初じゃねえか? ってか、そんな風に泣くんだ……」
「……へん?」
「歯を食いしばったりしねえんだなあって」
「泣かないでいようとすると苦しくなるから、泣きたいときは泣くことにしてる」
「宮野のそいうところ好きだよ」
十歳でこれだけ格好いいのだから山田くんはもっと格好良くなっていくのだろう。
そう思うと苦しくなる。
俺が読んでいた漫画はBLというジャンルのものだ。
噂では聞いたことがあるというレベルの知識しかない俺はBLをよく知らない。
DL数がナンバーワンになるほどBLが人気だと初めて知った。
画力や漫画力のようなものは、とても高い。
文字がいっぱい敷き詰められて読むのに苦労する青年漫画よりも画面があっさりしているので読みやすい。
ただ、内容はとても悲しかった。
「宮野が泣いてるってだけで気になる。もう読み終わったのか?」
「……う、ううん。これはだめ」
「なんで? トラウマになる系? 綺麗な表紙に見せての中身グロとかあるよな」
「ちがう。ひどい」
「ん? あ、BLじゃん。だから? ショックで泣いちゃった? 兄貴思い出して泣いちゃった?」
山田くんの言葉に首を横に振る。
BLと知らずに買ったけれど、BLが嫌で泣いたわけじゃない。
「ひどい。かわいそうだ、こんな……」
おっさんの泣き顔を見せられる山田くんの方がカワイソウな気がしたが涙が止まらない。
本の内容は近所の知り合いの青年に弄ばれて捨てられる少年時代を導入にして始まる。
初恋の相手にヤリ捨てされるような少年は大人になって人を信じられない。
社会人になって年下の出来る男前から言い寄られても身体だけの関係を続けてしまい愛想をつかされる。
最終的に年下の男前とおっさんになった少年は結ばれるのだが、序盤の少年時代のことが忘れられない。
責任とることもなく消える近所の青年。少年を人間不信に陥らせて消える最低の人物が信じられない。
でも、俺はどこかでその人物をのことが分かった。
連絡が取れなくなった後に人づてに結婚したと聞いた少年の気持ちも、結婚した青年の気持ちも、両方が分かる。
「ぶっちゃけ、よくありそうな内容だな。絵が上手いし、エロの見せ方も上手いから好きな奴は好きそう」
さっそく読んだらしい山田くんは冷静な感想を口にする。
「俺、BL読むのは宮野と違って初めてじゃねえから」
「好きなの?」
「べつに」
「山田くん、俺のこと好き?」
「は!?」
呆れ顔の山田くんに涙をぬぐって問いかける。
「俺にとって山田くんはとても大事な人だけど、山田くんはこれから先いろいろとあると思うから、縁が切れることがあると思う。もし、俺が山田くんに酷いことをしてるなら」
じりじりと夏のアスファルトの熱気を思い出す。
兄と二人で手を繋いでいた。
泣く俺を兄が大丈夫だと励ましながら海を目指した。
まったく知らない土地に投げ出されて、不安で臆病になった俺を兄は引っ張る。
雲のない空はまぶしくて怖かった。
辿り着いた海は綺麗で波の音は優しかった。
俺を責める声はどこにもなくて、新しい生活を始める不安も消えて行った。
息苦しい日、眠れない日、落ち着かない日は兄と一緒に行った海を思い出す。
それだけで心が安らいだ。
こんな特別な海に歩いて行ける距離にいる俺たちは幸せだと兄は言った。
知らない場所が嫌だと気持ちは消えた。
兄と向かう海が違う場所に変わっても俺の気持ちは同じだ。
「兄に失恋したのかな……」
「宮野、漫画に影響受けすぎだろ」
「結婚したって聞いてショックを受けてる気持ち、すごいわかる」
最初に結婚したとき、兄は俺に相談してくれなかった。
何も知らず、事後報告。そういうものなのかもしれないが、とても悲しかったのを覚えている。
兄が悪くなくても、誰も悪くなくても、籍を入れたと事後報告されて苦しかった。
「奥さんの顔も、息子の顔も、俺は何も知らない。蚊帳の外だ。家族だと思ってたのは、俺だけだ」
「宮野、やめろ」
「紹介してって口にする勇気もない癖にって思う?」
「思わねえよ。お前が言えないのは分かるよ。そういうやつだよ」
俺の背中を強めに叩く山田くんはとても良い子だ。
だからこそ、俺と一緒にいるのは不健全だとも思う。
ゲイであると思いたくなくて結婚に逃げる漫画の中の主人公に傷を与えた青年のように俺もいつか山田くんから離れようとするかもしれない。
「宮野、誰かと結婚できるつもりでいるわけ? 貰い手ないのに俺を捨てる悪い大人になるかもとかメソメソするとか馬鹿なのか?」
「俺は山田くんが良いならずっと今のままでいいけれど、大人になった山田くんは」
「今よりもっと素敵だろうって? 当たり前だろ。だから、ちゃんと捕まえとけよ。最終的に介護もしてやるから喜べ」
「むりだよ」
「なんで? 兄貴と海に行けないって女々しく落ち込んでるぐらいなら俺と一緒に海に行きたいって言えよ。俺が断るわけないのは分かってるだろ」
「山田くん、男が好きなわけじゃないだろ。俺だって」
「めんどくせぇ、おっさんだな」
溜め息を吐かれたが、山田くんはソファに座ったまま動かない。
自分の家に帰ることもない。
「俺のことを好きだって言えよ。それで、兄貴をちゃんと常識や自分の気持ちから切り離して考えられるだろ」
「どういうこと」
「兄貴が男にあんあん言わされてんのを想像するのが怖かったんだよ。あんあん言わせてんのかもしれねえけど。そういうことを兄貴に対して想像するのが嫌で言い訳して逃げてるだけだ。俺に謝り出してるのそれだろ」
山田くんは漫画の序盤のページを俺の顔の前に持ってくる。
目を覆いたくなるシーンだ。
青年が少年を犯している。
「酷いことをしてるって思うのは大人が子どもを犯すなんて酷いっていう常識が宮野にあるからだろ。それは立派だよ。でも、俺が宮野を犯す場合は? 宮野のケツが酷いことになる可能性があるけど、俺は気持ちいいだけかもよ。それでも、宮野が悪いの?」
「条例とかだと」
「未成年淫行? 結婚してたり結婚が前提ならOKって聞いたよ。つまり、宮野が俺を捨てなきゃ問題なし。ってか、捨てられるわけねえだろ。宮野は俺が居ない生活に耐えられるわけ?」
山田くんに股間を足で踏まれる。
最近、山田くんは足癖が悪い。
「宮野は十歳に上から目線でいろいろ言われて、足コキされちゃって、間抜けなおっさん受けだって自覚ある?」
「おっさん受け?」
「宮野が買った漫画、絵柄は若くて小奇麗だけど設定では三十代の普通のサラリーマンだろ。宮野じゃん」
「俺、年下にモテたりしないし」
「モテても気づかねえだろ」
股間を蹴りあげるような山田くんの足使いに翻弄される。
大人として情けないが下着を汚しそうだ。
「お兄ちゃんお兄ちゃん言ってるバカみてえなおっさんと下心なく一緒にいるわけねえだろ」
「……大学の費用?」
「金の無心じゃねえよ、あほっ」
漫画でバシバシ頭を叩かれたが本気で怒ってるわけじゃない。
山田くんは恥ずかしそうに顔を赤くした。
「好きだ。将来的に俺は宮野を抱く」
「……」
「言いたいことあるんだろ」
「おっさん受けはハードルが高いよ」
「慣れろ」
山田くんからすると好きなら性別も年齢も関係ないのかもしれない。
俺の世代ではまだまだ大きな障害とされている。
漫画ですら読むのに抵抗があるので現実でも難しい。
けれど、顔を真っ赤にしている山田くんにときめきを覚える俺は兄が男と再婚を選ぶ気持ちも理解できた。
好きな相手と一緒にいたいというシンプルな気持ち。
海に一緒に行かないと幸せそうな顔で言ったのは、自分の不安や不満を海に投げ込まなくても平気になったからだ。
すべてを失ったような日に海を目指して俺たちは歩いていた。
その残像を大人になってもお互いに持ち続けて、二人で海を見て気持ちを落ち着けていた。
じりじりとじわじわと俺の中に根付いた山田くんは初志貫徹と顔に書いている。
無理なことを望む子じゃない。
山田くんは俺の何倍も頭がいい。
子供の戯言だと思えない決意が瞳の熱意にあらわれている。
「好きだって言葉にしなくても宮野の気持ちなんて分かってる。逃げられると思うなよ」
でもやっぱり、おっさん受けのハードルは高い。
どうしてもグロ映像に感じてしまう。
俺が気持ちよくなる姿を山田くんに見せるのは申し訳ない気がしてならない。
「宮野は人に感化されるタイプだから、おっさん受け漫画の感想レビューでも見て、こういう世界もありなんだって思うところからだな」
「むずかしいね」
「十歳の足で勃起してるくせに良い子ちゃんな顔するなっ」
山田くんの言葉はすべて正しくて何一つ反論できない。
そして俺は山田くんの口達者なところが、きっと一番好きだ。
俺が分からないことを言い当ててくれる山田くんとの会話はとても安心できるし、うれしい。
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「
じりじり、ショタおじ、ときどき兄さんの幸せの青い海」という単語リクエストからでした。
イケメン小生意気ショタ×ゆったり思考のお人好しなおじさん。
子供っぽくない山田くんは同世代と話が合わないだろうし、
純粋で真面目っぽくて要領悪い気配のする宮野は同世代の友達が居なさそう。
この後のもっとエッチな部分や兄弟仲(兄の話)を書きたいような、長さとしてもこれがベストなような、という話です。
これだけで読める話だと思っていますが、続編的なものがあっても許してください。
2018/08/29
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(お返事として
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