「一周年記念
単語リクエスト企画」
リクエストされた単語はラストに掲載。
先に知りたい方は「
一周年記念部屋、単語リクエスト企画」で確認してください。
※美形兄×平凡弟の変態的で異常なほのぼの。
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年の離れた兄は派手な顔立ちで女性にモテそうな人だ。
十人中十人に似ていないと言われる俺たち兄弟だけれど血は繋がっているし、兄弟仲は良い。
共働きの両親の代わりに兄に面倒を見られて俺は育った。
反抗する理由もないので今のところ兄と一緒に居たくないと思ったことはない。
休みの日はどこかに連れて行ってくれたし、友達に羨ましがられるほどかわいがってもらっていた。
学生時代の兄は平日にバイトをして休日に俺と少し遠出する。
山に登ったり海に潜ったりと豊富な体験をした。
ある時、両親は一銭も旅費などを出しておらず、すべて兄のバイト代でまかなっていたと聞いて勝手に気まずくなった。
何も知らずに遊んでいたことに罪悪感を覚える。
兄は気にする必要はないと言うけれど当時は社会人ではなく学生だった。
バイトで稼いだお金は俺に全部使ってくれていた気がする。
同級生や先輩たちから何度となく兄を紹介してほしいと言われた。
それほどに兄はモテ男だ。
けれどプライベートな時間は他の誰でもない俺と過ごす。
俺と遊ぶためにバイトをしてお金を溜めて時間を作る兄だった。
もちろん、周囲から言われておかしいのは気づいていた。
行きすぎている愛情が時折、重いと思うことはある。
それでも兄は俺の兄だ。
俺も兄と過ごしたかったので周りの言葉は無視していた。
兄にフラれた女子の嫌がらせにストレスが溜まることもあるけれど、兄と一緒においしいものを食べていれば忘れられた。
俺たち兄弟には俺たち兄弟の距離感がある。そう思うことで開き直っていた。
就職した兄が休日でも会社から連絡を受けることが数回続くと気まずさは増す。
学生である自分と兄の違いが突きつけられて罪悪感に胸が痛む。
テレビで見た旅館に行きたいとつぶやけば兄が一緒に行けるよう手配してくれる。
旅費は全部兄持ちで観光プランも兄が考えてくれる。いつ調べたのか穴場スポットに絶対に連れて行ってくれるので写真をSNSにアップすればちょっとしたヒーロー。
休み明けに必ず教室で話を聞かれるし、兄と綺麗な夜景の写真にはイイネがつきまくる。
自慢の兄への褒め言葉は嬉しいし、旅先での思い出話をみんなが率先して聞きに来てくれるのも楽しい。
けれど、ふと自分の言動を振り返り、悪いことをしている気持ちになる。
なんでもかんでも俺は兄に背負わせている。
誰に言われなくても甘えすぎている自覚がある。
小学校の頃、何をするにしても兄が肩代わりしてくれていたので俺は横にだいぶ大きかった。
相撲取りとか鏡餅と言われて足を引っ掛けられて転ばされたりランドセルの中身を窓からばら撒かれたりした。
そういったいじめから受けるストレスで、ちょっとした過食状態になったり、引きこもりになったりもした。
兄と一緒に見知らぬ土地に行くと学校でいじめられたことをなんとも思わなくなっていく。
豚餅と言われてほっぺたを引っ張られたり突かれたりして嫌な気持ちになっても、別の場所では元気でよく食べるいい子と褒められる。誰も俺の見た目をおかしいとは言わない。大きくて逞しくて立派だと褒めてくれる。
兄も俺の腹や足を枕にして寝るのが好きなので俺の体型はからかわれやすい悪いものじゃないと思える。
深く考えることをせず、俺は自分の状態を肯定していた。
美味しいものを食べて好きなことをいっぱいする人生は楽しい。
だから、兄に甘えている自覚はあっても兄から離れようとは一度として思わなかった。
兄が土下座しながら俺のちんぽをしゃぶりたいと言ってきた。
立派な社会人が男子高校生のちんぽを舐めたいと頼んでくる。
どうしようもない変態だ。
もちろん俺はうろたえる。
兄が好きだからと言って気軽に裸になって腰を突き出すことはできない。
両親は半年前から仕事で海外に行っている。
父についていくために母は仕事を辞めた。
俺のことは兄に任せればいいと思っているらしい。
SNSで繋がっているので俺が宿題忘れたなんていうのも、つぶやいてバレている。
俺たち家族は兄の性癖以外はたぶん普通のはずだ。
「お前のちんちん舐められなかったらお兄ちゃんは隣の家の妊婦に欲情しなくちゃならなくなる」
「なんで?」
「デカい腹を撫でたいんだよ」
「俺の腹は妊婦ほどじゃねえけど?」
「そこは我慢する」
腹を撫でたいことを我慢するとちんぽをしゃぶりたくなるんだろうか。
頭の中でハテナマークが浮かび続ける。
普通、妊婦にちんぽはない。
「このところよく『兄ちゃんはどうして結婚しないの』って残酷なことを聞くよな」
「兄ちゃんは女に興味がない人なんだっけ? あれ、なら妊婦さんは??」
「お兄ちゃんのゲイカミングアウトにも動じないお前は最高の弟だよ」
「女の人と付き合っちゃったら俺と遊ぶ時間減るからちょっとヤダ。でも、相手が男なら一緒でも平気そうじゃん?」
「浅はかなお前は本当にかわいいよ。……ともかく、お兄ちゃん本当はゲイじゃない」
「嘘ついたのかよ!」
「落ち着いて聞いてくれ」
俺の下半身に抱きつく兄。
腹に頬ずりをしてきた。
「俺が初めて精通を迎えたのは母さんのお腹が膨らんでいたときだ。お兄ちゃんになるのよとかなんとか言われながらお腹を触らせてもらったその感触で俺は勃起した」
「変態……」
「腹の中からお前が俺の手を蹴ったことを思い出しながら初めてのオナニーをした」
「特殊すぎる性癖でよくわかんない」
「エロ業界用語で言えば俺はボテ腹好きだ」
「妊婦さんに欲情する性癖ってことはつまり兄ちゃんは寝取り野郎にしかなれない!? パンパンなお腹にしか興味を持てないなら普通の女の人を好きになれないってことだから……犯罪者になんの!?」
俺はやっと兄の告白の重大さに気づいた。
兄にどんな趣味があっても幸せになってもらいたい気持ちは消えない。
どんな変態であっても兄は兄だ。
気持ち悪いことを言っているなとは思うけれど仕事で嫌なことがあったら俺の股間に顔をうずめて匂いを嗅ぎ続けたりする人なので変なのは今更だ。
振った女があることないことを言いふらしたせいで不良に絡まれて殴られたと頭から血を流したときは一晩中、俺の乳首を吸っていた。
兄のストレス解消法は独特すぎる。
「犯罪者にならないためにお兄ちゃんにはお前が必要なんだ」
「だから俺の腹は妊婦ってほどじゃないし」
「……もっと太るか、腹筋をつけるのやめよう?」
「だって三原田に腹が出てるってバカにされる」
「友達の言うことなんか今まで無視してただろ」
「三原田は毎日腹をつかんでくるから……」
「最近、俺が抱きつくのを避けるのはミハラダくんとやらのせい?」
「うー、だってさぁ。なんか、三原田のせいでお腹いじられると勃起するようになっちゃって……」
腹筋がバキバキってほどに俺の腹が鍛えられているわけじゃない。
でも、相撲取りとか妊婦というレベルのお腹はしていない。
これはトレーニングの成果だ。
「腹筋ばっかりしたせいで胸に肉が残って変になった」
腹を触られないようにしたら今度は胸を揉まれだした。
すると自分の胸の脂肪が気になってくる。
これは絶対に三原田のせいだ。
顔は腹筋と一緒に痩せたのに胸は触ってみると意外にやわらかい。
鍛えていなかったのか脂肪が残ってしまっている。
「お前が自主的に減量したり、ガチムチを目指すならお兄ちゃんは何も言わない! けどな、ミハラダのために鍛えるのだけは絶対に許さない!!」
「三原田のためじゃねえし」
「じゃあどうして魅惑のぷにぷにボディを筋肉包みにしようとしてんの」
「兄ちゃんがゲイだって言うから……筋肉ある方が、嬉しいのかなって」
俺の中のゲイのイメージはテレビのおかまさんだ。
ボディビルダーを見て「まあ、良い男」と言っていたりする姿が俺の中のゲイだ。
「別に兄ちゃんを喜ばせてあげようと思ったとか、そんなわけじゃないけど」
「妊婦を犯す代わりにお前を犯させろって言おうと思ってたら痩せはじめたから混乱しててごめん!!」
「兄ちゃん……お隣の妊婦さんをレイプするつもりだったの? 犯罪者じゃねえか」
「お前のちんちんぺろぺろしてたらそんな気持ちにならないから。ぺろぺろさせてください」
自分の中の欲望を押さえるための手段を見出していた兄はやっぱり大人だ。
ただ社会人が舌を突き出して「ぺろぺろ」を連呼する姿はだいぶ見苦しい。
それでも、土下座してまで俺のちんぽを舐めたいという気持ちの悪い訴えは隣の家の妊婦を守るためだと思うと力になってやりたくなる。
常識的に生きていくためにあえて非常識ともいえる行動をとらなければならない。
大人の大変さが俺はこのとき初めて知った。
兄は誰よりも偉大だ。
普通は弟に土下座をしてちんぽを舐めたいなんて言えない。
「正直、筋トレとか食事制限ってつらかった」
「いいよ、いいよ。好きなものを食べて好きに生きていいよ。戻ろう、ぷにぷに!!」
「三原田が付き合ってくれなかったら続けられなかった」
「ミハラダ死ねっ」
「いくらがんばっても腹筋割れてこないし」
「うちの家系、筋肉がつきにくいから」
「兄ちゃんはやせ形じゃん」
三原田は兄が痩せていてモテ顔だから俺も痩せればモテ顔になると言っていた。
モテたいわけじゃないけれど似てない兄弟と言われるよりも兄弟そろって格好いいと思われたい。
兄だって俺が格好いいほうが自慢の弟だと周りに言えるはずだ。
というような俺の弟心を兄はあっさりと無視してくれた。
待てができない犬のように俺のズボンごと下着をさげて、ちんぽを舐めしゃぶる。
がっついていて見苦しくなりそうな、その姿すら兄はやっぱり格好いい。
セットされていた前髪が乱れているのが必死さを演出していて照れくさい。
いつもの余裕のある大人の顔から俺と同い年にまで若返ったような兄。
気持ちが良くて腰が抜けて座り込む。
よだれを流しながら兄はなおも俺のちんぽをしゃぶる。
俺が腰を引いても兄が追ってくる。
「も、もう、だめっ、だめっ」
射精して身体が痙攣しているその中でも兄は俺の下半身から離れて行かない。
完全にガッチリと固定して俺のちんぽをくわえこんでいる。
じゅぶじゅぶと下品に立つ水音を俺が嫌がっても兄は止まらない。
何度か射精して身体に力が入らず脱力している俺の服を脱がせて全身にキスをする。
人から見れば筋トレは成功していないと思われそうな、たるんだ身体。それを「痩せたね」と言いながら兄が撫でてくる。
妊婦に比べたらお腹はぺったんこと言えるぐらいのものだ。
あおむけの体勢のせいか腹筋は見られないけれど普通の体型だと熱弁したい。
「ミハラダはどこをどうやって触った?」
「胸はダメって言うようにしてたら今度はお尻をぎゅっぎゅするようになった、かな」
筋肉が付きにくいから助けてやると言ってことあるごとに揉まれる。
正面から抱きしめられてお尻をつかまれるのでちんぽが勃起すると三原田にバレてからかわれてしまう。
お腹も胸もお尻も全部ダメだ。
「ヤる気満々じゃねえか。クソミハラダ」
「だから一緒に筋トレしたりしてるんだってば」
やる気がなければ身体を鍛えるなんていう面倒なことをあえてするわけがない。
俺の訴えに兄は微妙な顔をする。
「あーあ。このままお前がミハラダといちゃついてたらお兄ちゃんは犯罪者になっちゃうなー」
「ちんぽしゃぶって満足したんじゃねえの」
「ちんちんは舐めるんじゃなくて入れるもんじゃん」
急に大人な意見を繰り出す兄。
俺は妊婦さんが犠牲にならないように兄を監視することを誓った。
三原田と筋トレしていた時間を兄との食事の時間や兄にちんぽ舐められタイムにすることを約束させられる。
「お兄ちゃんはローションたっぷりのお前のわきの下で十分に満足できるよ」
「お隣さんに限らず妊婦さんにこんなこと頼むのはナシだから」
「お兄ちゃんが二十四時間ちゃんと見張ってろよ」
「いい大人が何言ってんの」
呆れた風を装いながら俺は兄の役に立てるのが地味に嬉しかったりする。
ゲイよりも妊婦好きというヤバイ兄の性癖は俺しか知らない。
俺だけが兄を止められる。俺にしかできない。
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「
鬼畜、兄弟、年の差」という単語リクエストからでした。
鬼畜は非人道的という意味での使用です。
エロい意味とはちょっと違う形での使い方なので反則?
弟に対して平凡表記はちょっと違うような気がしなくもなかったんですが、
ぽっちゃりやデブやガチムチ表記は違和感。
個人的な好みとして、ぽっちゃり受け特有の脂肪いじり(腹肉?)ネタを入れてますけどね。